まさお事件に関するスプートニクの記事。
やんわりと、南朝鮮があやしくね?宣言みたいな感じ。
金正男氏のVX中毒は、北朝鮮に化学兵器がある証拠にはならない
https://jp.sputniknews.com/opinion/201702273381532/
今回の事件でVXが使用されたのを受け、これは北朝鮮が化学兵器を貯蔵していることを意味しているのだろうか?と議論されるようになった。いずれにせよAP通信は韓国軍の情報を引用し、北朝鮮が5000トンの化学兵器を保有していると報じた。
で、こんな少量持っているからといってそれをもって北に大量の化学兵器があるという証拠にはならんだろ、というもっともなことを語り、その中で、オウムにも言及しているというのがある種渋いような気がしないでもない。
さらに、ここも重要か。
犯行現場ならびにVXを兵器として選んだことは、殺人を企てた者たちが金正男氏の動きを追跡し、彼らにとってより安全な場所で暗殺するためのリソースやエージェントを恐らく持っていなかったことを物語っている。空港は正男氏に近づける唯一のポイントだった。だが空港に武器を持ち込むのは事実上不可能だ。しかし毒物VXは、例えばアセトンで溶かして香水の瓶に入れ、少しの疑いなく空港に持ち込むことができる。この状況は、限られたリソースしか持たないが、例えば南北朝鮮の軍事紛争を挑発するなど、韓国の政策に影響を与えることを願う者によって今回の殺人が組織されたという考えを抱かせる。
つまり、どうもやってることがバカくさい、ということじゃまいか。何か話題を作ってわーーーーとやることの方に狙いがあるように見えるということ。
西側がシリア問題を「化学兵器」をテーマにして追っかけていることから、この2つは関係があるとみたくなるのだが、本格派と小細工派の違いがあるという気がしないでもないという感じだろうか。
そのそも話題の出方がおかしいことは、宗純さんが追ってらしたので、私も読ませていただいておりました。
金正男(キム・チョル)KIM・CHOL暗殺と韓国情報部
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/04d3ef66aa80fa09fcd1572bdbfbb0de
ということで、私が思うに、野蛮人本格派ともいうべきイラク戦争におけるアメリカの行動が恋しい人々による、猿まねということじゃなかろうか。
■ 整理してみる
ではなんでそんなことが起こるのか。それはこの首謀者たちにとって不都合なことが起きているから、でしょう。ではその不都合なことは何か。それは北朝鮮と対話しちゃう傾向なんじゃないですかね。少なくとも、殴ればいい、脅せばいいみたいなバカなことでは済まないことを理解している人たちが前に来るということ。
オバマ政権というのは異常な政権だった。どことも対話する気がない。常に一方的に上からああだこうだ言ってのけるだけ。ではなぜそうなのか。それは対話すると敵のみならず味方からも異論が出るから。というか敵味方が国境を超えているともいう。
だから、オバマは口ではよさげなことをいうけど、事実は、一方的に力技で挑んだ。その主眼は何かといえば、再々書いてるけどイランっぽい。これだけを守ってた感じがする。(ということはその意味でオバマ政権とプーチン政権は一時的にせよ大きな水脈では敵ではない、となる。周辺バトルでは敵だが。)
これは一体何のためか。欧州の中には自分の利権の保持しか考えてないところもあると思うけど、全体としてみれば、中東を一旦ロシアに預けて、その間にアジアの整理をするということ、じゃないんですかね。
戦後処理が遅れてるのは東アジア、もっといえば日本とその周辺ですから。台湾への言及も一応暴投してみた、みたいな感じで別に対中強硬と読む必要はないでしょう。
で、その日本は何をしているのかといえば、日本会議をぶつけて徹底抗戦してる、みたいな(笑)ところは実際あるわけですが、必ずしもそうとは言えないところもある。
