かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 58 

2022-04-19 14:38:58 | 短歌の鑑賞

  渡辺松男研究2の8(2018年1月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【百年】P40~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放
     

58 木となりて一生泣いておりたしと泣きながら締めなおすネクタイ

     (まとめ)
 〈われ〉にも木の不動性が羨ましい時もあるのだろう。仕事に行きたくない気持ちを抑えて〈われ〉は泣きながらネクタイを締め直す。木になったら楽勝、なのではなく「一生泣いておりたし」というところが、この歌のポイントだろう。『寒気氾濫』には次のような歌もある。(鹿取)
  直立で泣き叫びいし翌朝の杉は一層真っ直ぐに立つ

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