かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 222

2022-12-27 18:05:31 | 短歌の鑑賞
   2022年度版 渡辺松男研究2の29(2019年11月実施)
     Ⅳ〈悪寒〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P145~
     参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、
         渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取未放


222 ぞっくぞっくと悪寒するなりわたくしの何処を切りても鼠の列

   (紙上参加)
 風邪をひいて悪寒がするときの感じは、確かにちゅるちゅるもぞもぞ動きまわる鼠のようかもしれない 一読して、感覚的に即納得。すごい発見であり、表現力だと感嘆。(菅原)

   (当日意見)
★下の句は七・六のリズムですね。塚本邦雄は結句六音が多いですが。菅原さんと同じ
 で感覚的にとてもよく分かる。言われてみれば確かに悪寒がする時って、全身に鼠が
 詰まっているようなもぞもぞと不愉快な感覚ですよね。(鹿取)
★よく分かります。「ぞっくぞっく」が効いている。渡辺さん促音便を使ったオノマト
 ペが多いですね。「ぞくぞく」では俗っぽいけど「ぞっくぞっく」にはオリジナリ
 ティがある。(A・K)
★米川千嘉子さんが松男さんのオノマトペには心が反映していると独自性を褒めていま
 したね。(鹿取)
★「鼠の列」が素晴らしい。鼠を思いついても「列」とは言えない。ぎっしり詰まって
 いる感じがする。(岡東)


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