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日本は本当に独立国か・・・独立したくない国では?

2014-04-27 08:41:52 | 太平洋情勢乱雑怪奇

1/3【討論!】日本は本当に独立国か?[桜H26/4/25]
http://www.youtube.com/watch?v=aCOQD-_4viw&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg

すっかり毎週土曜夜のお楽しみになってしまったチャンネル桜の討論。

今回は、比較的年配の方々が、昨年政府主催で開かれた主権回復の日が今年はできなかったことに始まり、一体この国は独立国なのかと嘆かれていた。そして、日本はこんな国ではない。アメリカの対日政策のはじまりは・・・と昔の話をたくさんされていた。

あんまり熱心に見ていなかったけど、こういう嘆きがあと1000倍あっても、1000チャンネルあっても、アメリカもいわゆる西側も、中国にしても、全然怖くないだろうなと思った。

それは、ではこの状況を変えるにはどうしたらいいのか、には行かないから。

どうしたらいいのか、のオプションを出されているのはいつもだいたい元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏か、関岡さんで、馬渕氏は、だからロシアとの関係を強化すべきという明確なご主張をされる。関岡氏はインド、インドネシア、トルコを強く押される。そのぐらいしか聞いたことがない。現実問題北と南しかないわけだ。

馬渕氏は、ここ最近の動向として、安倍首相がアメリカから攻められていただろう、その理由はロシアと近づくなということだろうとおっしゃる。

夕べ書いた通り、私もその線は濃いだろうなぁと思う。

だって、想像してみればわかる。そもそも昔から、ドイツと日本をソ連に近づけるな、というのはアングロ・アメリカン覇権のある種の鉄則でしょう。それはイデオロギーのようでいて、結局は資源持ち自尊心持ちのロシアという意味だったと思っていいと思う。

さらに、現実で考えて、日本がエネルギーの30%をロシアから、30%を原子力で、残りの40%を南・西部から得ていて、ロシア内にも多少の販売先があって、ロシアとの安全保障上の関係が改善したことを受けてインドともより緊密になった、となったらそこにも売り先がある。多少の制裁があっても、あまり意味がない。

さらに、こうなってくると人の気持ちも落ち着くから、アメリカにこうしろああしろ言われても、ちょっと待ってくださいよ、と言えたり、だってそんなの世界中みんなそうってわけでもないでしょ、トルコも違うし、インドも違う、ロシアも違いますよ、なんて言えちゃう。

国防にしたって、中国とロシアは共闘はするが別に永遠の同盟国ではないから、日本とロシアがオホーツク海で仲良くしていたら、そうそう安心して南シナ海に出てこれない。中国は兵器をロシアから購入しているんだから、いざとなったらロシアに優位性がある。

現実にここまでいかないまでも、確かにアメリカ一国との同盟では心許ないから、他国とどう付き合うかを考えたらいいんですよね、といった具合にシミュレーションすることが国民的に普通の関心事になっていたりしたら、まず言論空間が広がり、いじめられっ子よろしくアメリカには何も言えない・・・と発想することはなくなるだろう。といっても、関係を多様化するといって、オーストリアとかカナダといった結局は英米に縛られる国とばかり関係を強化しても、リスク回避としてはあまり意味はないのだが・・・。

■ トルコとロシアの関係

独立国でなんでも好きなことができるのは世の中では今のところアメリカぐらいしかない。アメリカだって別になんでもうまくいっているわけではないが。

他国はみんなそれ相応に苦しみながら、結構ぎりぎりだったりするものだ。タフだなぁと思うのは、例えばトルコとロシアの関係。

昨日書いた通り、トルコはシリア危機ではかなり汚い戦争介入者になっていた。化学兵器問題を大事にしてアメリカの参戦を誘ったのだろうとか、シリアの戦闘機を銃撃して、国境を侵犯したからだと言い張ったものの、シリア戦闘機はシリア国内からかなりの距離に落下し、パイロットは助かったりしたもので、トルコの嘘がばれたなんてこともあった。そもそも、シリアに対して宣戦しているわけでもないのにトルコ側からイスラム過激派の国境通過を見逃していたとしか思えない状況をすっとぼけてみたりバレてみたりしてる。

それに対して、ロシアは、シリアへの攻撃はロシアへの攻撃とみなす!とか宣言して行動した。

つまり、トルコとシリアはシリアを巡って明白な敵同士だ。

ところが、トルコはロシアからブルーストリームというパイプラインで天然ガスを購入していているし、原発も最初の1基目はロシア、2基目が日仏、3基目が国内資本で、ということになるらしい。
http://www.worldbulletin.net/news/134780/turkeys-future-nuke-plants-to-cut-down-its-energy-bill

