マネーの進化史 | |
早川書房 |
夕べ見た倉山満さんの番組で、オマケみたいな動画がついていた。
倉山満が訊く、ゲスト 元駐ウクライナ兼モルドバ大使 馬渕 睦夫【チャンネルくらら】
http://www.youtube.com/watch?v=7IAs5v8Q9wc
馬渕睦夫氏と倉山満氏が、ユダヤ人問題というと差別とか陰謀論にすぐに結びつける人がいるけど、そういうことではなくて事実部分は事実部分として捉えることが大事だとお二人がおっしゃっている。
なぜそんなことをわざわざ言わなければならないのだろうか・・・と思ったけど、思えば日本ではロスチャイルド、ユダヤという名称は陰謀論御用達みたいなことになっているからか?
しかし、ユダヤ人が金融に長けていて、特にナポレオン戦争前後にロスチャイルド兄弟がイギリスのエージェントになったり、取引で大儲けをして大きくのし上がってきたというのは、常識の部類ではなかろうか?
ついでにいえば、近代というのはフランス革命の頃から始まっているわけだから、この時点で大利益をあげたファミリー(一つじゃない)は、ある種の先行者利益を持ってそのネットワークを広げているだろうと推測することにも全く無理はない。
■マネーの勃興
ユダヤ人、ロスチャイルド一族についてはいろんなところで歴史部分として記述があるけど、近年最も目立ったのはこの本かなと思う。この本は、2008年のいわゆるリーマンショックあたりに欧米ではほとんど爆発的に露出されていた。ベストセラーというよりメガヒットという感じ。
「お金の進化史」というタイトルになっているけど、原題はAscent of Money。私としては、マネーの進化、勃興、という感じかなとも思う。いや、だからお金の進化でその歴史をたどるから進化史・・・。確かに何にも間違ってないんだけど、なにかインパクトが足らない気がする。このタイトルは、ファーガソン氏がいうには、70年代にBBCで放映された The Ascent of Man、人類の進化、とかいう番組があったが、マネーの歴史もそんな具合に、ascent、上昇していったんだと思ったとのこと。人類の進化というのは例のあの人類が類人猿から徐々に現代人になっていくああいう図を想起すればいい。
(原書の表紙はこれ。中身は結構大きなフォントで読みやすいしたいした分量ではない)
本だけではなく、この本を元にファーガソン氏が自ら出演したテレビ番組がPBS公共放送サービスで放送されていて、これを見た人も多数いる。この本を元にというより、最初からテレビ番組制作と同時進行だったんだと思う。原書の記述が非常に、どういえばいいのか学者の本じゃなくてマスを狙ったって感じの文章だったから。
その後インターネットでも何度も動画がアップされて、そのたびに何百万というビューがついていて、最終的に今のまとまった動画になったという経緯だったと思う。
The Ascent of Money: A Financial History of The World by Niall Ferguson Epsd. 1-5 (Full Documentary)
http://youtu.be/4Xx_5PuLIzc?t=1h6m39s
と、その中で、ファーガソン氏(左)とヤコブ・ロスチャイルドさん(右)がお話している。もうね、お家というよりお城そのもの。いくつも持ってるらしいです。1:00あたりから。
昨今の経緯でいえば、ああ、この人たちがロシアを狙ってるのかぁと思って見ると楽しい(笑)。