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丸山発言問題:あってよかった日本国憲法第9条

2019-05-15 21:14:57 | アジア情勢複雑怪奇

いやいやしかし、丸山発言問題で見えたことは、あってよかった日本国憲法第9条、といったところだとしか言いようがない。

そして、まったくもって不本意ではあるけど、あってよかった敵国条項でさえあるなとも思う。だって、たいていのことを安心して見ていられるのは、今日中国とロシアが相当に頭が良くて、相当に強いから。実に実に日本にとっては嘆かわしい事態だけれど、私たちはこれを現実として受け止めるしかないでしょう。

 

で、戦争で決着するしかないんだ、とか言い出す幼稚園児並の国会議員に結構な人々が拒否反応を示したことは、1945年以前の日本ではなくなっていることの一つの証明でしょう。

戦前だったら今頃退役軍人会の音頭で、我々は奪還する必要があるのだという演説会が各地で行われ、露助なにするものぞの大合唱で、今にも戦争みたいなムードが作られ、するとどこからか、やっぱり樺太取ったら利益大きいですよねとかいいつつ資金が集まり、軍の方は、まぁ若いもんは元気がなけりゃとか言って放置している間に、次第次第に上層部が止められなくなるみたいなことになる事態だったかもしれない。そういう国だった。

そこからここまで、なんとかかんとか、そういう決着の仕方では身が持たないんだ、アクション起こしたらリアクションがあってそれに耐えられるかを考えて行動しないとならないんですよ、等々という考え方を導入するためにも憲法9条は必要だったという話でしょう。

つまりね、1945年の日本というのはほとんど禁治産者状態で、そこから多少なりとも理性を重んじる人たちの存在が確認されるまでにはここまで時間が必要だったと言ってもいいかもしれない。

保坂正康さんが、半藤一利さんと一緒に、この憲法をとにかく100年は持たせるべきといったことを以前におっしゃっていたが、その趣旨はこのようなものだったと思う。

 

しかし、こういう書き方を目にすると、少なからぬ人たちはムッとするでしょ? 日本だけが悪いんじゃなーい、みたいな。

それはやっぱり、1945年の敗戦がどんなものだったかが共有されていない、というか、共有していた考えを存続できていないからだろうなと思う。

あの敗戦は、要するに、とどのつまり、だいたい1918年あたりから日本軍が大陸に出張っていって、いったっきり暴行が止みません、という事態に対して、ロシア/ソ連、中国、そしてこの枠には収まらないけど朝鮮が、日本人出て行け!!という反応を示して戦っていた、このことに対する決着が第一義でしょう。

アメリカとイギリス(+その属国)は、それをうまーく利用して、最終的に東アジアで日本を占領して基地にして、日本の代わりに現地プレーヤーのように存在しようとした、みたいなもの。

関東軍が創設されたのが1919年なので、関東軍撲滅作戦だったと言ってもいいぐらいのところもある。

 

で、当時の日本の一大特徴としては、後先考えずに戦闘に訴える、ということがあげられる。断然あげられるんだが、この重要な点があまり論点とされていないように思う。

日本は1904年から1941年のわずか37年間に3度、大きな戦争を先制攻撃で開始した。

1904年の日露戦争、1931年の満州事変、1941年の真珠湾の3回。しかしこの間に、1918年からの通称シベリア出兵、実態ロシア極東部侵略戦争もある。名前の通りなら混乱が落ち着いたら撤兵するわけだけど、実際には7年間ソビエト領土内に侵攻してなんとかしてバイカル湖の東側に日本の支配地域を作ろうという壮大なことをやっていたんだから、これを1戦争として加えないのもちょっとおかしい。

自分のこととして想像してみて、37年間に3度(または4度)も先制攻撃で大規模な軍事行動を開始する人々が隣近所にいたら、あなたは安心できますか?って感じですよ。

今の情勢だと、大規模なイスラエルって感じじゃない?

だから、1945年に敗戦した時、多くの日本人が、悔しいというよりホッとしたといった感想を残しているのは無理もない。狂ったマシンの一部になっていくことに耐えられなかったんだろうと思う。

そして、それが故に、日本国憲法の中に紛争の解決手段として武力を放棄することを盛り込んだことを日本人の多数者は、特に遺憾に思わなかった(少なくとも恒常的な抵抗運動などない)。GHQの押しつけ憲法などと言っている人たちは内実を見ていない。

 

さらにいえば、これらの経過を顧みて、わが物として、どうしてこうなったのかを考えて、こうでない新日本にしましょうと考えて行動していくことが求められていたわけだが、ああそれなのに、片面講和などという適当極まりないことをしたのがケチの付き始めといったところですね(別の言い方をすれば、それだけ上級国民は強かったとも言えるわけですが)。これがファイナルだとは思わないですよ。片面講和しかないと思っても、民間を通して全体像の把握をしていけばよかったという手もあったわけですから。

 

■ 維新はISのようなもの

で、今回の丸山議員は単品ではなくて、維新の中にこの手の人がごろごろいるはず。丸山議員はしつこく食い下がっているようなので、是非、維新全体を道連れにしていただきましょう!

