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鳩山氏のクリミア訪問について

2015-03-13 00:12:20 | 欧州情勢複雑怪奇

ポッポ鳩山氏が驚くべき行動に出たわけですが、でも、その割には騒ぎは小さいですね。これが今回の面白さではないでしょうか、など思いますです。

昨日からgoogleでUKかUSのニュース内の英語による Hatoyama を見てるけど、日本、ロシア発とあとはポツラポツラ各国の記事があるだけ。全然爆発力なし。

事細かに鳩山発言が記事になっているのは日本語のみ。

面白いなぁとしみじみ思う。あのだだったぴろいウクライナ、ロシア国境付近にロシア製戦車が3台侵入した!という確証の取れないニュースが一夜にして世界中を駆け巡るというのに、結構大きな国の、そうG7の1国の元首相がG7諸国の公式行動と異なる動きに出たという記事がこんなにマイナーな扱いをされる。

ぶっちゃけ、騒いで知られる方が嫌だ、という話という意味だと思われますです。

現状、アメリカあたりを根城とした、ネオコン+リベラル介入主義者(≒トロキスト集団)があたかも世界の警察・裁判所・法律制定者として万能感丸出しで世界の論を作ってるわけだけど、ドイツ、フランス、イタリアは必ずしもその通りに動いていない。そこで日本までもが、ってのはそれらトロキスト集団にとっては好ましくない、だから黙ってる、って話だと私は想像します。

予想外?のところとして、ロシアのメディアである「スプートニク」のドイツ語版の記事が結構読まれているように見える。スプートニクを読んでるってことはロシアの言うことに分があると思ってる側の人たちだと思われるけど、その人たちにしてみれば、予想外のところにも援軍がいたな、よかったよかったみたいな気分じゃなかろうか。


■ 国ごとに考えるから間違う

基本のキとして、前から何度も言ってる通り、国ごとに考えると間違う。各国に、AチームとBチームがいて、トロキスト集団というか一国支配志向集団がいて、それを弱体化させるしかない、と考えた人々がいる。この両者が戦ってるって感じなんだと思う訳です。

このへんで書いた通り。

ウクライナ雑報(国ごとに考えるから間違う)

■ ロシア周辺での報道まとめ

Ex-Japanese PM finds Crimea referendum 'expressed real will' of locals
Published time: March 11, 2015 10:37
Edited time: March 11, 2015 13:55
http://rt.com/news/239537-japan-former-pm-crimea-visit/

Japan ex-PM says Crimea referendum on joining Russia ‘democratic’, ‘milestone in history’
http://tass.ru/en/russia/782066

Russia: Former Japanese PM in Crimea on fact-finding mission
https://www.youtube.com/watch?v=Z1uZBVZVbLg

Former Japanese PM Says Crimea Referendum 'Expressed Will of Its People'
http://sputniknews.com/russia/20150311/1019341182.html#ixzz3UCtK5nVW

鳩山元首相「クリミアの人々は自分達をロシアの一部と認識」
http://japanese.ruvr.ru/news/2015_03_11/283279006/

鳩山元首相、クリミア住民投票は民主主義の基準に合致
http://japanese.ruvr.ru/news/2015_03_11/283287188/

 

■ 思い付いたこと1:住民の意志

現状西側グループ(日本政府を含む)は、力による現状変更は認めない、というのを主張の柱にしている。

それに対してポッポ鳩山は、住民の意志に基づく統治こそ民主主義の大きな柱、というのを主張の柱にしているものと見える。

で、それは実際、universalに、つまり日本政府の大好きな言葉でいえば「普遍的な価値」として世界中で大前提1みたいな感じで認められている。

結果的に、クリミアの住民は1年前大喜びした。こんな具合に。

実のところロシア情勢に興味を持っている人は、私を含めて、そんなん選挙やらんでもそうに決まってるやろな、と思っていた。というのは23年前 ソ連がバラバラになった時にクリミアの住民はロシア帰属を希望したがかなえられず(結局この不首尾が問題だった)、その後も独立を志向していて、だからこそ結果的にウクライナ国内で高度な自治政府として認められていたという経緯がそれなりに有名だったから。

ついでにいえば、だからこそ過去20年間アメリカのNGOが多数クリミア、オデッサあたりを根城にして、反ロシア、親NATOに誘導しようとしていた。これも一部では有名だった。それにもかかわらず20年ぐらいじゃ人々の帰属性は変わらなかったわけですね。

