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多分、逆包囲作戦進行中

2014-08-28 23:50:28 | 欧州情勢複雑怪奇

親ロシア派、ウクライナ東部で猛反攻 米、露が「直接関与」と非難
AFP=時事 8月28日(木)16時13分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140828-00000034-jij_afp-int

広い意味でロシアが関与していることは誰も否定していなので、こんなところで非難なんかしても意味がない。キエフ側にはポーランド他の国から、ウクライナ東部側には主にロシアから義勇兵と物資が入ってることはお互い承知。

重要なのは、キエフ軍が崩れているってことでしょう。

で、数週間前までキエフ軍優勢で親ロシア派はもうダメだ~みたいな報道が出回っていたけど、何かそういう気がしない・・・と書いて来たけどどう数日前から明らかにそんな感じになってきていた。

つまり、キエフ政府軍は、ウクライナ東部で戦果をあげました、と言っては攻略地点に花をつけて地図はすっかりキエフ政府軍が勝っているかのようになっていたが、実際には面で抑える力、というより能力がなくて、次第次第に親ロシア派が取り返していっていって、逆包囲していった感じだった。

RIAノボスチは、キエフ政府軍が戦果を主張している地図とノボロジア(要するに親ロシア派)側が言っている地図を併記していたが、結局キエフ政府軍の発表は大本営発表だったといっていいと思う。
http://en.ria.ru/infographics/20140827/192394969/Ukrainian-Forces-Surrounded-by-Militia-in-the-Countrys.html

そういうわけで、少数の親ロシア派がまぁ大軍というほどじゃないけど20倍以上の兵は余裕でいるキエフ政権の軍を押し返すというより崩しちゃってます、というのが現状。

いやこれは、しかし、ウクライナにいた&入ったロシア民兵、航空支援もないのにここまで地味に地味に陣地を取って来たのはなんか凄いなと感心する。この戦略脳は何?という感じ。量的には比較にならないけど質的にスターリングラードの戦いに通じるものがある。

■ キエフ軍が崩れた

一方、一昨日ミンスクで関係者の会議が開かれた。会議では何も決まらなかったとはいうものの、ベラルーシのミンスクで、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンというユーラシア連合が、ウクライナとEU代表者を迎え、この先もここで会談していくことにしましょう、となったことそのものが、つまり、話し合いの季節になりましたの宣言だということができるでしょう。

さらに、ドイツから「連邦制」という語が出た。メルケルは、ウクライナ人は自分たちドイツ人と同じように選ぶ権利がある、と言った。

つまり、まとめれば、キエフでクーデータをやったことによって成立した(その後大統領選挙はやったけど)キエフ政権が取った、東部で言うことを聞かないという奴らはみんな「テロリスト」なので制圧する、という作戦はもうおしまいです、ということ。

こういうこともあって、キエフ側のモチベーションがまず崩れてきているんじゃないかと想像する。現在も敗退というより敗走してるような・・・。

■ 親ロシア派というか「ロシア」

それに対して、親ロシア派はさらに義勇兵を募って反攻していくつもりのようにみえる。
キエフ軍は早々に話をまとめないと、反キエフの住民が多い南部まで親ロシア派に合流するという可能性もあるんじゃないのかなと思う。

そもそもオデッサはロシア系の多いいわゆる親ロシアなわけだけど、5月のオデッサ事件以来ある種の恐怖支配地域になっているっぽかった。ハリコフもそういう面があるという話もあった。

(直接戦闘とは関係ないけど、クリミアの上の肌色のところが歴史的な「ノボロジア(New Russia)」。これ全部が視野に入ってたらどうするの?なわけですね)

この事態に対して親ロシア派というか「ロシア圏統合チーム」みたいな側は、むしろこのまま静かにしているべし、という戦略だったのではなかろうか。

つまり下手に蜂起なんかさせたら多量の死人が出て取り返しがつかなくなる。だから、時期が来るまで動くなという感じだったのじゃないのかな、と。

だから、もし東部のルガンスク、ドネツクが潰されず、キエフ政権が「テロ対策」をやめるから、話し合おうとなったらそれでよし、しかし、それでもぐじゃぐじゃ言っていたら、親ロシア派は、ルガンスク、ドネツクという一番東の2州だけでなく、もっと西に出て来る動きを強め、最終的にオデッサの合流さえ視野に入るようなことになるのでは?「ノボロジア(New Russia)」の完成、と。

そうなったらまぁそのキエフ政権側は交渉上立場が弱くなるだけ。このへんで早く話をまとめた方がいいんじゃまいか?

■ 多分、逆包囲作戦進行中

前のエントリーで、

結局のところこの半年は何だったのか・・・。

私が思うに、ヤバい奴らのあぶり出しだったのじゃなかろうか?

ヤバい奴らってどういう奴らかといえば、例えばこんな人たちとその周辺。

と書いたけど、私は引き続きこの線だと思ってる。

アメリカもEUも全然一枚岩ではなくて、直接的な言葉とか動きを見てると敵対しているようだけど、2手、3手先を考えると結局ヤバい奴らが不利になるように動いてないかと思えるわけ。

ではなぜそうなったのか。そりゃもうヤバい奴らと一緒じゃ未来がないと思ったってこともあるだろうし、もう一つはNATOが問題なんじゃないのかなというのが私の考え。それはまたそのうち。


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