ふと、さっきシーメンスの話を書きながら適当に周辺情報を見ていたら、ノバテックという北極圏のプロジェクトの会社の収益がアップという記事を見た。
で、ルーチンで日本語のニュースを適当に流し見したら、こんなのがあった。
領土問題棚上げでも…ロシアに大金迫られる安倍首相の哀れ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247956
「いま、プーチン大統領は困り果てています。ヤマルLNG事業はロシア経済の命運をかけた事業です。米国のティラーソン氏が率いるエクソンモービルと一緒に開発していたのですが、2014年のウクライナ問題でのロシアへの経済制裁でプロジェクトはストップしています。維持費だけで年間数十億ドルもかかり、ロシアは一刻も早く再開させたい。
トランプ政権でティラーソン氏が国務長官に就き、プーチン大統領は制裁解除を試みましたが、その後、ティラーソン長官が解任されてしまった。経済制裁が続く中、欧州からの出資は難しい。プーチン大統領は日本だけは、経済協力してくれるとみています。安倍首相に早期の決断を迫ってくるでしょう」
ヤマルのプロジェクトは確かにエクソンが巨大なプロジェクトを用意していたがダメになった。多分どこかにエクソン分の鉱区はあるのかもしれないとは思うが。
が、しかし、それはそれとしてヤマルのLNGは既に立ち上がっていると思うわけだが・・・。
ヤマルは確かに資金難で躓いたものの、その後フランスのトタル、中国CNPC、シルクロードファンドが資金を出して続行して積み出しましたと去年話題が出た。技術が技術がという話も、トタルが入って続行できた。
ちょうど去年の冬。
あったあった、これこれ。
これ以上に凄かったのは、北極海積み出しのプロジェクトをアメリカが妨害したら、中国、フランスが食い込んでフランスのTOTALが支援してプロジェクトが成功したあたり。
出資割合は、ロシアのNovatecが50.1%で、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、フランスのトタルがそれぞれ20%、最後の9.9%がチャイナのシルクロードファンド。
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フランスはホントに特別枠なんだなと思った。(他の国はアメリカの制裁が怖いから動けなかった)
ユーラシア vs 西側:仲間を固めてる米 (3)
そして、つい2日前、2019年2月20日付けのロイターの記事でも、ノバテックの収益はヤマルLNG立ち上げ後、2018年には、対前年度で4.7%も伸びて2500億円も増えましたとある。
Russia's Novatek 2018 income up to $2.5 bln after Yamal LNG launch
Novatek said on Wednesday its 2018 net profit rose 4.7 percent to 163.7 billion roubles ($2.5 billion) thanks to the start of liquefied natural gas (LNG) production.
一体全体、日本の「報道」というところは何をするところなんだろうか?
でまた、このあたりの記事をリベラル側の人たちが調べもせず引用しまくって、安倍はプーチンにやられてる~、大金をむしられて云々カンヌンという話にもっていくの?
3000億円を巻き上げられたというのも多分本当ではないと前に書いたけど、これも日刊ゲンダイが発信源。
事実は、「日ロ経済協力、官民で投融資3000億円」、つまりどちらかというと民間の投資だという話。鉱区を買うから値が大きいだけ。
日露:平和条約 or WW2終結問題
別にロシアと仲良しにならないならならないでそれも選択ですが、嘘はいつかばれるし、この嘘はロシアにも中国にもフランスにもアメリカにも及ばないので、日本国民をアホにする以外に何の効果もない。どうしてこんなことをするの?
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