日本の国際報道は常に無茶苦茶だが、ロシアが絡むとさらに酷い。
これをまず自覚しましょう、みなさん。
で、わかりにくくさせているのは、信頼度において国内ものと国際ものがクロスしているからだろうと思う。
最近の情勢についていえば、
朝日・NHK・毎日etc. 産経
国内 △ たまに〇も出る ×多し。特に大日本帝国ネタ
国際 × まぁ普通 △
こう言う感じだと思う。
リベラル系メディアは悪い、といい切ってしまうと国内のネタで、毎日やら東京新聞が政権に怒られそうになりながら書いてる記事も×になっちゃう。そうすると、竹中路線応援団になる。これがつまり馬鹿なネトウヨ。
逆に、産経が悪いというと、実は国際報道に関しては単に翻訳してるだけみたいな、シンプルな情報を見逃してしまう。特に、アメリカには右派って人たちが多数存在しているのは事実なので、それをよく伝えているのは産経だというのは本当。リベラルメディアは妄想の世界のアメリカを相手にしている。
このクロスのマトリックスの好例だなと思ったのはこれ。この場合は時事 vs 産経。
中ロ、インド引き寄せ米けん制=G20で12年ぶり3首脳会談
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018120200004&g=int
【ブエノスアイレス時事】中国、ロシア、インドの3カ国首脳は11月30日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕したブエノスアイレスで非公式会談を開き、3カ国の協力強化で一致した。中ロには、日米主導の「自由で開かれたインド太平洋」構想を念頭にインドを引き寄せ、トランプ米政権をけん制する狙いがある。
(略)
ロシアのプーチン大統領は、3カ国首脳の会談は12年ぶりと指摘した上で「協力強化は3カ国に有益で、世界にも前向きな意義がある」と表明。米国の友好国インドのモディ首相も「(中ロ印は)共に多国間主義を守る責任がある」と応じた。
どこのネオコンだよ、という論調。日米が「自由で開かれたインド太平洋」を推進して、中露が反対してると読んだら国際情勢は見えない。ユーラシアは米(the West)が軍事に訴える行動しかない、といった体制になっていることを恐れて、団結してるというべきでしょう。
そもそも、アルカイダと組んでるのはアメリカです。その前にムジャヒディーンとも組んだ。コソボ解放軍という自分でテロリスト扱いしてた奴らとユーゴスラビアを解体したこともある。
ろくでなしを使って大陸を混乱させてきたのが the Westです。それはもう毎日あちこちでアメリカ人たちが話してること。
リベラルメディア、高級メディア、主流メディアはこの the West の狂犬ぶりを必死で隠して、キレイことを繰り返す。したがって、事実上、罪もない人々を殺す手助けをしているのはこの人々です。
それに対して、産経。
インド「バランス外交」追求 「日米とは連携確認、中露とも首脳会談
https://www.sankei.com/world/news/181204/wor1812040015-n1.html
見出しだけ見ると、基調は上の時事と似てるが、米の友好国であるインドをロシアが狙ってる、みたいな事実にも反する、コンテクスト(歴史とか地理とか)も無茶なのは時事の方。
産経の記事は1ページ目に日米との話、2ページ目にそれだけではないインドといった調子で、インドが中国と関係修復しようとしている様子や、インドは冷戦期ソ連にくっついてたことも書いてる。
モディ氏は「全天候型」ともいわれるロシアとの多分野での友好関係を継続するとともに、中国との関係改善に腐心する。昨年は国境を接するドクラム地区で中印両軍が一時対峙(たいじ)して関係が冷え込んだが、関係修復への動きは急速だ。モディ氏はG20期間中だけで習氏と各種会談を通じて3回意見交換を実施。中印首脳会談後には会合の内容を中国語でツイートし、わだかまりがないことをアピールした。
インドは冷戦期、「非同盟主義」を標榜(ひょうぼう)しつつも、ソ連に接近。ソ連の崩壊によって経済的に窮地に立たされた経緯がある。外交評論家のビベク・ミシュラ氏は「特定の国や勢力に依存したくないという感情がインドの外交政策に根付いている。今後も適度な距離感を保った政策が展開されるだろう」と話している。
どっちが正常かといったら圧倒的に産経の方。トーンも正常。時事はジャーナリストが書いたというより、なんか頭が偏ってる変質的反ロシア主義者の作文みたいで気持ちが悪い。どこのネオコンなんだあんたら、といった趣。
リベラル系統、特に日刊現代(こういうのがリベラルかは相当疑問だが)あたりは、異常な執念でロシアをこき下ろして、その釣りとして、「プーチンに3000億くれてやった」というのを何度も使いまくっているが、それは多分、投資のサイズであって、「くれてやった」ではない。
このインチキを放置しているのもリベラル界隈。リベラルってか何か時事とか共同の中に一部おかしい人がいるんじゃないかというのが私の観測ではある。で、それをまた安易にyahooに載せる。ロシアを憎めればなんでもいい?
