昨日3月10日は、1945年に東京大空襲があった日。
死者10万人、被災者100万人というスケールとして知られるこの被災があった頃からようやく少なからぬ日本人もこの戦争を終わらせなければならないと立ち上がっていったように見える。しかしもちろん、そんなことよりなによりそもそもミッドウェーの敗戦以来何かがどうなるというものでもなかった。後は、どうやって敗戦するか以外の問題はなかった。そして日本の支配者層には、「国体護持」なるもの以外になんらの求めもなかった。
後に起こるソ連軍の満洲侵攻時に関東軍が民間人保護など考えず南下し、移動していたことを考えてみるまでもなく、1945年までの国体なるものは、国(統治機構側の人間)>被支配者という枠組みが非常に強い体制だった。
そこから敗戦が来て、私たちはもうそうではない時代に住んでいるつもりだったわけだが、2011年3月11日が教えてくれたのは、どうもそういうわけでもなかったということ。
福島第一原発の事故の際、一般人とそれを統括する役所が何かを知る前に、自衛隊、警察、原発関係者が何かを知り行動していたことは、1945年に満洲で起きていたことの繰り返しだったというべきでしょう。1)
今日はまた、東日本大震災がもたらした傷跡についてNHK他の報道がなんらかの特集を組んだりなんだりするのだろうが、多くの国民はこの8年間に、どうやら大本営発表の機構は復活したか生き延びたかしたようだ、と気づいた。
と、そんな中、数日前、アメリカのトランプ政権が、米軍の海外駐留経費をホスト国に全額負担させ、さらに割り増し料金も入れようかなと検討しているという記事がブルームバーグから出て来た。
米軍駐留負担の大幅増要求を検討 トランプ政権
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-08/PO1UD0SYF01S01
ホワイトハウスの指示の下、トランプ政権はドイツと日本、最終的には米軍が展開する全ての国に対する要求案を策定しつつあると、政権当局者や計画について報告を受けた関係者十数人が明らかにした。駐留経費全額に加え、米軍の駐留で恩恵を受けている対価としてプラス50%以上の支払いを求める方針だという。
この「費用プラス50%」方式により、駐留経費負担として現在米国に支払っている額の5-6倍の拠出を要求される国も出てくる可能性がある。
50%はつまり、海外手当みたいなものか(笑)。
さらに、秋田に配備すると騒いでいる攻撃可能な迎撃システムを、このタイプは日本が初めてなので日本が金だして試験しろ、と言ってる模様。
陸上イージス 米、試験施設建設を要求
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190308-OYT1T50304/
政府が導入を進める地上配備型迎撃システム「イージスアショア」を巡り、米国が日本の費用負担で米国に試験施設を建設するよう求めていることが8日、わかった。複数の日米関係筋が明らかにした。2基で約2400億円の導入費が大幅に膨らむ可能性がある。
いやすごいですね、この請求書ラッシュ!
これは一体何の話なのか。
思うに、これは、夢を見るにも金がかかるという話ではなかろか。
日本国民の1/3ぐらいの人は私を含めて、東アジアで戦争なんてもっての他、やらないでいられる方法はあるに決まってるだろ、と思ってると思う。
が、残りは、中国とロシアが出張ってきて迷惑なので、日本とアメリカが対応しないとならないと固く信じてる。そして、日米が共に中露と戦っているかのような夢の中に誘い込まれている。
中露に関していえば、過去にめざましくも著しく、攻撃を行ったことが否定できないのは日本だったという過去は生生しく存在し、記憶されているわけだが(日本以外のところで)、ナチスと組んでソ連を挟撃してた過去すら素通りして、自分はいつでも防衛しているのにソ連や中国が攻めてくるというおとぎ話にもならない物語をほぼ60年から65年ぐらいで日本に定着させた。
東京裁判の中で、対ソの侵略行動についてしっかり議論されていることを日本人の中の何人が知っているんだろう? 思えば本当にスゴイ統制だなと考えずにはいられない。
東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい
そして、恐ろしいことに、そのおとぎ話を基に憲法を変えて、世界4位の装備を持った軍を(他人の指揮権の下で)実際に使えるようにしようとしているのが日本。
安倍ちゃんのおじいさんの岸は、満洲侵略構想の立役者だったがアメリカに拾われて、後に首相になった人。で、この人は、自分の大陸での行動は正しかったと明言している人でもある。
そうであるのなら、安倍の頭の中ではこのおとぎ話はおとぎ話ではないのだろう。彼の周囲の応援団も無論そうなのだろう。
という構図から考えるに、アメリカは日本の夢に付き合うなら、お前が金出せよと言っているような感じではある。もちろん、日本人の多くにとっては、信じ込ませたのはお前だろう、という話ではあるわけだが、アメリカの現在および将来的な方向性は、過去とは異なる可能性が大きくなってきた。(数年後にまた変わる可能性は残るわけだが、それとて1990年代にやったようにはうまくいかないだろう)
そうなると、安倍政権の立ち方の問題だと考えたくなる人もいるだろうが、今日安倍を批判してやまない勢力とて、1945年の敗戦の意味、すなわち遡ること十数年における日本の行動をロシア、中国、アメリカ等の連合軍が止めた、破った、掻き出した、という意味を見ようという気はない。
1945年においては「国体護持」を夢見て犠牲をいとわず、現在においては西側の優位の世界秩序を夢見て犠牲をいとわない。
両者において犠牲とは一般日本国民のことであると考えると、日本の支配構造というのは一体何者なのだろうかと思わずにはいられない。
1)
前双葉町長が語る 地震当日夜9時に東電社員とその家族は…
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/244158/3
実は、後で分かったことですが、11日の夜9時すぎには、東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残っていなかった。いち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え去りました。そういう会社ですよ、東電は。現在、どこかで何食わぬ顔をして生きているんでしょうけど、ひどい話ですッ」
3月12日の昼。役場の南側の窓に設置していた線量計の針が振り切れたという。1号機のベント放出があった時刻だ。
「役場に頭から足まで隠した真っ白のフル装備の警察官が近寄ってきて、私に耳打ちしました。“町長、限界ですよ”と。官邸や東電からは断片的な情報しか入らず、唯一警察官からもたらされたひと言が命を守る情報でした。
保存しておくべき記事だと思う。この記事が出たのは2018年12月だが、現地一般人と東電+国の機関が知っている情報に差異があったことは当初から口コミで広まっていた。
ttps://youtu.be/P4KXX24Dv1U
私もその動画は見ました。だいたいその線で考えておくといいんだろうと今でも思ってます。
日本では鳩山さんの周辺がこんなことを言っていたと思います。
比率逆だと思いますよ。2/3ぐらいはアジアの中の日本意識で、1/3かそれ以下が英米の派出所としての日本のという意識でしょう。
但し、その1/3以下がともかく声がデカイ(マスコミや政府を押さえてるのがコイツら)。2/3はサイレントマジョリティです。
支配者層にとって、この国は人が多過ぎるのでしょう。
民衆の人権を認めたがらない。生まれながらに法に従う事を強いながら、法の実効的適用範囲を周知させない。法の庇護を無条件に適用しない。人治的ですらある。明治以後の伝統なのでしょうか?
私は、応仁の乱以降の自己救済世界からの脱却と関係していると思っています。国体の護持に民衆の間引きが最も効率的でした、ということに。
脱線してすみませんでした。
これ、どう理解したらいいの?日本は、単なるお人好しか、白〇か?
(註:ドフトエスキーの小説にもある白〇、これ差別用語で使っちゃいけないの?漢字の変換ができなかった。)