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トルコに肩入れする日本のメディア

2015-11-30 13:53:06 | アジア情勢複雑怪奇

日本のメディアは、予想通りではあるけどトルコに肩入れしてるなぁと、面白く見ている。

面白く見ているけど、日本のメディアがどうかばおうとトルコは苦境に陥っている。

この問題に対する日本のメディアのトーンは、ロシアが孤立してる~ですからね。立場守ってくださいよ(笑)。

このへんでクリップしておいた通り。

シリア雑報 Nov25

プーチン露大統領の逆鱗に触れる 実現遠のくロシアの孤立脱却 トルコ利害軽視のツケ
http://www.sankei.com/world/news/151125/wor1511250065-n1.html

 

しかし、現実は最初の日からトルコへの疑義があふれていたのが欧米メディアと私は断言したいですね。つまりね、見出しは確かにロシアを責めてみたりはするわけ。でも行間を読むとトルコの行動を庇えてないし、そもそも最初っから、トルコおかしい論もしっかり出てた。

それはともかく、昨日は著名なクルド人弁護士が銃で撃たれて死亡してトルコ国内はざわざわになっている模様。

トルコ クルド人弁護士殺害で治安対策批判デモ
11月29日 8時02分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151129/k10010323161000.html

また、ことし6月に行われた総選挙ではクルド系の政党が躍進し、与党を初めての過半数割れに追い込みましたが、今月1日に行われたやり直しの総選挙では、与党が票を取り戻して圧勝し、結果に不満を持つクルド人と治安部隊の衝突も起きていました。
さらに隣国シリアでは、地上で過激派組織IS=イスラミックステートと戦うクルド人勢力の部隊を、アメリカ主導の有志連合が空爆で支援していますが、有志連合のメンバーでもあるトルコは、クルド人が勢力を伸ばすことを警戒するなど、トルコの対クルド人政策が、有志連合の足並みの乱れにつながっています。

NHKがさりげなく、問題の焦点を隠していて興味深いと思ったのでクリップ。

■ 基本の構造おさらい


クルドはISと戦っている
アメリカは概ねクルドを支援している
  これによってアメリカは地上軍を出さず概ねISと戦っているポジションを取ってる

シリア政府軍+ロシア軍+イラン軍+ヒズボラはISと戦っている

ここで、

トルコはクルドと戦っている

が入るわけですね。

つまり、トルコは最初っから最後までISとは戦ってない


それならそれで、トルコは俺らはISでもアルヌスラでもみんな仲間だと言えばいい。

しかしそうは言わずに、世界に向けては、ISはテロリストだ、けしからん、と言いつつ、あたかも自分が中心になってテロとの戦いを推進している「かのような」態度を取っていた。

しかし、そんなのは嘘やねんというのは現場にいる人たちはみんな知っていた。

アメリカは見て見ぬふりをしていたが、ロシア軍が本気出してISの施設を叩いたら急速にトルコが反発しだした。

つまり、トルコは二枚舌というか、2つのポジションの使い分けができなくなった。

今ここ、という感じですね。

だもんで、このへんのからくりを知った(あるいは今頃気付いた)欧米人が、知った順番に、トルコうさんくせーーーーーになってきている、と。


■ 別に裏の話じゃない

でもって、トルコがISを支援し、かつ、トルコ政府というよりエルドラン大統領一家がISが勝手にイラク、トルコから盗み出した石油をトルコに運んで大儲けをしていたという話は、別に裏街道というかオールタナティブメディアとロシア報道の専売じゃない。

昨日RTを見ていたら、イギリス議会の模様がニュースで放映されていて、そこでは、イギリスの労働党のじーちゃん議員が、トルコは不正に石油買ってるというじゃないか、どうなんだよ、と政府に迫り、イギリス外相のハモンドが、ロシアびいきな奴だなお前はというあてこすりを一発かましたものの、トルコとISの関係を否定はしなかった。トルコはNATOにとって大事な同盟です、で話しを切った。

あとどこだったか、確かイタリアの議員の映像もあったと思うから、あっちこっちの議会でそれなりに話題になっているのじゃなかろうか。

さらに、youtubeにあがっていたのでは、元NATOのリーダーというかアメリカの欧州派遣軍リーダーというのだっけか、ウェズリー・クラーク将軍が、いやだから、トルコはシリア、イラン、ヒズボラというシーア派の連合ができるのが嫌だからISを支援していくわけで、みたいな、正しい読みなんだけど、現在の政治的にそれバラすってどうなのそれ、みたいなことをあっさり話し出しているのを見た。

これに対して、困惑するキャスターが、じゃあ、ロシアが言ってることが正しいみたいじゃないの、それは、みたいに切り返し、将軍はいやまぁそういう部分もあるわけで、だからね、あそこにはgood guysは誰もいなくて、みんな悪い奴なんだ、みたいな訳のわからない締め方をしていた。

そういうわけで、なんてか、ISとトルコの関係はもはや全くの公然たる事実扱いといっていいと思う。

そもそも、エルドアンと密売石油の関係は、確かアメリカのバイデン副大統領が去年あたりどこかの会合で話したことがバレて、バイデンは謝ったんじゃなかったか? どこかで見つけたらここにリンクしよう ^^;


■ EUの立場

さてそこで、こうなると、アメリカ人は結構どうでもいいんだけど(俺らの中東政策が失敗したっちゅーことで、みたいな)、欧州がざわついている。

難民経由のトルコに約3900億円拠出 EUが財政支援
http://www.asahi.com/articles/ASHCZ26D1HCZUHBI002.html

 

もしISの主たる支援国がトルコなら、トルコは、自分で火をつけて自分で儲けるってか、になってるわけですね。

だから、欧州民は次第に、えええ?? となってきているところ。EU、お前は何ものなんだという疑問に繋がりつつある、って感じ。

当然これは、メルケル批判にも結び付く。

しかし、欧州には問題解決能力のある政治家が見回す限り誰もいないので、どうするんでしょうね。

 





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2 コメント

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『トルコとイスラム国の闇石油』 (ローレライ)
2015-11-30 16:17:58
『トルコとイスラム国の闇石油』は『報道タブー』な日本はイスラム国との関係を疑われても仕方ない!
返信する
イスラエルの興味深い動向 (ブログ主)
2015-11-30 17:56:51
今日イスラエルがとても興味深いことをしてました。

イスラエル:ロシア軍機が偶発的にゴラン高原領空に侵入した
http://jp.sputniknews.com/politics/20151129/1247333.html#ixzz3sx1WtJai

トルコがやったみたいにいきなり撃つなんてしませんよ、ロシア機はイスラエルを攻撃する意図はないので通常通りの手続きで退去してもらいました、とイスラエルが発表。

しかしいつどこで侵犯騒ぎが起こったのか不明、とロシアメディアが書いている。

これはロシアが言わせたというより、イスラエルが自ら発したメッセージではなかろうか? 俺らじゃない、という(笑)。
返信する

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