なんというか、日本って過去100年間ずっと田中義一か幣原喜重郎かで揉めてるんだと思う。しかも、問題さえ開けられないという不始末なので、国内で出来事を考えられなくなってる。
■ 安倍ぽん問題
この流れから考えた時、ふってわいたような安倍ちゃん問題は何を意味するのか。
安倍ちゃんの周辺の日本会議勢がああだというのは昨日今日わかったわけではない。小学校の公金でミソがついたわけだけど、そもそもあの幼稚園の出来を問題にしなかった官公庁もメディアも今更何か言えるところがあるのかよ、という感じ。みんなわかっていてそれでもなお中国戦線を拡大し果ては真珠湾でございましたという経緯と似てる。
で、なぜ今なのか。まぁ普通に考えて、安倍ちゃん政権が意図している、またはしそうな方向を嫌うから今般この問題が出て来た、ということなんでしょう。脅しのポイントを作ったということ。
全体として、安倍ちゃん政権はエルドアンと似た状況でしょう。本籍は西側(というより両方のレジームが西側制)なんだけど、両者とも自分の立ってる場所から考えると度重なる基地外じみた西側行動に付き合うには限界がある。日本の場合なら、中露を敵にして何するんだよ、だし、中露がくっついている中で日本だけ地球の反対がらからエネルギーを買い続けて、ビジネス発展機会もアメの言う通り以外にないとかできねーよー、という事情がある。だから、潜在的にユーラシアに向けて融和的になりたいところがある。特にロシア向け。
この傾向を、日本の政治では、多分「資源派」とかいう。
しかし、これが嫌な人たちがいる。そっちが「イデオロギー派」。何がなんでも日本は西側としか付き合えないという、外務省、財務省派って感じ?
こんな話も関係しそうな気がする。2月初旬。
日本 対ダーイシュ及び南シナ海での作戦には参加せず
https://jp.sputniknews.com/japan/201702053309217/
日本の稲田防衛相は、米国のマティス国防長官との会談を総括した中で「日本は、IS(ダーイシュ、イスラム国)に対するものや、南シナ海での作戦には参加しない」と明言した。
これに対してウクライナのネオナチ政権が軍事協力しようと提案しているそうなんだが、これはつまり、自衛隊を出せ、とネオコン/トロキストが叫んでいる、という意味だろうか。
ウクライナ議長 日本に合同軍事演習を提案
https://jp.sputniknews.com/politics/201703013385852/
ウクライナに軍事顧問と称して入り込んでいるのは、米もそうだけど、英、カナダ。米軍がシリアの正規軍を攻撃して死傷者を出したあの糞な、信じられない行動に参加していたのはオーストラリア軍とベルギー軍。つまり東インド会社流の人たちが「ローヤル」とか言いながら侵略に勤しんでいると考えるとわかりやすい。あはは。
そこで、日本にもローヤルにならないかとお誘いが来ているということは、むしろ逆にいえば日本はローヤルをお断りしているということであろうと推測。
イデオロギー派とローヤル派はだいたい一緒。
で、安倍ちゃん政権は一見するとイデオロギー派、ローヤル派主体なんだが、資源派がいることはロシアとの関係を切らずになんのかんのと対話の窓口を開けていることからもわかる。経産省系統だろうと言われているが、どうなのか不明。
この異種混合政権で、しかしながら、この先やっていけるものなのだろうかと不安には思うものの、しかし、じゃあ代打がいるのかとなるといそうに見えない。
倒せばいいってもんではないのは、民主党の顛末でわかる通り。気持ち悪い奴を倒したからといって気持ちの良い奴が来るとは限らない。
共謀罪だの憲法改正だのが議題になっても押し切れない程度に安倍ぽん政権を弱らせ、弱らせたまま代打を探しつつ外部のデカいプレーヤーの動きを見る、ってのが現状最良のシナリオではなかろうか、というのが私の考え。安倍を倒して野田だの蓮舫だの石破が来るとか勘弁。
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