というわけで、ポッポ鳩山の主張の柱は全然奇妙でも無理やりでもなく、非常に良いポイントを見ていると思います。

そもそも、アメリカを含む多数の欧州諸国は何回も革命をして現在の政権があるわけだから、住民意志よりも国家の意志の方が上であり、それは永遠不変であるなんて規則を作ったら、あんたらみんな解散、王様呼んで来いって話だ。

ものごとバランスと個別事情への配慮が重要ということ。

■ 思いついたこと2:日本人も言うんだな

このニュース自体が上で書いたように世界中に出回っているとは言えないので、知ってる人は多数とは言えないだろうけど、でも、ロシアがRTというインターネット放送を持っているので、記事が少数であるよりはずっと多くの人がこのニュースを知っただろうと思う。RTは国際版、アメリカ版、イギリス版、スペイン語版とかあるし、スプートニクにはドイツ語版、トルコ語版とかもあるみたいだ。

で、雑駁な見通しだろうけど、今回の出来事によって、日本人も言うときゃ言うんだな、とか、日本人って、意外にhonestな人がいるんだな、と思った人がいるんじゃないのかなぁと私は思う。意外に正直、とか言われたら大方の日本人はムッとすると思うし、それはまったく無理もない。しかし、そう反応した人にも無理はないだろうと私は思う。

なぜか。それは、日本の人が強い主張をあえてさらっとするみたいなシーンを多くの人は見たことがないから。戦前とか100年前とかそのへんは置いておいて、最近何十年かでいえば、日本人というのは、言葉が少なく、みんなおんなじようなことを考えているらしい、みたいな、非常に曖昧なイメージで捉えられていると思う。(これを婉曲的には、やさしくて礼儀正しいと言うかもしれない)

で、さらに事が政治がらみだったら、アメリカが赤ボールペン出して来て「これ青だ」といったら「ええ青です」と言うだろうナンバーワンっていう感じは濃厚だったし、事実そういう部分はある。ポチというより小姓だよね。犬はごちそうじゃないものに飛びついたりはしない。

主体性やらガッツやら、そう、伊藤貫さんが何度も言ってるけど、dignityがない集団になっているわけですよ。

国家には3つの要素が必要だ。それは、経済力、軍事力、価値観
価値観とまとめて書くけど、dignity、integry、independece、つまり尊厳、一貫性(誠実性)、独立自尊の風、といったことだ、と。つまり、国家としての態度、気概の問題ですね。

cf: 【西部邁ゼミナール】アジアは大火事で燃えている【2】 伊藤貫×西部邁

 

といって別にクリミアの編入に民主主義的で自由な住民の意志を見ることが直接的に日本のdignity問題だ、とまで言うつもりはないです。

しかし、まんざら関係ないわけでもない。

このへんでも書いた通り、

ポッポだって役に立つことはある:各国の対ロシア二重構造

ウクライナの事件は非常に筋の悪い事件なので、一方に100対0で加担して、他方で日本人の中からは一向に異論が出ないというのは日本という民族にとって全然良いことではない。全員ほんとに青だと思ってるの??でしょう。

思ってたら洗脳が行き渡りすぎだし、思ってないのに出て来る意志が統一されているとしたら、それってなんて独裁国家?って話でしょう。だから、適宜、こうも見えるああも見えるという議論は必要だし、それが表示されていることが自由と民主主義の国家というもの。

本当はこのへんは知識人が旺盛にやりあう分野であるべきだが、日本には力のある知識人層がないので、発言力がある人の中で勇気のある人が行動を起こして、青く見えてない人もいるということを示すことは結構なことだと思います。

鳩山氏は元首相だから慎重になるべきだ、というのも一理はあるけど、現職でない人にはそれなりにバランスを取るための行動が求められるという考えもあるでしょう。

ドイツなんか去年の3月からプーチンと仲のいいシュレーダー元首相はもちろんだけど、ヘルムート・コール元首相もロシアの行動は理解できるし、西側の反応はおかしいと現メルケル政権を批判していた。ある意味首相より力があるかもしれないキッシンジャーがたびたび、西側が正直になれば自分が何やってるかわかるだろう的に西側批判をしていることも有名。

■ 思いついたこと3:日本の立場

鳩山さんを巡って日本国政府はぎちぎちに、行くな馬鹿野郎、お前なんか知らない馬鹿野郎という感じでいたわけだから、政府の立場とは異なるということが周知されている。

ということは、暗々裏にこの行動は予定調和的である可能性もあると思う。

 


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