南北朝鮮の上級者による会談は明日。NHKは、
南北会談控え 韓国に米と連携しないよう要求 北朝鮮/nhk
とか書いてるけど、北朝鮮はそう語ることが正常であって、他のこと言ったらニュースにしろよ、って感じ。
この件ではイギリスのExpress紙が、
邪魔するな! 北朝鮮との会談に介入するなよとロシアがトランプに言ってる
Stay out of it! Russia tells Trump to leave North Korea negotiations without meddling
というタイトルをつけていたのが面白かった。さすがに、Stay out of it!(そこからのいてろ、邪魔するな、口出しするな)とは言ってないと思うけど、ロシアの外務副大臣のセルゲイ・リャブコフ氏が、これは本当に敏感な問題なんだから、周りの当事国はみんな慎重に、大事にするようーに、とは言っていた。
ということで、中露が後ろにまわって南北朝鮮の対話に障害のないよう調整して、その上で、どういう状況なのかをロシアあたりが触れてまわって周知させる、ってのは良い仕組みと思う。西側メディアを頼りにしてないっていいよね、ほんと。
一方、明日はフランスのマクロンが中国を訪問。
Sino-French relations have global significance: expert
http://www.globaltimes.cn/content/1083756.shtml
その前に、ル・メール経済担当大臣が12月ロシアを訪問していて、その間にウォールストリート・ジャーナルに、ヨーロッパからモスクワを通って北京へという交易の屋台骨を構築したいとの意図を表明していた。
France wants to build trade ‘backbone’ from Europe to Beijing via Moscow – report
Published time: 2 Jan, 2018 05:33
https://www.rt.com/business/414781-france-trade-china-russia/
この際、「米国は密接な同盟国だし、ヨーロッパの主要な貿易相手だが、我々は明らかに難しい問題が目に入る」と、ワシントンが法域外にも無理押しして制裁に参加さえるような仕組みを非難していた。つまり、ロシアと取引をすると、米国内で営業をするフランス企業にアメリカが制裁する、みたいな仕組み。フランスはこれで、しばしば「罰金」をアメリカに払わされたし、ロシアでもイランでも面倒に巻き込まれているのでほとほと愛想がつきていると思う。
ということで、EUは引き続き新シルクロードと一緒ですよとマクロンは言うのでしょう。ドイツが連立政権を組めず、最短でも4月まで組めないみたいだから、その間フランスががんばらな、ってところもありますね。
ここでフランスが影響力を大きくするというのはヨーロッパにとって良いことかもなという気もちょっとする。マクロンがどうなのかはともかくフランスという国として。大きさから言えばドイツが大きいからドイツをEUの盟主としがちだけど、ドイツではできないことも結構ある。
で、このロシア、チャイナ、フランスといえば、12月に初出荷を行ったロシアの北極海側のヤマルのビッグプロジェクトの出資者の組み合わせ。このプロジェクトはクリミアの問題を境にオバマが制裁をかけたために西側が出資できなくなりプーチンは苦境に立たされたんだが、チャイナが手を差し伸べてプロジェクトは中止とならずに着工して既に出荷した。
出資割合は、ロシアのNovatecが50.1%で、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、フランスのトタルがそれぞれ20%、最後の9.9%がチャイナのシルクロードファンド。
で、フランスは西側ではないのかと小一時間ってところはあるわけですよ。しかも出資のみならず当座ロシアにない技術を持ち込んだのはフランスのトタル。なんでこれでいいんだ??と私には理由がわかりません。でもフランスなんですよね、このへんがという気はする。
運び出しのマップはこんな感じ。地中海やらインド洋という面倒な海をすっとばして日本の北を通ってチャイナに行くわけですね。別の言い方をすれば、万々一南の海域でなんかあっても大丈夫なような仕組みを地道に作ってますといったところ。
というわけで、明日は、マクロン中国訪問、南北北朝鮮は会談、と中国に注目する日になる。