横浜の脱法カジノ船では、ついに高齢者や持病のある人を下船させるという処置を取った模様。
それに対して24人のロシア人が乗っているロシアのザハロワ報道官。
横浜港沖のクルーズ船に対する政府の対応を疑問視 「期待はずれ」=ザハロワ報道官
https://jp.sputniknews.com/world/202002117096788/
そりゃまぁ言われる余地は大ありですよ、実際。
中国からロシア人と親戚グループの人たちを軍の防疫専門家を乗せた輸送機で迎えに行って連れ帰り、14日間チュメニという都市郊外の施設に隔離して、隔離施設がどうなっているのかもきっちり報道してたロシアから見たら、横浜のクルーズ船の対応は一体何なのだろうと思うのも無理はない。
新型コロナ:ロシア、武漢からチュメニへ移送完了
ロシアの行動は、はたから見てても、とても合理的かつ慎重だと思った。
ただ、ロシアの隔離施設について、多分チュメニの住民が心配したからだろうけど、
隔離施設から感染が広がるなどということはあり得ない。なぜなら対応にあたるスタッフも14日間そこを出ないからだ、
と発表していた時には、思わず笑ってしまいました。ものすごく徹底しておるな、と。
あと、こうやって中国からロシア人の普通の人を連れ帰った後、バイオの専門家、検疫の専門家は逆に中国に派遣されてた。専門家はリスクを取るのが当然だという発想なんでしょうね。
当初は当然にみんな不安がって騒ぎになっていたようだったけど、専門家と国の衛生、防疫の専門家なんかが出てきているうちにみんな合理性に安心した、みたいな推移とみえた。
極東はマスク着用を義務付けるとか、中国からの野菜が来なくて大変だ、とかいう、欧州部とは全然違う心配と対応はあったようだけど、混乱しているという感じはないようだ。
ちなみに、ロシアでは感染者が2人いるけど、いずれも中国国籍の人。だけど帰さないでロシアで治療。いずれも快方に向かっていると報じられ、1人は今日退院した。学生さんだそうで、そのままロシアに留まり学校に行くと報じられている。
Chinese student diagnosed with coronavirus in Russia’s Tyumen leaves hospital
https://tass.com/society/1118803
■ 脱法カジノを隠してる
で、日本に寄港した船の問題に戻って、これってやっぱり、宗純さんが書かれていた通り、みんなしてこの脱法カジノを隠していることが問題を複雑にした可能性は大いにあると思う。
船舶が横浜に入港する条件はどのようなものだったのだろうか?
条件として、疾病対策を希望するなら、管理権限は日本国に渡せとかいう取り決めがあるべきだったのではかろうか。
つまり、船舶の持ち主&カジノ船運営会社と日本国との間で取り決めをする必要があっただろう、ってこと。
そうするとそこからは、日本国内の疾病対策が適用される。もちろんその費用をだれが持つのかも決められる。
日本船籍で日本がオペレーターなら、しようがねーなという話にもなるが、脱法行為によって、日本の領土外に出ることを売り物にして賭博をやらせる外国船に日本国民のための施設と税金を使う必要は理論的にはないし、商習慣的にもおかしい、という解釈もあり得る。なので、日本から船主+事業者に後で全額請求という可能性もなくはない。
しかし、日本に膨大な施設があって、スタッフが余っているわけでもない以上、当座の現金の問題ではないという考えも成り立つ。
タイが、別のクルーズ船の入港を拒否しているのは、対応が可能でない可能性があるから迂闊なことはできないという判断であるのかもしれない。
よく考えれば、非常に大きなリソースが必要だし、他の人にリスクを移転する可能性を秘めた決断だからこそ慎重でなければならない。
報道の中の、全員検査が難しい、といった言い方は、全員検査するその費用はどうするんだよ、とか、検査して肺炎想定でトリアージして別々に隔離する云々の膨大な費用と手間を誰が持つのか決まってません!というのが根幹にあるのではなかろうか。
また、ボトムラインとして、どこまで日本の責任と考えるのかの判断をしっかりしないうちに、誰かが、受け入れちゃった、みたいな恰好だったりするのかも。
いずれにしても、現在の報道も国の姿勢も、これらのことを国民に納得させるような説明になっていない。
説明するとなるとカジノクルーズの業者も表に出てこないとならない。カジノクルーズの会社が出てくると、え、脱法カジノなの?という話は当然しないとならない。
ということで、わやわやに説明して、これできっと終わる、きっと終わる、そんな大したことない・・・と思っていたら、あにはからんや五月雨式に感染が発見されている、といった事情ではあるまいか。
かくなる上は、まずは、感染者の症状が軽いことを祈るばかり。