3000億についてはここで書いた通り。
あと、ロシアに3000億もくれてやった、みたいな言い方をプーチン訪日以来しばしば見ますが、くれてやったとはどういうお金の使い方だったのでしょう?
私が知る限り、その当日に日経に出ていた記事は、3000億の経済協力の規模、という趣旨のタイトルで主に投資だったと思う。
これこれ。検索したらあった。
日ロ経済協力、官民で投融資3000億円
2016/12/16 9:29
https://www.nikkei.com/article/DGXLNSE2INK01_V11C16A2000000/
日本とロシアの政府や企業が進める経済協力の案件数が60を超える見通しとなった。エネルギー開発や医療などの分野を中心に投融資の総額は3000億円規模になる。日本政府は北方領土問題の解決に向けてまず経済協力を深める方針で、案件の具体化は詰めの作業に入った。
日ロ間の経済協力では国際協力銀行(JBIC)が北極圏ヤマル半島の液化天然ガス(LNG)の開発計画に欧州の金融機関と10億ユーロ規模の協調融資を実施する。みずほ銀行と三井住友銀行も国営エネルギー会社のガスプロムに約8億ユーロの協調融資を実施。三井物産は国営電力大手のルスギドロの株式を取得する。
日露:平和条約 or WW2終結問題
上のリンクの中に別の具体的な記事を引用してるけど、要するに、資源系の投資が主で、だからこそ値が張るという話。
しかしこれだって融資が本当に実現したのか後追いを見てないからなんとも言えない。今中国とロシアがやってる多数のプロジェクトとか、ドイツがロシアの石油大手ロスネフチに取締役送り込んでいるとかいう話から見たら控えめな、ってか及び腰の話の段階といっていいんじゃないでしょうか。
この話も、プーチン来日時にサンケイ・ビジネスがもう少し詳しいことを書いていた記憶がある。ロシアの石油大手ロスネフチの株をひょっとしたら日本は買いたかったのかも、とその時思ったことも記憶してる。
単純に、産経またはサンケイはリアルビジネスに近いんでしょう。イギリスのテレグラフ的なポイションなんだろうとか思ってる。
■ まとめ
- 日本国内の報道と国際報道の質は、クロスしている
- 産経の日本会議ネタがジャンクなのは論を待たない
- リベラルまたは主流系の国際報道はしばしば異常である。特にロシアが絡んだ場合
- ロシアが絡んだ場合、リベラルまたは主流系の国際報道は米のネオコンと同一基調である
したがって、日本の骨格を壊すのは産経的なものかもしれないが(2によるネトウヨの跋扈)、日本を戦場にするのはリベラルまたは主流系の論調に引きずれた場合である可能性が高い。
(必ずしも関連トピックが見つけられるわけでもありませんが。)
CIAのスパイが始めた主要巨大新聞二紙、文字通り強欲資本家の新聞、戦犯の親戚が始めた大手新聞日本にはこんな新聞ばっかり。タダでもらえる余り押し紙を使って野菜包むとか、爪切ったのが散らからないように床に敷くとか、短い間文節に切り分けてバロウズごっことかが扱われ方としてお似合いだと思ってます。
確かに。反スターリン主義、反全体主義というある種の思想が勝手にできあがってて、それこそが我々の敵みたいな設定になってる人たちがいるんだと私も認識してます。
日本のこれこれはそれではまるで社会主義だ(ソ連だ)→だからこうするべき、と新自由主義に流れる、という流路。
産経新聞の国是は
1反共親財界2パワーポリティクス信奉3親米4大日本帝国万歳ですが
プーチンは反共なので、マッチョが好きな産経は当初から恋慕していたのではないか、でもDV野郎に何をされるかわからないので怖い。3はおそらく世を忍ぶ仮の姿。4はアクセサリーで真贋は関係なくキラキラ光ればOK
産経を読んでいる人はエンターテイメントを楽しむ感覚もあるのかな。
日本の主流メディアは中露に対して独裁反対を言うけど地球を独裁、独断破壊している連中には何にも言わない。