しかもこのディールは別にずっと昔に決まっていたのではなくて、シリア危機があって、クリミア問題があった後に決まってる。

さらに、今週、その問題のブルーストリームのガスパイプラインの増量が決まった。ブルーストリーム・パイプラインは90年代後半にはじまり、2003年から稼働している。



トルコは他に欧米系のパイプラインも通っているのだが、最近のウクライナ危機から端を発したロシアのエネルギーを買うな運動(アメリカのを買え運動ともいう)によって、アメリカ、イギリスの新聞は、トルコのエネルギー安全保障が~とか言ってはいるのだが、トルコはむしろ半歩か一歩か進めたような感じだ。

言うまでもなく、シリアで敵対関係になっているという影の事情も大きく影響しているんだろうと思う。が、あの戦争は、西側的正論では、「反政府勢力」なる純真な人々がシリアのアサド政権に向かっていった戦争だからこのへんはトルコとロシア間の問題を報道する際に含められない。

しかしロシアのプーチン大統領とトルコのエルドラン首相がお話する際に、まさか西側的正論でお話しているわけもなく、どっちかがどっちかをつついたり、皮肉ったり、じゃあそこは目を瞑るからこっちはどうよ、みたいなことをやってるんだろうと思う。

それに対して、もちろん欧米からこれしろあれしろもあるし、トルコだってロシアに抑えられたくないし、ロシアだって同じ。ボスポラス海峡があるので本当はロシアの方が下手に出ていいはずなんだがそういう感じでもない。貸し借り作ってこその関係強化、みたいな感じなんだろうか。

つまり、いろいろ長期的利益をいろいろ考えて交渉していく。その時々で、西側メディアから非難されたりするだろうしロシアに詰め寄られることもあるだろう。しかし、むしろその批判、非難によってトルコはトルコ独自の道を歩んでいることが明示されることになるわけだ。

■イギリス・インド・ロシア

インドも多層的。インドは安全保障は基本的にロシアに頼っているし、ロシアもインドを非常に大事にしてる。というか、結構考え方において時々相思相愛になってないか?的なことが垣間見えることもある。州にもよるんだろうけど。

が、インドはその一方で、イギリスの英連邦の一員だったりする。アメリカには一般にいい感情はないんじゃないかなぁ・・・と思う。というか、インドから西は基本的に英米に対して警戒心の方が強い。そこで、インドにとってロシアは「アメリカ除け」みたいな感じでも良いパートナーなんだと思う。カウンターバランスって言った方がカッコいいか。

また、インドにとってロシアは中国除けにもなってる。ソ連時代の話だけど、印パ戦争の時にはソ連がインドについていた。インドとソ連の関係が強くなったことで、中国とアメリカに恋が芽生えた、という見方もある。

■ 独立した方が面倒、になってるんじゃないのか?

冒頭に戻って、要するに、日本というのはこういう是是非非関係、問題によっては歩みよるけど、問題によっては喧嘩もする。時々騙しもする(トルコとロシアみたいに敵になってることさえある)。でもそれはそれとして両国の発展のために、とかいうことを平気で言い合える、という図太い神経を持った関係を築くのが面倒になっているのではなかろうか?

アメリカ覇権の中にいて、ほんとは全然Westでもなんでもないのにthe West(西側)と呼ばれることに満足して、その枠組みの上位の座にいた方がだって楽なんだもん、みたいな感じが日本人の大多数の本音になっているのではなかろうか?

しかし、だんだんと明らかになってきたのは、上位どころか最近は声を上げることさえ許されなくなってる。お前発言権なし、でも金は出せ、当然だろ、みたいな。そこで、これは由々しき事態だと思う人が増えてきた。

さりとて、アメリカと時々不和になることを覚悟した上で、とまで考えている人は結局とても少ないのではなかろうか。

つまりね、今まで愛人関係を続けてきた関係を解消して、そういうんじゃなくて友人になりましょう、あなたとの友情は他の誰よりも強いのよ、もちちろん、と言ったって、一時期はそりゃ喧嘩腰になる。たとえ1年後には正常化するにしても。

それが怖いんだろうと思う。だってこうしたら怒られる、ああしたら文句言われる、制裁される云々と。

だったらどのぐらいの制裁に耐えられるのか、耐えられるようにするにはどうしたらいいのか、を考えればいいのだが、ずっとここで終わってる。

過去8年ぐらいか、チャンネル桜をはじめとして、いわゆる保守派といわれる人たちが集うインターネット上の番組が増えた。

多種多彩なみなさんのお話を伺うチャンスが出来たことは誠に喜ばしく、感謝にたえない。しかし、この成果はなんだったかといえば、現在までのところでいえば、独立的になれない日本を嘆く方向に多くの時間を割いたと思う。

なぜか。その方が楽だから、だろうなぁ・・・。

■追記

いや、一般人の問題じゃなくて、本当は各種メディアが実のところ、国民の声なんか吸い上げる気はない、そういう意味で本物の反日だったというのが一番大きいと思う。しかし、この本物の反日という意味を、いわゆる保守派言論人たちは、中韓の味方だ、と言って非難してきた。そうじゃない、根本的な枠組みを決めてるのはアメリカだと言ってきた人を「反米」扱いして。そして、ここまで来ると詰まる。やっぱり、その方が楽だから?


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