北朝鮮ものに頭が行っていて忘れていたけど、トルコが昨今のアメリカ議会が押し付け、EUも従ってる対露制裁について、参加しない、そんなの損だから、ということだそうだ。
トルコ政府後援のサイトが日本語でニュースにしてくれていた。
チャウショール外相 「対ロシア制裁は承認しない」
メヴリュト・チャウショール外務大臣は、トルコは対ロシア制裁を承認しなかったと語った。
チャウショール外務大臣が語ったところをフランクに言うと、
トルコは過去の制裁でえらい酷い目にあったんですよ。うちの隣人やパートナー(ロシア)に対する制裁はうちの経済に酷いダメージを与えたわけ。だから制裁って聞いた時、承認しなかったんです。対露制裁には参加せず、政治的な協調を選んだんですわ。
って感じか。
"Turkey itself has greatly suffered from sanctions in the past. Sanctions against our neighbors and partners [Russia] have greatly damaged our economy. This is why, when we hear about sanctions, we do not approve of it. This is why we did not join sanctions against Russia and prefer political cooperation," Cavusoglu told the IHA news agency.
https://sputniknews.com/business/201708111056375382-turkey-sanctions-russia/
あえてフランクな口調にしたくなったのは、制裁ってこんな理屈でかわせるものなの???というのがおもしろかったから。前に、S-400をロシアから買う時、NATOの高いからこっちの方がいいかなと思ってと言った時もびっくりしたけど(笑)。
トルコは、シリアのアレッポが陥落して以来、ほぼこれが覆るっつーことはない、と見切って中露側に大きく倒れてる。まぁさぁ、冷静に考えてプロパガンダと戦争以外取柄のなくなった西側についてたって、自国を戦場にされるだけだし、安定させたり作ったりすることに熱意を持ってる中露の方がどれだけマシかわからんよ、って感じは本音でしょう。
ロシアとの関係でマジで揉めるのが、小麦の値段とかトマトの輸入制限という状態はとても安定というべき。
ロシアから黒海を通すトルコストリームというパイプラインも、完成すればその天然ガスの売り先は欧州側なんだから、その通過料も入るし、まったくお得。(既存のものはブルーストリームでこれはトルコの自己消費。今作ってるのは欧州向け)
で、欧州側は、ブルガリア、セルビア、ハンガリーが天然ガスを買い受ける契約を結んだみたいだ。でも、9月になったらまたEUがちょっかいをかける可能性は残っているが、このプランに対抗できるほど安くて安定的なエネルギープランをEUは出せないわけだから、多分これは通るだろうと思う。
つくづく、ウクライナ危機の時にEUと揉めてブルガリアを上陸地点とした「サウスストリーム」を中止に追い込まれたロシアが、トルコで行くと判断したのは賢かった。ブルガリアは国民感情が新ロシアが強い国だが(だってスラブ人なんだもの)、国としては弱いのでEU/USAのちょっかいをかわせない。
EUがサウスストリームを葬って万歳~、露助シネ的に快哉を挙げていた頃、トルコの方が頑丈で合理的な儲けを計算できると踏んだプーチンがさっさとエルドアンと連携。この連携が結果的には地政学的な変化まで誘導したようなもの。ありがとうEU!じゃないの。あはは。