古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第九章 将軍家茂公の串本上陸・その八

2011年12月21日 09時35分41秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

家茂公第三ページ(上の写真の五行目~六行目)

解読      御用相勤候段、冥加過当之仕合ニ付、乍  恐舩并

      道具共奉献上度存念ニ御座候間、御聞済

      被成下候ハゝ、莫大之御仁惠いケ計難有

読み方  御用相勤め候段、冥加過当の仕合わせに付き、恐れながら船並びに

     道具共献上奉りたき存念御座候あいだ、お聞き済み

     成し下されそうらわば、莫大の御仁惠、いかばかり有り難き

解説  「相勤候段」・・・「候」は一つの点になっています。 「冥加」は前回出ました。 「過当」・・・「過」の崩しに注意。覚えなければ読めない崩しです。「過当」は「多すぎる」。「冥加至極」と同じ意味です。  「仕合」・・・幸せと同じ。 「乍恐」・・・解読不能ですが、慣用句です。 「舩并」・・・船並びに。「并」は現在の並と同じ使い方です。 「道具」・・・「道」の崩しも元の字からかけ離れて居ますが、これも形で覚える字の一つです。 「奉献上度」・・・献上奉り度く。 次は難しいですが、「存念」です。 「御座候」・・・理屈で説明出来ないところが有ります。 次は「間」。 「御聞済」・・・これも難解ですが、数を重ねる事によって読める様になります。 「被成下」・・・成し下されそうらわば。 「莫大」・・・これも解読は難しい。  「御仁惠」・・・お情け。お心遣い。慈しみ。  「いケ計」・・・いかばかり。これも読むのは困難です。 「難有」・・・有り難き。読むのは困難です。