DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

バルバロッサ作戦v.2:トーンダウンしてる東方拡大

2015-05-26 10:16:48 | 欧州情勢複雑怪奇

EUの東方拡大とは結局ヒトラーの当方植民政策の現代版じゃないかという話が噂される今日この頃、欧州ではリガでEU各国と旧ソ連圏6か国のサミットが行われた。

現代の東方植民政策はどうやって行われているかというと、東方パートナーシップという名前で、EU各国が旧ソ連圏だった国々を次々にEUに入れるべく「支援」をする。

そして、メディアが嘘ばっかり書いてるけど、EUだけならいいじゃないか、と思った拍子に、「いえこのご契約にはNATOもついてます」と来るという、なんてか騙し手法が取られている(そしてそれがだんだん知れてきた)。

現在のターゲットは、

  • アゼルバイジャン、ベラルーシ、アルメニア
  • ウクライナ、グルジア、モルドバ


どうしてここを2つのグループに分けたかといえば、上のグループのベラルーシ、アルメニアは既にロシア、カザフスタン主導のユーラシア連合に入ってしまったから。

さらにもう一つの言い方をするなら、上の組は最初からロシアにもEUにも接近みたいな感じで推移して、結果的には独立的な立場を強めたなぁって感じで、経済もそれにつれ適当に安定してる。

それに対して下の組は、各国民の態度は真っ二つなのに、支配層がEU一本槍で知られる。結果的には、みんななんか不安定。ウクライナなんかソ連解体時にはロシアより平均所得が良かったし、条件的には非常に恵まれていたのに、今ではもうね、なんだかボロボロで気の毒。

さて、その東方パートナーシップを今後どうするのかが誰しも気になるところだけど、欧米メディアがあんまり詳しく報じていない様子。

そんな中ドイツの国営DWが書いていた記事が興味深い。

メルケル首相は、「東方パートナーシップはEU拡大の道具ではありません」と言ったらしい。

また、フランスのオランド大統領は、「連合協定はいかなる意味でもEUの加盟を規定の結論とするものではありません」とも言ったらしい。

"The Eastern Partnership is not an instrument to enlarge the EU," Chancellor Merkel said on Thursday.

"Association agreements don not in any way make membership a foregone conclusion," said President Hollande, referring to trade deals signed with Ukraine, Georgia and Moldova last year.
http://www.dw.de/eu-eastern-partners-in-delicate-balancing-act-over-russia/a-18471443

ここまではわかる。NATOに入れるか入れないかの話とまったく同じ経緯だから。

おおっと思ったのは、ポーランドのドナルド・ツゥスク首相が、「彼らには自分たちの夢を持つ権利がある、しかし、それは予想可能な将来においてEUのメンバーになることじゃなくて」とか言ってるそうだ。
http://rt.com/news/261029-eu-membership-ukraine-problems/

おお、ではあるけど、ポーランドの中でツゥスク首相はまぁそんな感じだろうなとも思う。この人はポーランドの苦労人グループで、ポーランドの見果てぬ夢グループではないんだろうってのが私の評価。

■ ポーランド大統領選挙

そうそう、ポーランドの大統領選挙が行われていて、現職コモロフスキ大統領圧倒的優位みたいに言われていたのに、最初のラウンドで誰も過半数を取れなくて決戦投票となり、現職が敗れるという波乱があった。

ポーランド大統領選 野党候補が勝利宣言
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150525/k10010090571000.html

ポーランドは政治の実権は首相が握りますが、大統領も法案の拒否権など一定の権限を持ち、ドゥダ氏が単一通貨ユーロの導入に否定的なことなどから、ポーランドがこれまで進めてきたEUとの関係強化に消極的になる可能性も指摘されています。

これはどうなんでしょうね。ポーランドが内部で混乱しているのは、まぁ当然だけどよくわかる。

で、コモロフスキ大統領とツゥスク首相の路線というのは面子としては悪い路線でもないように私なんかは思ってみてた。

何が問題だったかというと、やっぱりバンデラ主義者の問題じゃないでしょうか。NHKはそう書いてないけど。

ロシアをいじめてるあたりは面白がってた人たちも、ウクライナのキエフ政権が開けてびっくり玉手箱の単なるクレージー政権で、その上大半のポーランド人には許せない具合にクレージーだったってところが大問題なんだと思う。

キエフ政権はステパーン・バンデーラを民族主義者として神格化してる人たちばっかりで、ついにはなんだったかバンデラの名誉を回復させる法的措置みたいなのも取ってた。もうね、キエフ政権のやってることをいちいち追いかける気になれない。

で、一方バンデラ主義者はポーランドの敵で、この件に関してはポーランドとロシアは同じ見解でこれまでのところゆるぎない。

さらにいえば、大方のユダヤ人にとってもバンデラは敵だと思う。イスラエル動向も見ものだ。

てか、ポーランドとユダヤ社会は似てるってか同じ。上位層が下の庶民とまったく違うことをして、その隠れ蓑に下を使う。

それはともかく、じゃあ新しい政権がEUおよびロシアとどうやっていくのかというと、捻じれしかみえねーって感じ。

伝えられているところでは新大統領ドゥダ氏はEU懐疑派。そして反ロシアのトーンは強い。

つまるところ東西どっちも嫌い派とも言える(笑)。

歴史が繰り返されるなら、また来るのか独ソ不可侵条約なんだけど、今回はどうなるものやら。

 


日本人はなぜ戦争へと向かったのか “外交敗戦”孤立への道 [DVD]
ドキュメンタリー
NHKエンタープライズ

 

日本人はなぜ戦争へと向かったのか DVD-BOX
ドキュメンタリー
NHKエンタープライズ

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界強国への道は行き逢ったのか | トップ | キャメロン英首相、プーチン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事