日本じゃ鳩山が狂ってるとの騒ぎがなにやらかまびすしいけど、世の中非常に大きく動いている最中と見えるので、一致団結して日本国民はすべからく赤ペンは青とみなす、と言わんでもいいというのが私の意見。あはは。
で、昨日下の方についているこのブログの人気記事みたいな欄に去年3月に書いた「アメリカがソ連に見えた日」があがっていた。読んでくださった方ありがとうございます。そうです、ここが重要な分岐点だったんです。つまりここでオバマ政権は嘘をつく選択をして、ある日突然プーチンがクリミアを取った、という話を作ったわけです。それ以前には、キエフで発生した政変、クーデーターの方がずっと大きな話題で、歴史的な日だ、革命だと英米メディアは大喜びしていたぐらい。クーデターとは一国を簒奪する話ですからここが焦点となるのは当然なのに、そこをぶっちぎって今日があるわけです。
それはともかく、世の中流動的になってるなぁというメモを3つほど。
■ イギリス、アジアインフラ投資銀参加表明
中国主導のアジアインフラ投資銀、英国が参加表明 G7で初
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0WF02P20150313
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国が、中国の主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーへの参加を検討していることが分かった。オズボーン財務相が12日明らかにした。主要7カ国(G7)の中で初めての参加表明となる。
オズボーン財務相は声明で「AIIBに創設時から加わることで、わが国およびアジア地域の投資と成長のため、無類の機会を創出することができるだろう」と述べた。同国は今月、ガバナンスなどの指針について他の創設メンバーと合意する予定だという。
AIIBは昨年10月に基本合意が成立したもの。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)、基本合意成立
一応、アメリカはそんなん知ってなかったと英国を批判している、と言う話だけど、そんなわけないだろうと私は思う。
ウィリアム王子が訪日した時、あくまで政治的でないというポジショニングを取って、それに対してその後中国に行ったら、まっさきに習主席とのツーショットが含まれた記事が出ていた。それを見ても、まぁ何かやってんでしょ、みたいな感じだった。
で、イギリスはだいたい従来とは異なる動きの場合にリードをする国なので、オーストラリアあたりがこれに続いて、本来ならカナダもだけどカナダは現在ウクライナ・ネオナチ運動でてんやわんやなので放置するとして、次にフランス、ドイツあたりが構えてそうな気がする。
そうなると、これは新秩序への「脱皮」みたいな感じになるんじゃなかろうか。AIIBの創設メンバーへの参加締め切りは3月末らしいのでまだなんかあるね。
■ IMF、ついにウクライナに大金を貸す
一方、懸案になっていたウクライナへの大金の貸し込みをIMFは承認。よかったね、というべきか、IMFはもう自分の組織を捨てる気なのかな、とかいろいろ思う。だって誰が考えても順調に返済される見込みのないお金を175億ドル、つまり2兆円近くを貸すんだよ? しかも相手はオリガルヒとネオナチのミックスをアメリカ人が操るキエフ政権。
ウクライナを切り売りしていくという算段なんでしょうかね。貸し込んで借金漬けにして資産を崩して、いずこからか現れた「投資家」がボロ値で買い落す、っていう話が見え隠れする。
IMFは最初っから「法外にリスクが高い」と自分で言っているのがなんとも。
IMF says ‘exceptionally high risks’ to $17.5bn Ukraine rescue
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/d04954d8-c8d2-11e4-bc64-00144feab7de.html#axzz3UGMHDslB
これも既存秩序への打撃とみればそう見える。
■ SWIFTのボードメンバーになるらしいロシア
日本ではあまり報じられていなかったように思うけど、英米を中心にSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアを外せ!という声があった。つまり、ロシア経済切り崩しのファイナル兵器みたいな感じで投げつけていた。
しかし、そんなことを言うならとロシアは国内向けの決済機構を整備し、そうかと思えばチャイナは自前の支払システムCIPSを構築すると発表していた。その上、気が付けば、なんと、そのロシアがSWIFTのボードメンバーになる! という噂?が流れている。
流れてる、ってか笑われてる。
The West's Plan To Drop Russia From SWIFT Hilariously Backfires
http://www.zerohedge.com/news/2015-03-12/wests-plan-drop-russia-swift-hilariously-backfires
ゼロヘッジに出ていたこの記事によれば、SWIFTという機構の理事会には25人の理事がいて、
米国、ベルギー、フランス、ドイツ、イギリス、スイスが2席ずつ割り当てられている。これで12席。
その他は1つずついろんな国に割り当てられ、多くの国には割り当てはない。
Russia gets seat on SWIFT board
Published time: March 11, 2015 12:33
http://rt.com/business/239581-swift-russia-board-traffic/
理事会は4月にあるらしいのでそれまでどうなるのかわからないけど、実際問題ロシアを外して困るのはロシアでもあるだろうけど取引している欧州各国も同様に面倒な話になるわけだから、政治家が騒ごうと現実にはこの機構はロシアを外す意図はないものとみなされていた。でもその上理事まで出す?というのは初耳。
こっちは併存、棲み分け、使い分けの方向か。
いずれにしても、なんてーか、やっぱり「過激派」が思った通りにはなっていないと思うし、この危機をきっかけとして世界中で再編が起きていると考えてもいいわけですね。
もともと西側世界の金融支配の仕組みって、かなり八百長くさいわけで、そういう世界は常に恐怖支配なので、一気に別の仕組みに移ろうとすると何をされるかわからない。だから二股をかける形にしつつ移行するという形になるのではなかろうか。
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