北朝鮮の李容浩（リ・ヨンホ）外相が、国連の演説で
米国を信用できないんだったら俺らの非核化だってない、と語っていた。
もうちょっと正確にいえば、
米国への信頼がなければ、我が国の国家安全保障への自信もなく、そのような状況下で一方的に自分自身を武装解除することはない
“Without any trust in the US there will be no confidence in our national security and under such circumstances there is no way we will unilaterally disarm ourselves first,” said North Korea’s top diplomat, addressing world leaders at the 73rd session of the United Nations General Assembly in New York on Saturday.
ということらしい。
North Korea says will 'no way' abandon nuclear program without trust in US
当然ですよね。米国との間で一定の信頼関係が構築されるからこそ、武装を減らして敵対関係を終了できるわけで、
米はそのまま過去と同じように北朝鮮を核で脅せるが、北朝鮮はやってはいけない、となったらそれって北朝鮮の敗北ですから。
東インド会社極東代理店の日経新聞は何か微妙に違う感じの印象操作をしているので、またまた何か日本がやるんですかね、とちょっとイヤな気分。
北朝鮮外相「先に非核化せず」、終戦宣言など要求
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3593230030092018FF8000/
李外相は約15分間演説した。金正恩（キム・ジョンウン）委員長が米朝や南北の首脳会談で「完全な非核化」を表明したことを踏まえ、朝鮮半島の平和に貢献していると主張。一方で国連安全保障理事会の制裁は「変わらず残ったままだ」として緩和を要求した。南北関係は改善したとする半面、「米国は非核化が第一だと強調して朝鮮戦争の終戦宣言にも反対している」と譲歩を迫った。
譲歩を迫ったって、譲歩なのか？
■ 強盗に敗北する必要はない
でもって、敗北もしてないのに敗北したソ連という国がありまして、というのもあらためて思い出しておきたいですよ、これは。
プーチンが思い出し怒りしながら言明したことの意味は、ありますな～って感じですね、ほんと。
ロシアの最大の誤りは、アメリカを信じすぎたことだ、と。
Putin Slams US: "The Biggest Mistake Russia Ever Made Was To Trust You"
習：新時代だよ、プーチン：米を信じすぎたことが最大の誤り
ゴルバチョフは互いに核戦争の時代に至らぬよう努力するのだ、と思って大誤解をして、アメリカにソ連を解体させられて、バラバラにされて、いまだかつてウクライナとロシアが分かれていたことなど1000年このかたない、というより現在ウクライナと呼ばれている地域こそ民族ロシアのキャラクター作りに欠かせない土地だっただろうに、今ではまるで最初から2つの別の民族だったかのような嘘八百まで作り上げられる始末。
すごいですよ、ほんと。この西側というところのヤバさ、汚さは。
赤ん坊と見ると抱っこするフリして首に手をかけて、ニコニコしながら指に力を入れて殺していく狂人みたいなもの。
パキスタンとインドも分割させられたわけだし、チャイナだって満州族は別の民族だとか、回教徒はチャイナを嫌ってるとかとかいろんなことをしながら（日本が代理で）分割しようとしていた。
こうやって赤子殺しの西側にこれ以上悪さをされないためには、とにかく、彼ら（私らですが）を一義的に信じるなどということをしてはならない。
そうではなくて、相手が約束をたがえても回復可能になれるよう考えて事を進めるというのが基本でしょう。
ある意味、MAD体制というのもこれだったのかも。だからまた強制MADになったと言えるのかもしれない。
プーチンの2018年一般教書演説：強制MAD
くどいようですが、西側というのは総体として、赤子殺し、あるいは連続強姦魔みたいなもの。懲りないし、治るということはない。治るとすれば、それこそレジーム・チェンジしかないでしょう。
西側諸国の1つ1つが、赤子殺しのディープステートのくびきを逃れて、国民を主体とした国家へとレジーム・チェンジできるか否かこそ本当は問題でしょう。（国民国家が総体として、このような悪質さを継続できるということは多分ない、との前提ですが）
■ トランプはちょっと…
で、少なからぬアメリカ人がトランプに期待したのはそこらへんではあるんだと思うんです。今までとは違う、とディープステートに決別しているかのような話。
しかし、率直にいってそこまでのことは出来てないし、出来ないでしょう。そもそも、異常なまでの金持ち優遇政策を取って、その流れとしてユーラシアの結束を乱そう、破壊しようとしているのが現在のトランプなので、まぁ実はこれまでと大枠では大した違いはない。アプローチとか利害当事者が異なるだけ、みたいな。
だからこそ、妙に右派がプロパガンダを飛ばして、トランプを持ち上げてるんだと思う。もし本当ならこんなことは必要がないからね。
一方、目先だけでも変わらないとしたら、それは英米にとって危機があるということだから、ユーラシア統合派はこれを利用して地保を固めるのが吉、となる、と。
（英米＋αは、自分が勝ってたら交渉はしません）
■ 李外相といえば
李外相といえば、このブログ的には去年ロシアを訪問した際の、強気の発言が思い出される。いや実際、大したもんですよ、この人およびこの政府。
リ外相は、
・核兵器開発によってアメリカとバランスできた、この状態に満足している、
・こういう強い隣国がいることはロシアの利益に合致するものと信じる
と言っていた。
My country today is attaining a victory and acting as a worthy counterbalance to the United States, which refers to itself as the “only superpower.” I believe that having such a strong neighbor by its side quite agrees with Russia’s interests.
http://tass.com/world/970085
韓国特使団訪朝、ロシア＆韓国は協力関係続行
何度も書いてるけど、北朝鮮が大崩れだったら中国も困った時あったと思うし、ロシアもそう。中国、ロシア、北朝鮮が今日この歴史をあらためて理解し、将来の発展につなげようとしている、というのが北東アジア情勢の足元の現実。
■ オマケ
自分でリンクして自分で読み直して思うのは、
というのがとても重要だと思うな、現状認識として。
で、手短に言うなら、ブッシュがABM条約を一方的に破棄して、ネオコンの妄想に従って、核戦争は勝てると言い出した（措定した）、しかしロシアは死ななかった（したがって中国、イランも内陸側からの力添えがある）、そこで
今後の展開として、アメリカも新型を開発して軍拡になるのかといえば、まぁなることはなるんだろうけど、根本的に、相手（ロシア）のミサイルのラインナップを見れば、完全に相手の報復能力を無化することは不可能なんだから、行き着くところバランスさせる以外にありえない。つまり、核戦争を勝てると想定したネオコンの妄想は最初から無理でしたが、もっと無理になりましたという話。
別の言い方をすれば、子ブッシュ以降、この妄想に付き合わされ殺された各国民はまったくの犠牲者だということ。
しかし、西側各国の「リーダー」層は勝てる気でここまで来ちゃった。だもんで政治的に引き返せない。どうするんですか、というお話。
別の言い方をするなら、紛争解決手段として戦争を選ぶチームになってしまった西側は、壁につきあたっているのだが引き返す気になっていない、とも言える。
そして、おおよそ911以来20年ぐらい洗脳して、異論を認めない体制を作っているわけだから各国民もかなりイカレてるため、方針を変えられない、引き返せない可能性は残る。どーなるんだー、と。
そうそう、これはそういう法則だと思って対処すればいいだけの話。
で、赤子殺しとは結局資本第一優先主義を放置したらこうなるというだけのお話でしょう。
これは歴史的にみればとても特異なシステムだというのに多くの人が気づかないとレジームチェンジもできない。中央銀行制度のおかしさまで来たのは、一歩前進ですね。