ベイルートの爆発は現時点で死者137人、けが人約5000人であるらしい。
けが人の大多数はガラスによるものでしょうね。爆風によってガラスが割れ、それどころか窓枠やドアの枠などが曲がって飛び出ている映像を多数見た。少しでも怪我の程度が軽く、回復が早いことを祈らずにはいられない。でも、ああいう爆風によるトラウマも相当なものだと思う。いくら戦争なれしているベイルートであっても。
いやしかし、大量の硝酸アンモニアを約7年港に放置し続けたというのはどういうことなのか。その間幾度も港湾当局者からレバノン司法当局に、この荷物は危険なものだから転売するとか分けて保管し直すとかなんとかしてくれと申し立てがあったが、レバノン当局は対応しなかったという。
一体これは何なのだろう?
多くの人はレバノンならありそうだという反応を示している。まぁねぇ、世の中には、ウチの原発は他とは違いますと堂々と国会証言して不備を直そうという気が一切なかった国という例もあるわけで、レバノンのだらしなさが特異的だと言うべきではないのかもしれない。
だがしかし、私としてはふと、なにかこの、すんなりとレバノン当局は本当に糞といった話で終わっていくことにも疑問が残る。
報道によれば、この大量の硝酸アンモニアを積んだ船は、グルジアのバトゥミからモザンビーク向けに出港したが、技術的なトラブルでベイルートに寄港してそこでそのトラブルを原因としてこれ以降の航行を止められる。船主は金がないので技術的トラブルを解決できず、またその時点で船員に賃金不払いだったため船員が国際機関に申し立てをするといった事態となり、いろいろあって、船主は船を放棄した。
貨物はレバノン当局に没収された、と書かれている報道が多いけど、そこに行くまでにも何かとっても馬鹿っぽい、チンピラ臭い事態が生じていた。
その貨物をともあれレバノン港湾当局は上陸させたので、以降責任はレバノンにあることは間違いないだろうし、そこから約7年近い年月、いくつもの訴えも無視して危険物を港に放置したレバノン当局の責任はまったく免れ得ないでしょう。
そこはいい。そして、船主の件もわかった。船主はキプロス在住ロシア人。これだけで、既にチンピラかオリガルヒの子分かと誰もが疑うわけだが、実際そのような人のような感じなんでしょう。またTASSは最初、ハバロフスクの男とこの男を表現していたので、当時はハバロフスクの男で、この仕事のあとキプロスの人になったのかもしれない。さらにチンピラ臭い。
■ 荷主は誰?
で、私が奇妙に思うのは、では荷主は誰なのだろうという話が見当たらないこと。私が見落としているのかもしれないので、その際は教えていただけると嬉しいです。
2750トンの硝酸アンモニアをどこから調達して黒海に面したグルジアのバトゥミで船積みしたのかも不明だと思う。
倉庫の写真として1枚出回っていて、
https://www.moonofalabama.org/2020/08/beirut-blast-wrap-up.html#more
そこにメーカーが映り込んでいる。Moon of ArabamaさんによればNitroprilというブランド名で、オーストラリアの会社が販売しているもので、このグレードは農業用ではなく、採石作業用に使われるものらしい。つまり、爆発用ってことですよね。でも、この写真は本当にベイルートのものだろうか? 誰もよくわかってない。
伝えられるところによれば、荷主は、この貨物の所有権を放棄したことになってるけど、この貨物の金額は結構なものだと思われる。荷主に落ち度がないと証明されれば保険でカバーされたのかもしれないが、しかし、名前が出てきたっていい気がする。そもそもの仕向地であるモザンビークに大量の硝酸アンモニアが到着しなくて困ったんですよねぇ、とかいう談話と共に。
■ 2013年はテロリスト優位の時間帯
そんなことを考えつつ思うのは、ミステリー小説的に考えれば、この荷主とベイルートの誰かが結託していて、そもそも大量の硝酸アンモニアをベイルート港に下ろすことが目的だった、ってな話だって考えられるじゃん?などと思うから。
2013年、2014年はどういう時期だったかといえば、シリアでISやらSyrian rebels(シリアの反抗者なる、シリアの反政府派と呼ばれた人たち)がシリアを攻めていたわけですよ。率直にいって、西側支援のテロリストがシリア国を占領しようと滅茶苦茶なことをしていた。
その人たちが爆弾の種にもなり得る硝酸アンモニアを買うというのは、そんなにおかしなことではないのではなかろうか?
いや、そういえば、そもそも西側テロリストはシリア国内に勝手に相当な施設を作り込んで、石油盗掘事業をしていたのだった。そこで爆破用の資材が必要だった、などという需用も考えられるのでは?
もちろん、ヒズボラとか親イランの過激派もこの類を買ったり、貯めたりしたことはあって(爆弾用)、どこかで爆発して(小さいが)騒ぎになったこともあった。
だがしかし、もしヒズボラとか親イラン系だったら、西側メディアは今頃大騒ぎをしているのではなかろうかとも思える。ってことは違うのかなぁなどと思ってみたり。
シリア情勢は、2015年9月末にロシア軍が軍事介入したことでSyrian rebelsという名のアルカイダのお友だちたちの勝利への道は完全に断たれた。翌年2016年12月にはアレッポが陥落し、もはや西側テロリストにできることは抵抗だけになって今に至っている。
こんな光景があったわけです。ISISに水をやるオバマ。
現代の盗賊物語 (4)
その間に、盗掘用の施設はすっかりロシア空軍に爆撃され、文字通り木っ端みじんにされた。
現代の盗賊≒NATO
そこで港に置きっぱなしの荷物の行き場がなくなった、とか?
あとは、こうだと、なぜレバノン政府が度重なる危険物への注意にも関わらず動かなかったかの理由にもなるかもしれないのでは? 誰か強いところに言われていたため、しぶしぶ知らん顔していた、みたいな?
まったくの当て推量ですが、でも、荷主が出てこないことは非常におかしいし、2013年、2014年という時期を思い出せば、あたり一帯はテロリスト有利で盗賊物語が進められていたわけで、奇妙奇天烈なことはあって当たり前だったかもしれない。
ということで、今後の報道に注意したい。もちろん、それを解決したからといってベイルートの何の罪もない人たちの不幸を解消できるわけではないのだが。
■ オマケ
上のように考えてきた時、すわ核兵器!とか新型爆弾みたいなことを叫ぶ人々は、話を逸らすためのいわゆる赤いニシン作戦に乗せられているというべきなのではないかと思う。
アメリカのしっかりした個人ブログでないオールタナティブは嘘だらけで注目あがればなんでもいいというスタンスだと思ってます。そういうのにつられる人もまたトランプの1票だからやってるんだと思います。
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