ベネズエラにロシアのTu-160他が飛んで行って、ベネズエラ軍と交流した。それがイヤだといって米国務長官というかCIAのおじさんであるポンペオは、2つの腐敗した政府(ロシアとベネズエラ)が公金を使って無駄なことをしている、と憤激してみせた。
バカみたいとアメリカ人でさえ思うだろう。公金使ってアメリカを無茶苦茶な国にして、世界中を混乱させているのはあんたらでしょうが。
そんな中、中国が着々と宇宙開発計画を進めている。
世界初 月の裏側へ 無人探査機の打ち上げ成功 中国
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181208/k10011739471000.html
で、これについてのNHKの記事、解説が苦笑させられるものだった。
最後のパラグラフでは
一方、中国は宇宙空間の利用を平和目的だと強調していますが、宇宙開発の計画には、軍が深く関わっていて、国際社会からは、宇宙空間の軍事利用が盛んになるという懸念の声も出ています。
そもそもアメリカ他の宇宙開発は最初っからほぼ軍人がやってる。そして上からの衛星を使って他国を支配しようという発想は中国の創造ではない。アホか、といったところ。
さらに冒頭の方のこれもなぁだし、ここが現在の西側の苦闘が見えるところでもある。
このうち、アメリカや日本などが参加する国際宇宙ステーションとは別に、中国が独自に建設を計画している宇宙ステーションについては2022年ごろの完成を目指し、開発を進めています。これまでに宇宙ステーションの実験機に有人宇宙船をドッキングさせて宇宙飛行士が実験を行うなど、運用に向けた技術や経験の蓄積を進めていて、有人の宇宙活動を進めていく姿勢を示しています。
国際宇宙ステーションは米のイニシアチブが大きいにせよ、日米の産物ではなくて、アメリカ、ロシア、日本、欧州がやってるプラン。そして誰でも知ってる通り、人間を運んでいるのはロシアのソユーズ。
で、中国はこの計画に入らなかった。入らなかったのか入れてもらえなかったのかは議論のあるところだが、なんせ入ってない。インドは入りたいと言ったが入れてもらえなかったんだろうと思う。若干は研究開発とかに加わっているようだが。最終的には、ロシアと協力していく方向ではなかろうか。
そして、ロシアは中国と友好関係を結んでいる。
ここでロシアが、もう西側とかつきあってられねーといったらどうなるのだろうか? ロシアは金が必要だから各国の打ち上げをしているのだ、という設定で語られているわけだが、金より安全保障だというフェーズまで行ったらこれはどうなるの?
そんなの決まってるアメリカ様がすべてを仕切るのだというのが現在のアメリカの考えなんだろうな、とは一応言える。
ロシア向けに制裁することによってロシアを金でコントロールしている、というのが現在の米日欧の宇宙開発関係者のプランなのだろうと思う。実際、ロシアの宇宙関係の元締め機関であるロスコスモスは想定以下の収益しか上げられなかったんだよね、と最近公表していた。
が、しかし、ものには限度ではないかろうか、と私は思うのだった。
中国が順調に開発、発展するならそっちに比重を置いてもいいからさ、みたいな選択肢をキープできているのはロシアであって、西側様ではないのではなかろうか。
今年の春には、ロシア人、アメリカ人、ドイツ人が一緒にソユーズに乗って宇宙空間に行ってた。実のところ、制裁があってもアメリカにとって重要な分野は静かに対象外になってるというのは知られてる。宇宙とかエンジンとか。
これは、その時のロシア人、アメリカ人、ドイツ人が一緒に乗ってる映像。Horizons missionとかいうミッション。
Horizons mission - Soyuz: launch to orbit
で、こういうのを見てるオーディエンスは、これは欧州、アメリカの人たちなわけですよ。ロシア人じゃなくて。で、コメント欄みててちょっとこういわく言い難い気持ちにさせられるのは、こうやってロシア人、アメリカ人、ドイツ人という冷戦時代敵同士だった私たちが一緒にミッションに向かってるのよ、みたいなのとか、地上では反目しあってるけどそうじゃないところだってあるんだわ、みたいなことを喜んでる人が大勢いること。
これはつまりですね、ヨーロッパ人、少なからぬアメリカ人にとってロシア人というのは、敵であることもあるが、しかし、好敵手であるということを表していると思う。
