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「やれんのぉ」/仁義なき戦い

2013-03-31 23:16:10 | 参考資料-昭和(後期)
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『仁義なき戦い』は伝説的な作品なので、もはや今更いいとか悪いとか言ってもはじまらないけど、これは本当によく出来た作品。組織論または組織に生きる人間とはというテーマを語るための材料にもなるし、人間の生き方という話でもいけるし、総力戦という非常事態、ある意味で法がすべてをコントロールする状態から、そのコントロール部分が失われ無法地帯になった場合における人間の精神の動揺と行動形式として考えるのも面白いだろうと思う。

おそらくこういうことは90年代前半ぐらいまでの、いわゆるバブル時代までに一通り言い尽くされていたのではないかと思うが、今後また再評価があるのではないのかななど想像してみたりもする。

その理由はまた別に書くつもりだけど、ふと今日この作品を思い出したのは、

安倍首相「有名な憲法学者」の名にポカン 「芦部信喜知らないって…」支持者もドン引き

なる記事を読だんだから。

3月29日の国会で、民主党の議員が安倍総理に芦部氏を知っているかと尋ね、安倍氏が知らないと答えたという話。さらに、この記事がその話を継いで、芦部を知らずに憲法を語るなんて、と、要するに安倍氏がいかにダメかを熱心に訴えている。さらにこの話を継いで、一部コミュニティで盛り上がる、と。

それはそれでいい。メディアはどこにでも提灯をつけてまわる。それよりも、この民主党議員の質問の仕方がいやだ。聞くべきことは、おそらく改正の細部の話で、彼らのゴールはその阻止にあるのだろう。

だったらそこを議題にすればよいし、どうしても憲法学という学問的分野への言及が必要な質問をするなら、今の内閣なら谷垣氏がまさにうってつけだろう。ちょうどいいことに氏は法務大臣で、その上、党の重鎮であるためだと思うが、首相のお側近くにいつも座ってたように思う。

その効率性または妥当性を考慮することなく一目散に安倍氏に「当てにいく」。

その発想法がイヤだ。ある意味政争は『仁義なき戦い』だ、ぐらい思っているのか。しかし、『仁義なき戦い』シリーズは、こうやると何も生まれないという失敗ケースのきれいな目録だ(映画としての素晴らしさとは関係ない)。議論は前を向くためにこそ存在し、抗争はどれだけ熱気があろうともそれは破壊への道ではなかろうか。

またこの不毛な時代へと戻すのか、民主党・・・・と、4年ぐらい前のカップラーメンだの、なんだかわからんイチャモンをさも大事のようにメディアとタイアップで演出していたあの日々がよみがえる。

何事によらず、イヤだなどといわずもっと理を尽くして何かを語りたいと希望することにしているつもりだが、そういうものにも限界というものはあって、なにかもう、

やれんのぉ

と大声で言いたい気がしてしまう。

『仁義なき戦い』で有田という男が、山守一派の坂井(松形弘樹)系がああしろこうしろと現実に合わないことを言っていちゃもんを付けてきたときに発したのがこの言葉。

この役を演じた渡瀬恒彦が、なにかこう、いわく言いがたい、甲高いんだか低いんだか分からない、忘れられないトーンでこの言葉を吐く。

あるいは、英語圏で、ぐじゅぐじゅいつまでも言うことをいかない子どもに向かって、「Enough!」というそれでもいい。

(ただし、広島弁、山口弁?あたりにおける「やれんのぉ」の正当解釈はenough!とは異なるものと承知するが、いずれにしても I cannot take it any more!みたいな感じで実は同じなのかという気もする。どうなんだろう。)

民主党に向かって発したいのはもうこういうものしか残ってない、といいたい感じがあるなぁ・・・。

 


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