スペインの選挙がなかなか面白いことになっていた。
スペイン与党過半数失う 総選挙、連立協議難航の可能性
http://www.asahi.com/articles/ASHDP12Y8HDNUHBI00Z.html
与党国民党が大きく後退し、左派新党「ポデモス」が躍進した。
あわせて従来左派というのか社会党も議席を減らした。
で、両方が減った分が、ポデモスともう少し真ん中よりのシウダダノスとかいう党が取った形らしい。
RTに載っていた下図がわかりやすい。表組部分は無視して、半円グラフに注目。
左が今回、右が2011年。青が与党国民党、減ってますね。赤が社会党、こっちも微妙に減ってる。
で、2015年の右側にカラフルなことになっているかなりの部分が広義ポデモスらしい。※補足。オレンジがシウダダノスという中道の党。
どういうことかというと、急場の連合みたいな形で、本体ポデモスの他に、各地方ごとに別の名前で選挙を戦って合流っていう感じみたいだ。
つまり、選挙共闘で勝ったってことなんでしょう。こうだと、各地で政党名とかなんらかのユニットをそのままに、この候補者は2大政党にはいきません、ポデモスですと宣言して戦えばいいだけ、ってことで行けるから各地で組織解体する手間もいらないし、ダメな時の保険にもなるから乗りやすいってことじゃなかろうか。(スペイン事情詳しくないから読んで考えた限りにおいて、ですが)
そういうわけで、でも、結果として、スペインは二大政党制なる呪縛からさよならしました、ってことかも。
→しかし! ■ 続報へ
で、与党に対する批判は、まぁだって若年者失業率がエライことになって数年以上たってるわけだから小さいわけもなく、つい先ごろは、党首、つまりスペインの首相が10代のにーちゃんにマジで顔面にパンチを喰らうという事件があった。マジでパンチが入っている。
RAW: Spanish PM Rajoy punched in the face by teen
で、このニュースの動画だか記事だか何を見たか忘れたけど、それについていたコメントで、
ああこれって、ヨーロッパの正しい不満の表し方だよなぁ、You ruined my country! (お前は俺の国を滅茶苦茶にした)ってやつ。
ってのがあって、ああ、確かになぁと思った。ヨーロッパって王様の権利を人々が後退させていった歴史の上に成り立っているので、またまた上流っつか支配者層が画策してるとなるとそれに抗するモチベーションの発生は基本的に是認というか、あり得る。で、これを支えているのは、ここは俺たちの国だという発想。this is my countryと一人ひとりが言えることが、思えば民主主義の基礎でしょう。
そこから考えた時日本って、多分、違うんだと思うんだよね。お前の国じゃねーとか一般人同士で揶揄しあったり茶化したりしそうだし。
で、なんでour countryじゃなくてmy countryかといえば、一人ひとりが決意している支えているっていう理解がアプリオリに存在するからなんじゃないですかね。いわゆる社会契約説的な方向。
それをもっとほじくれば、私たちは誰もが、一人ひとりが神の一人子(ひとりご、と読む)という理解があるからでしょう。そこから、一人一人違う私たちが縁あって相集ってこのユニティーを作っていますという説になってる、と。初めに私ありき、と言ってもいい。
と書くと、日本人には無理ですね、みたいに考えたくなる誘惑にかられるんだけど、ふと思えば室町時代後半から戦国時代の人たちってこんな感じじゃないの?とかも思う。
さてしかし、スペインといい、アメリカのバーニー・サンダースといい、イギリスのコービンといい、ますます1930年代を彷彿とさせるノリになってきた。
ウクライナにナチ残党を持ってきたってのは、わざとなのか偶然なのか、何か冗談のようだ。
■ 続報
2大政党以外が勝ったってことかと単純に思っていたら、しかし、連立の組み方によってはドイツ式もあり得る成り行きらしい。つまり、与党国民党と社会党が組んじゃう! そうすると大連立ができる、と。
もしそれが可能な状況であるとしたら、新党はそれを見越した日本の維新みたいな党だってことなのかも。与党の評判が悪いので別働隊として目くらまし的に新鮮そうなことを言って党を作って、コントロールするってやり方。で、コントロールできそうにない、邪魔だと思ったら潰す、と(例、次世代の党)。
いやしかし、もしここで大連立が起こったら、それってもうファシズム大流行りですかってことになるのか?
自由貿易は、民主主義を滅ぼす | |
石崎晴己 | |
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いやしかし、日本ってなんで引かなくていいところで貧乏くじをひくんでしょう。って、まぁそれが日本の支配者層の判断なんだと思いますけど。