中国人、インド人との比較において、自分たちと近しい人たちであると当然に思ってる人たちが沢山いる。それを白人の差別主義、とか言う人もいるんだろうが、それはちょっとステレオタイプな、為にする議論だと思うな。誰だって近しい人たちと近しくなっていたいという発想は自然なものというべきだと思う。
で、その中国人、インド人が勃興するというか200年ぐらい前に戻るというべき事態になっていくにしたがって、もしここでロシア人が本当に欧州から切れることになったら、ヨーロッパ人はどうするの? 経済的には、いいんだ、中国と組んでロシアを食いつぶすという計画も合理的かもしれないが、事は文化、文明に及ぶ。
(しかも、ロシアと中国はマジで様々な面で半ば同盟化してるから、中国と組んでロシアを食いつぶすプランもそもそも困難だったが、2014年を境にあり得ない想定になってる)
ということなので、もうヨーロッパ人はアメリカ人と付き合うのもほどほどにして、ロシアと向き合った方が自分たちのためだろうと遠くの私はそう思う。アメリカ人は金になるならゴキブリにだってなる、という決意と共に生きてるんだから(笑)。
とはいえ、実のところそうじゃないのは、金のためなら人殺しを正業とするも正義、ゴキブリとなるも正義というアメリカの支配者層とは違って、個々のアメリカは言葉を持った人間なわけですよ。彼ら一人一人にも歴史があって、文化、文明による影響を多大に受けてる。
だからこそ、ヨーロッパ史のメジャープレーヤーだったロシア、クリスチャンのロシアと俺たちは仲良くするべきなんだという発想を持つ人たちがいる。前から書いてるけど、トランプを支持した人たちの中には、ロシアと仲良くするといったトランプを支持した人たちが相当数含まれている。それは戦略的な問題だけでなく、文明史的な感覚に強く裏打ちされていると思う。
というわけで、欧州、アメリカは戦略的な見直ししないといろいろ大変だと思うんだが、なんせ世界制覇一本やりのプランを見直せない。
そんな混乱をよそに中国、インドが大きくなっていくことはだって止められない。
そんな中でのロシアの21世紀戦略は、多分調整者として生きようってことなんだろうと思うな。ロシア・中国・インドというトライアングルと、欧州・ロシア・アメリカという喧嘩の絶えない兄弟文明内関係のどちらとも関係していこうという発想。ユーラシア中央北部にいるという位置的条件を最大限に活かすともいえる。
dominant(支配的)である必要はない。必要な時にバランスに寄与できるだけの自重があればいい、みたいな感じ。
で、日本なわけですよ。日本人は150年間脳内ヨーロッパ人として生きているが、現実にはそんなことはまったくないわけで、この認識的不協和をどうやって調整できるんだろうかというのが大変だよなぁとか思う。
多分、欧米がかまってくれなくなったら、やっぱりアジアはアジアだ、そうだろう、欧米のやつらは人種差別主義者なのだ~とかいってチャイニーズにくっつくという線が濃厚?
しかし、アメリカ軍(またはNATO)の基地の列島であるわけだから、そんなこと言っても国内でしか通じない。これに気づいた時が本当のショックかもなぁとかも思う。
戦前から戦後、結局のところ一貫して大陸側を攻撃しつづけて、もって西側の勃興の礎とならん、とした過去とどう向き合うのかというテーマと言い換えてもいい。
おっしゃる通り、国家が代表し、予算管理して、国民を率いてやる戦争の方がずっと安全で無理がない。
しかし、ポンペオが代表しているのは投資して戦争して、そこから利益を得るタイプの戦争で、CIAもその他バカみたいに存在する米の情報機関も軍も、実のところ国民のために行為していないと自分で言ったも同然ですね。
トゥポレフは本当に綺麗。爆撃機にキレイというのもイヤなものですがそれを飛び越えて綺麗だなといつも思います。ベネズエラの民に幸いあれ!
面白そうなものをご紹介くださってありがとうございます。
時間を作って見てみたいと思ってます。楽しみ!
【日本語字幕】ソ連・ロシア宇宙開発史 1/4 スプートニク
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【日本語字幕】第二次世界大戦 独ソ戦 1/18 バルバロッサ作戦
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