なにかこう、とても奇妙だ。
「北朝鮮ミサイル発射の模様」という速報は誤り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180116/k10011291261000.html
1月16日 19時05分
さきほど午後6時55分ごろNHKのニュースサイトやNHKのニュース・防災アプリで「北朝鮮ミサイル発射の模様」という速報が出ましたがこれは誤って出したものでした。Jアラートは出ていません。大変失礼いたしました。
だそうだ。
海外でも報道されてる。これはCNN。
Japanese broadcaster apologizes after false North Korea missile alert
http://edition.cnn.com/2018/01/16/asia/japan-false-missile-alarm-intl/index.html
こっちはRT
Japan public broadcaster falsely reports N. Korean missile launch
https://www.rt.com/news/416067-nuclear-false-alarm-japan/
これって、ただの誤りではすまない問題。
もちろん、NHKは軍と直結していないから(多分)、直接応戦に結びつくことはないんですが、この偽のアラートに引きずられて、各地が臨戦態勢みたいになってしまったら、それ自体が相手にとっては臨戦態勢を呼び起こす引き金になる。
冷戦時代にもこういうことがあって、しかしその時のソ連、中国の担当者が冷静で、これはおかしいと判断して応戦せず、したがって私たちは核戦争を体験しないで済んだ。
第一次世界大戦の独ソもそうでしたね。ソ連が動員をかけたらドイツは自動的に動員かけないと、万一本気の戦争になったら間に合わない。だから対応しちゃう。
こういうことを防ぐためには、軍事同士にホットラインがあることがまず重要。偽のアラートでどちらかの国民がわーわー言っても、それを適正な部署が直ちに訂正できるようになっていれば問題は起きないから。
しかし、北朝鮮と極東方面の米軍にはそれがないわけでしょ。そんな危険な世の中に住んでいるんですよね、私たちは。そこで、毎日毎日、対話はノー、対話はノー、圧力、圧力とやっていれば、誤りをきっかけに応戦しちゃう際のハードルが下がる。
というわけで、いろいろ考えると恐ろしい世の中にいるとしか言いようがない。
であれば、これをきっかけに状況を考えるというのが適切なあり方だと思うけど、どうもこう嫌韓、嫌中、嫌北朝鮮のある種のブームが20年ぐらい続いた結果、多くの人の認識が、覚えず、北を攻撃、中国包囲網に進んでしまっているため、正常かつ冷静な議論を呼びかける人がいたとして、その人はまず間違いなく詰られる。となると、誤った方向だとみんなが知っていても誤った方向に行かないとならなくなる。ああ、いつか来た道って感じ。困ったもんですね、これは。
壊れた窓理論ですが、一ヶ所壊れると全部壊れるのが近い訳です。特に人が死ぬような欠陥は。