AYUKO Soul Quest. "スピってるがフィジってる"

元気になってくれ。
自分にときめいてくれ。
そして愛を見つけてくれ。

光る君へ

2024年03月11日 | 人との関わり(愛とか)
今年の大河ドラマは
「光る君へ」、
源氏物語の作者、紫式部の生涯を描いたものであります。


そもそも私は昔から歴史に興味がなく、
正しくは歴史の授業が面白いと思ったことが一度もなく、
私は世界史を選びましたが、
日本史にしろ、世界史にしろ、
要は「男たちの権力争い」の歴史なわけで、
誰と誰が戦って、どこの国とどこの国が戦って、
誰がトップに立って、以下、どーのこーのというのが、
私にとっては本当に退屈でしょうがない。
(歴史好きの方にとってみれば
「ちょっと待ったー!それだけじゃない!」かもしれませんが、
今日のところはお許しくださいませ。)


そんな「男たちの権力争い」に全く興味のない私にとって、
今年の大河ドラマに関しては始まる前から興味津々でした。
だいたい「光る君へ」というタイトルに既にうっとりする。


男たちの権力争い「以外」の何かが展開するに違いない!


そしてドラマは始まり、
私は今、毎週日曜日を楽しみにしている。


大河ドラマと言えば、
まずはオープニングテーマですが、
赤い花がフワーッと開いてゆく、
なんとも官能的な映像と共に、
美しい弦楽器の旋律で始まる。


まさに・・・雅(みやび)!!!


いわゆる戦いものの猛々しさではなく、
曲を通して、とにかく「官能的で優美」である。
メロディーやオーケストレーションが、
ドビュッシーの「月の光」を思わせ、
(確かに劇中には「月」がモチーフとして出てくる)
よく聞くと、ジョージ・ガーシュウィンの雰囲気もある。



ふむふむ、こう来るのか!と思うと、
劇中に流れる音楽も時にはジャジーであったりして、
平安時代の優美さと洗練されたジャズのコンビネーションが
なんともおしゃれである。


そんな音楽に魅せられながら、
雅な平安時代へと誘(いざな)われるのであります。

そしてお衣装の美しさと色の艶やかさにはため息が出る。
ただ華やか、鮮やかという言葉では形容し難い、
「ただの赤じゃない」「ただの黄色じゃない」という、
日本ならではの色の奥深さを感じる。


そして、そして、やはりなんと言っても、
主役まひろ(紫式部)を演じる吉高由里子さんと、
藤原道長を演じる柄本佑さんの二人の愛の物語の演出の美しさと言ったら!

実は吉高由里子さんにはこれまで興味がなかったのですが、
このまひろをものすごく素敵に演じていらっしゃる。

柄本佑さんに至っては「これほどの当たり役はないんじゃないか」と思うほどで、
スッとした目元と凛々しさはまさに平安時代の藤原の貴公子、と言った感じで、
彼の目の演技力というのでしょうか・・・ドキュン、であります。


あらすじの詳細は割愛するとして、
この二人は幼い時に出会っていまして、
(まひろは多分、10歳くらいで、道長は14〜15歳くらいではないか)
お互いに出所は隠しながら毎週のように村の川の近くで会って、
色々なお話をするのですね。(デートのようなね。)

その頃から二人はお互いをとても好きだったのです。

ある事件が起こることで会えなくなり、
その6年後に二人は偶然に村で再会するのです。
「あなたは(君は)・・・もしかして?」ってね。

そこから二人の愛の物語が進行してゆくのですが、
もちろん同時に宮では凄まじい権力争い、
藤原一族による(権力を得るための)陰謀などなど、
当時の「男たちの物語」も入っていきます。


そんなことはどうでも良い私は、
ただただ、まひろと道長を見ていたいわけでして(笑)
お互いの出所が分かり、
まひろはかつては「三郎」と呼んでいた少年が、
藤原家の三男である「道長さま」であること知り、
どんなに好きでも、自分のような位の低い家の出の娘には
到底許されない恋である、と一旦、諦めるのですが、


道長は諦めない。


先ほど、柄本佑さんの「目の演技力」なんて言いましたけれど、
彼のまひろを見つめる目というのが、


全てを語っている。


堪えきれないほどの、まひろへの愛おしさ、燃えるような思いが
その涼しけな目の中に隠されている。


なんとかして彼女に会おうとする。


二人が再会してからのお話はここでは割愛していますが、
当然ながら色々なことが宮中でも村でも二人の間でも起きています。


昨日のお話というのは、
道長も、まひろも「もう気持ちを押し殺すことなどできない」、
そんな気持ちで、いつも二人が会っている場所で会う約束をして・・・


その先はですね、
もうそれはそれは美しい愛のシーンでありましたよ。
(見逃した方は、是非、今度の土曜日の再放送を!)