維新ってようするにISみたいなものでしょう。西側は各地で紛争を作るために、人の頭の中というかものの考え方を操作して過激な傭兵を作ってるでしょ。それの総称がアルカイダ。その最近の作品がIS。

この過激派はだいたい、自分たちの主張(実際は洗脳された何か)は絶対に正しいというところが共通してる。自己が優越していると考えさせるトリックがあるんだと思うな。

日本の中のこの手の「右派」も、日本優越思想みたいなものが根深い。Japanese Supremacist(日本優越主義者)って感じ。絶対に日本は正しいと思ってる。しかしその日本に、例えば私のような考えや私という存在を入れてもらえるかというと入らない。つまり恣意的に作った「日本」が正しく、自分はそれに忠実という設定なので、結局は妄想に基づいている。

こういう集団をどうにかして鎮静化しないとなんない。中国政府がウィグル周辺でやってるIS集団に対する脱洗脳プログラムでも借りてきたらどう?

 

■ とはいえ全体に嘘つきなのがもっと悪い

ただ、この日本版ISにだけこの責任を覆いかぶせるのは間違っている。

何度も書いているように、そもそも、1945年の敗戦の成り行きを教えていないのは日本社会だし、日本の言論のすべてがこの点はほぼ等しく嘘に基づいている。

ユーラシアの西のドイツと組んでソ連を挟撃しようとしていたことは大きく見落とされているし、中国の民衆の中に入り込んで一体全体どれだけの人間を殺して来たのか誰も数さえ把握できていないし、それを現地の人と弔う態度さえ持たずにここまで来ている。これは私たちのdignity(尊厳、品格)の問題として残っている。

東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい

第2次大戦の結果を認められない唯一の国

 

でもまぁ、一つずつはがれて行っていると言っていいんじゃなかろうか。いろいろと反発やへんなリアクションはあるだろうが。日本の中で誰も言わず、日本を使いたい人たちが自らの利益のためにあえて薄ら笑いをして見過ごしていたことを言ってくれたガルージン駐日ロシア大使の勇気ある言動に私は感謝している。

 


 


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3 コメント

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純粋培養された毒キノコ (宗純)
2019-05-16 16:50:53
東大卒のキャリア官僚の高偏差値お馬鹿で、経済産業省の不祥事が連続してマスコミをにぎわす。

官庁内で覚せい剤を注射する薬物中毒者、
暴走で2人も殺すが逮捕も反省もしないプリウスミサイル。
国費で北方領土に行って『戦争』云々と嫌がる元島民相手に絡む酔っぱらいなど、
これだけ短期間に連続すると、偶然とも思えない。
そもそも未曾有の福島第一原発事故の監督官庁とは、
今回不祥事連続の経産省が一番の張本人だった。

今回マスコミのネタになった傲慢でお馬鹿な3人ですが、『純粋培養された毒キノコ』で、経歴とか背景が共通している。ほぼ同じエスタブリッシュメントなのです。

ただし、最後の維新議員だけは松下政経塾出身だが、誰もマスコミがその事実を指摘しない不思議。
純粋培養された毒キノコとしては、一番『松下政経塾』が悪いタブーなのか。

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Unknown (蔵権)
2019-05-16 11:31:02
>自己が優越していると考えさせるトリック

わかります。ネトウヨの愛国は郷土愛やコミュニティの同胞意識の延長線上にある愛国ではない。彼らは権威主義者で、自分の利己を正当化して満たしてくれる強大な権威が欲しいだけ。なんで、崇拝する権威を卑しめ侮辱する者、権威のウソを暴きたてる者は憎悪の対象になのでしょう。利己を正当化してくれる権威があれば良いわけだから、究極的にその対象は天皇や日本じゃなくても、なんとか教会でも、アメリカでも、なんでもいーんじゃないですかね。
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アイヌ (私は黙らない)
2019-05-16 03:12:38
北方領土先住民アイヌ。土地の所有概念がなく、自然の恵みによって生きてきた彼らは、海を越えてやってきた侵略者(南と北双方から)に気が付くと土地を奪われ、搾取され、混血による同化、天然痘で民族そのものが消滅していく。
アメリカ建国が、インディアンからの土地の収奪と、ジェノサイドの歴史であったことを思うと、この北方領土問題を考えるにあたり、どうしてもアイヌの存在が頭から離れない。国家間で締結された条約、このたった一片の紙切れなど、彼らにとって、何の意味があっただろうか。
土地所有、国家の概念がなく、グリードを肯定する資本主義とは相いれない彼らのネイチャーを思う時、彼らにとって国家とは一体何だったのか。その末裔たちは、自分たちの頭ごなしに議論される北方領土問題をどう思うのか。
昔仕事であった男性、彫の深い顔立ちに、ふさふさした毛髪、「ボク、アイヌです。」今、彼の風貌が思い出されてならない。

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