ジレジョーヌ(黄色いチョッキ)の反乱が3週連続あったフランスは、マクロン政権が非常事態宣言を考えているとも言われているが、マクロンは否定的である模様。
現代の黄巾の乱はついに凱旋門にあるマリアンヌ像を破壊したようで、これはこれで何かとっても禍々しいシグナルような気もする。
ここに一杯写真がある。
France In Chaos; Macron Mulling State Of Emergency Amid "Yellow Vest" Protests; "All Options" Considered
さてしかし、この騒動は政権がガソリン税を値上げするとしたところから端を発し、全体的には民衆をかえりみない系統であるところのマクロン政権を否認しているようなので、民主主義が大好きなアメリカ他の西側諸国は、このベストを着た群衆に大きな好意を示すのが筋なのではあるまいか。
それがウクライナで起こり、リビアで起こり、シリアで起こったことでしょう。
ウクライナは、こういう人たちをフランスに貸してあげたらどうだろう? この人たちは現代のスーパーパワー、アメリカ合衆国さん公認の民主主義者なので、フランスで手助けしてもいいのではないか?
ロシア海軍は、西側への人道的支援としてウクライナの米国認定の民主主義者の輸送の任を引き受ける用意がある、とかクレムリンが言い出すというのもいいような気がする(笑)。
また、外国の大使や高官が、デモ隊を支援するというのも重要ですね。アサド、ローハニ、あるいは、プーチン、習近平、エルドアン、etc. 誰でもいいから、フランスのベスト部隊を激励して、君たちの後ろには我々がいる、と呼びかけたらどうだろう。
外国からスナイパーが入り込むという要素も重要ですね。ウクライナの場合は、スナイパーはグルジア出身者で、本人たちが既にゲロってしまっている。
最終的にこういう場所になったとしても、それもこれも民主主義の故なら仕方がない、副産物である、というのが21世紀西側のノームらしいんです。
というわけで、今はフランスで起こっているけど、このような顛末はリビア、シリア、ウクライナ、もちろんイラン、セルビア etc. を無茶苦茶にした諸国すべてで起こっても不思議ではない、と考えるべきでしょう。
西側自身が作った21世紀の規範からすれば、外国人はみんなこれら西側諸国が「民主主義」で困っているのなら、手助けする用意をしておいたらいい、とも言える。スナイパー用意して、金もって、逃走経路作って。
(日本も例外じゃないですからね。西側というと欧米と勝手に脳内変換する悪習は止めるべき。私たちは、白人になりたい日本人とか、欧州になりたがってる日本とかいう視点で見られていることを意識すべき。)
もしそれがイヤならば、この規範を変えるしかないんじゃないですか。できるかどうか知りませんが。
というわけで、米の力が弱くなって、米英メディアのカバーの力が弱まって丸見えになってきたのは、自由と民主主義を標榜する人たちの力一杯の差別主義といったところだなぁという感じ。自分んちでちらっとでも暴動が起こるとオタオタするくせに、他国を無茶苦茶にし、他国で何百万人殺そうがまったく平気の平左だというこのメンタリティーこそ、the West の正体というべきだとつくづく思う。実にまったく恥ずかしい。
■ オマケ
何回も書いてますが、2014年5月に起きたオデッサの虐殺事件は「西側認定民主主義者」を指弾するものとして象徴化されるべきかもしれない。
下のエピソードは、ドイツとロシアの関係だけを指すのではなく、プーチンはシリアやリビア、ウクライナでこのような「西側認定民主主義者」の暴発によって被害を受けたすべての人々を代弁し、被告席に立たされているのは西側関係者と考えるべきでしょう。
で、プーチンは、この間ドイツのメルケル首相がソチに来た時の会見の後の記者会見で、2014年5月にウクライナ南部のオデッサで起きた事件について、世界にはこれを忘れる権利はない、という言い方でこの事件を次のように語った。
あなたは覚えていらっしゃるかもしれませんが、3年前、オデッサでとてつもない悲劇が起こりました。ウクライナの過激なナショナリストたちが無防備な人々をオデッサのトレードユニオンビルに追いやり、そこで生きたまま焼きました。未だに誰に責任があるのか判明していません。グローバルコミュニティには、これを忘れる権利はありません。同じようなことが将来二度と起こらないようにするためです。
でまぁ、これはつまり、オバマがいない今、あんたの肩にかかってんだよ、とプーチンはメルケルに言ったわけですね。そして、メルケルは、相変わらずクーデターが起こったことを否定し、ロシアが不法で、ロシアが不法でを繰り返した、と。
米、アゾフ・バタリオンへの資金提供ようやく停止
■ 関連記事
米露につつかれてるマクロン
しかしながらガソリン増税が発端なのは明らかなので、収集つける気があるなら、発端となる政策を反発が強く施行が現実的でないためと引っ込めれば良いだけで、形式的には国民の利益を代表する政治家を立てているという建前なのに、生活者を困窮させる施策を意固地に押し通そうとするマクロンっていったいどこの利益のために仕事してるんですかね?まあ知ってますが。
第六共和制には、政策を提言しないがおかしくなったときにroll backする権限を持つ大統領の上に置くサーキットブレーカーとしての地位を用意すべきですね。
マクロン嫌いのフランス人、もう我慢ならんと。
これだけ政権に侮辱され続けても、黙っておとなしくしている日本人の方がよっぽど病んでいるし、又、病んでいることを自覚してないことが、非常に危ない。
原因はマクロンというパペットをつけられて、フランスが本格的に改変されることに対するマジの不満が主だと思います。
フランス当局が困ってるのは誰かリーダーのいるような騒乱じゃないからです。右でも左でもない。
考えてみれば今のフランスに一番似てるのは日本かも。社会制度を本格的にいじられて民営化路線に行ってるところかとか似てる。
私としての関心事は、フランスの治安上の問題から、農作物の流通に滞りが出て欧州に飢饉が発生するのではないかという懸念、もしくは身近な財にフランスの作物に依存している製品がないか、その供給が途絶えて混乱しないかです。どこで何が何に依存してるか押さえきれない。現時点で致命的な財はフランスに依存していないとは思ってますが、スーパーから何時もみる何かが消えるかも知れません。
毛沢東的な人はもう出ないだろうけど、確かにここで誰か一発かましてくれる人が求められますよね。
習近平もプーチンもリーガルな要素が非常に秀でてるから、もしこれやって次にこう来たらなんて言えるか、これは正しいとホールドできるか、を考えちゃう。2人とも革命家ではない。
二人とも帝国にとって望ましい宰相みたいな感じかも。そういえばプーチンはストルイピンを尊敬しているといっていた。
イランのアフマディネジャドやトランプは支持者がデモ返しして反対派を包囲して見せた。マクロンは裸だと露呈している