ベルギー、アレッポ空爆を断固否定＆その余波

地震は怖いよ、ほんと。とはいえ、日本列島は地震列島なのでなんというか、折り合えないものと折り合って生きていくしかない。

と、人為的に起こしたものなら止められるはずなんだけど、止める気がないNATO/USってのは今後一体どうするつもりなんでしょうね。

シリア情勢は、問題の東アレッポは24時間＋の休戦というより一時休みみたいなことをして、その間に出たい人を外に逃していたようだった。武装した人もいたようだった。が、アルカイダ系は残ってる模様。

でもまぁ、事実上、あるいは客観的にみればここは武装集団とそのスポンサーチームが今のフェーズでは負けたということなんだよね。

でも、それでシリア情勢を収拾する気はないらしい。それら外国人の武装集団に武器、金を支援しているその戦争のスポンサーそのものを非難しようという機運が、西側にはまるでない。

これは、なんてか、言いにくことだが西側の没落傾向を決定付けたと思う。

西側というかアングロ－シオニスト－アメリカ覇権ともいうべきこのレジームは、メディアと武力で成立していたと思うので、このメディアの部分が根底から多くの人に不信感を持たれたら、もう騙せず、結果として武力が丸裸になる。まぁ、ぶっちゃけ何のために世界中に800カ所だから1000か所だからの基地を置いているんだという話ですよね。占領してるに決まってる。

■ ベルギーのシリア空爆

さてそこで、昨日、今日の奇妙なネタ。

ベルギーが、シリアの村を空爆して民間人を負傷させた。で、ロシアが抗議をして、ベルギーが否定してという往復があって、その間ロシア国防省は、証拠らしきものをベルギー政府に出したらしい。が、

ベルギー、アレッポ空爆を断固否定
https://jp.sputniknews.com/politics/201610212928349/

という状況。

これは一体何をやっているんだろう、って感じではあるわけです。というのは、実際NATOの民間人爆撃なんて別に珍しい話じゃないし、ただ、なぜベルギーなんだろうというのはちょっとひっかかったけど、それにしても、ロシアが奇妙に拘ってこの件をむしろ問題にしている。

アレックスが同じことを疑問に思っていた。Alexander Mercourisという人で、前にウクライナ謎の30億ドル債権の時に何度かここでも取り上げたことがある。ロンドンの弁護士さん。

アレックスの読みは、ロシアは、自分たちがS-300、400を配備していることからシリア上空について非常に良く見えている、というのをNATO諸国に示唆しているんだろうというもの。ベルギーはそのターゲットにされたんだろう、と。

さらに、ロシア軍の広報担当のKonashenkov少将は、

私はここで強調したいのは、有志連合が民間人ターゲットに空爆を実施し、後に否定するというのはこれが初めてではありません。

有志連合の航空機は、結婚式、葬式、病院、警察署、人道支援の車列、さらにはISテロリストと戦うシリア軍の兵士をも空爆したのです。

“I’d like to stress that this was not the first time when the international coalition conducted airstrikes against civilian targets and later denied responsibility for them,” he said. “Coalition warplanes have hit weddings, funerals, hospitals, police stations, humanitarian convoys and even Syrian troops fighting Islamic State [IS, formerly ISIS/ISIL] terrorists.”

と、きっちり言っていることも、見えてるんだぞ、ということのひとつのエピソードだろう、と。

まぁどんなに証拠があがろうと、西側のマスコミはどこだかわからないセンターを中心に抑えられる機能になっているように見えるので、メインストリームの声にはならないでしょう。

しかし、それは永遠に続くのか。

ということで、一つ一つ、NATOの犯罪立証をしていきつつ、同時に、アメリカのヒラリーというネオコン・軍産・バンキングカルテルの代表者（誰が民主党の候補だと信じられるの？）が、今でも、シリアに飛行禁止区域をと叫んでいることに、一応牽制しているだろうと思う。

 

■ もっと出すんでしょう

とか書いていたら、今度は、有志連合がイラク、キルクークから30キロの山中で何十人かの民間人を空爆した、というニュースが来た。

US-led coalition strike killed dozens of civilian mourners 30km from Kirkuk – Russian MoD
Published time: 22 Oct, 2016 15:31
Edited time: 22 Oct, 2016 15:36
https://www.rt.com/news/363762-daquq-coalition-killed-civilians/

 

このへんも珍しい事ではないんだよね。米主導の有志連合にとって中東の人の命なんか、紙くずにも等しいという態度ですから。

そうじゃないというのなら、リビアとイラクを元に戻せよって話ですよ、ほんと。

■ アメリカ覇権のウルトラCを試すロシア

と、こうやって国防省が結構なデータを出していっても、そんなのはロシアが出してるのだ～、で、なぜだかこれで否定してもいいと読む。

これって、昨日今日始まったことではなくて、思えばこれが冷戦という時代の多くの人にとっての正規の対応だったんだよね。なんであれソ連のいうことは嘘だと思わせる、というより、考えさせずに反応させることに成功していた。

それがだいぶほころんだんだけど、今、西側の主流メディアが一生懸命リバイバルさせたがっている。どのぐらい持つもんだか、このへんをロシアが結果的に試しているって感じもする。

で、仮に、あと1年こんなことを続けていわゆる西側諸国が概ね冷戦メンタリティーに戻ったとしよう。しかし、その間、その他世界はむしろ、別のピクチャーを見ている。

どうなるんでしょうね、この矛盾は。

私としては、嘘をつけばつくだけ、ばれた時の衝撃が大きくなるだけではないのだろうか、と思うんだが。

どこまで嘘をつけるものなのか。

まぁ、メルケルとかメイが、ロシアのアグレッション（攻撃）を止めねば、とかいう愚かなことを真顔で言っているのを聞くにつけ、まだやる気なんだろうなとは思う。

 

■ さらに、もっとあるはず

でね、私が思うに、NATOが絡んだ犯罪的行為ってもっとあると思うわけです。もっとメジャーなのが。

で、どういう経路かはともかく、それが暴露され、それをキレイに無視して終わらせられなくなった時、西側各国の国民って、どんな感じでそれを受け止めるんだろう？

そして、主流メディアが無視しても、無視しきれなくなるとしたら、その結果は何をもたらすんだろう。つか、これがいわゆる覇権の終わりなんだろうと思うのね。モラル的に誰もオーソリティーの言うことを聞かないってことだから。

 

アメリカというかNATOは、ウクライナからこっちは殆ど自爆していると思う。これさえなければ、なんとか妥協的に組織内で解決できたんじゃないのかと思ってみたりもする。

そう考えると、ミアシャイマー氏というアメリカのリアリスト系が、過去2年間ぐらいヨーロッパがらみの講演で2008年までヨーロッパには安全保障上なんの問題もなかった、そこに戻れと言っていた意味も意味深だと思う。

つまり、NATOを壊さないためには、自爆しないことが肝要だという話。負けた軍は解体されるしかないから。汚れすぎてどうにもならない軍、というのもモラル的に負けたも同然なのでここに入りますよ。

そして、ウクライナからこっちの悪事を悪用して便益を得ようとした人々がメディアを利用して、嘘に嘘を重ね、屋上屋に嘘を嘘をつき、さらにそれを大音量で言うという戯けた状態になっているため、現状は、もし、何かあれば、メディアと軍という、アングロ－シオニスト－アメリカ覇権にとっての二枚看板が一度に崩れる、という形になってる、とも言える。

誰がそこまでバーを上げろと言ったんだよ、という感じ。

 

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