もともと戦争がらみの報道は諜報戦の一環なのでどの発言も一応聞いておくという姿勢が大事。頭っから信じても意味がない。
で、昨夜からロシアによる輸送部隊がウクライナの国境を超えたとか、その車列をウクライナ軍が破壊したとかなんとか様々な情報が出回っていた。
ロシア軍車両がウクライナ侵入か
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140816/k10013848141000.html
ロシア軍車両がウクライナ侵入か、とそこだけ見るとそうかもしれない、と思う人がいるからもしれないけど、よく読むと、
ウクライナ・ポロシェンコ&イギリス・キャメロン
この中でポロシェンコ大統領は、イギリスの新聞ガーディアンが報じた「ロシア軍のナンバープレートをつけた車両が国境を越え、ウクライナに侵入した」という情報を確認し、政府軍がその大半を破壊したと伝えたということです。
ロシア軍
「このような話は幻想に基づくもので、1国の首脳どうしで話題にするべきことではない」
アメリカ
「情報を収集中で、現時点では確認する立場にない」
でも、
「われわれは、ロシアの介入に懸念を示してきた。ロシアにはいかなる口実の下でもウクライナ政府の許可なく、車両などを送る権利はない」
と一応話の帳尻をあわせている。
昨日からの話を総合すると、英ガーディアンを発信源にして、ロシア軍が来た~、ロシアが許可なく越境した~と主張しているグループは、
- ウクライナ軍&ポロシェンコ
- イギリスのキャメロン
- そして、NATOのラスムセン事務総長
で、その線をアメリカはサポートしていない。
越境した~、の次に実はその車列はウクライナ軍が破壊した、となったのは、
越境した、で騒ぎを大きくできなかった
→ 越境したのにウクライナ内に車列いないよ?
→ それは我々が破壊したのだ、
でしょうか? 破壊してまたまたロシア軍を釣りだすつもりですか?ともみえるけど、そんなことで釣りだされるような軍なのか、ロシアは、と考えると何がしたいんでしょう、この人たち、となる。
一方、ロシア政府は、ウクライナの政府から、人道物資を入れていいですよ、の承諾を取ろうとしている。昨晩書いた通りウクライナ外務省、赤十字はこれに前向き。
続いて、約1日後、Minister of Social Policy Lyudmila Denisovaが関連する行政命令に署名したとタス通信は伝えている。社会政策省とかいうんですかね。ま、人道援助なんだからこのへんが管轄官庁に近いんでしょうか。
http://en.itar-tass.com/world/745361
そういうわけで、昨日考えた通り、どうやらウクライナ政府&軍およびその支持グループが割れている模様。
そして、マレーシア航空機撃墜問題について誰も何も言わなくなったこととあわせて、アメリカはこの問題から距離を取り始めている感じだすね。