しばらく私も放心状態になる程、
「あの二人の世界」に引き込まれてしまいました。


私が見る「あの二人の世界」・・・とはなんでありましょうか。



道長の純粋で真っ直ぐな愛。
まひろはそれがあまりにも真っ直ぐで怖かったであろうと。
でも、それに何度抗っても無理だった。
そして、ドラマのオープニングの開いてゆく真っ赤な花のように、
彼女は彼に身を委ね、彼を受け入れたのです。


でも、そのシーンには先があって。


道長は、自分は藤原家を捨てる、僕と一緒に遠い海の国へ行って、
二人で暮らそう、と。
でも、まひろは、高貴な家に生まれたあなたが畑を耕すような生活を
している想像ができない、あなたの人生は私と二人でひっそりと暮らすような
ささやかなものではなく、あなたはこの国を良き国にする大きな使命がある人だ、
そして私は死ぬまで、そのあなたをずっと見続ける、と。


道長と一緒になれたらどれだけ幸せだろう、
でも、まひろは「分かって」いたのですね、彼が行かなければならない道を。
そして、自分はその道へと彼の背を押さなければならない、と。


道長と体を重ねた後、
まひろは涙を流すのです。
道長が、それはなんの涙なのか、と聞くと、
幸せで悲しい涙です、と。


そこで昨日のお話は終わり、予告編が流れ、
道長が「妻になってくれ」というシーンがありましたが、
一筋縄では行かないのであろう、というのが想像できます。
(この先のストーリーは全く分かりませんが、
この二人はどんな形であっても、愛を貫くのであろうと、
そうあってほしいと願います。)



道長のブレない真っ直ぐな愛、想い。


このドラマを観る度にいつもそれが心に残る。


それを差し出すことも、
それを受け取ることも、
とても勇気がいることだろう、と。


なぜ人は純粋で真っ直ぐなものを怖れるのだろうか。


人・・・じゃない、「大人」は。


あまりにも多くを経験し、
あまりにも純粋でないものを経験し、
それらに裏切られ、傷ついてきたからだろうか。


そういうものを信じられなくなったからだろうか。


自分もかつて持っていた「純粋で真っ直ぐなもの」が
いとも簡単に「大人の世界」で否定されたからだろうか。


大人の世界で生き抜くということは、
それを捨てることなのだろうか。



「大人の恋」という言い方がありますが、
そんなものはないと思っている。

正確に言うならば「大人の(フリをした)恋」だ。


恋に子供も大人もない。
あの「抑えられないような気持ち」は
どんな年齢でも同じだ。


ただ、抑えられないような気持ちを上手に隠して、
波風立てずに、上っ面の洗練さと思いやりという大義名分で、
本当の気持ち、燃えるような想いを隠し通すのが、
世間でいう「大人の恋」であろうと私は思っている。


なぜなら

「純粋で真っ直ぐな愛」は傷つくから・・・ね?
そして、それは「恥ずかしいこと」と思っている。



自分を守るために気持ちを隠す、というのが
そもそもの大人の恋だ。


「恋ごっこ」をしたいならそれでもいい。
そういう選択もある。


けれども、
相手とは決して本当の意味では繋がることはないだろう。
そういうのを「趣味」という。


でも、
誰かを、「この歳で?恥ずかしい」と思うほど好きになったのなら、
その時こそ、大人をやることをやめることだ。


失ったと思っていた「純粋で真っ直ぐな愛」を試してみることだ。


傷つきやすくて、柔らかいあなたのハートを
相手に差し出してみることだ。


少年のように。
少女のように。


それは、決して「未熟」なことではない。
未だ隠していることこそが未熟なのだ。

敢えて言うなら、
色々な経験をしてきてしまったからこそ、
大人には勇気がいることだ。


でも、だからこそ「大人のフリ」をやめることが、
あなたが本当の意味で成熟した強い大人になることなのではないだろうか。


自分の中の少年を、少女を、かつて否定されたように、
自分も否定し続けることをやめて、
真っ直ぐで純粋な彼らを、大人のあなたがしっかりと抱きしめた時、
その純粋性から本当の力を得ることができるのではないだろうか。



あなたがずっと怖れてきた
真っ直ぐで純粋な愛は、
あなたそのものなのですから。



「光る君へ」のテーマ曲のタイトル『Amethyst』。
紫式部から紫の石、アメジスト・・・なのですね。



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