欧州議会は昨日だったかに、ベネズエラのマドゥロ政権を拒否して、グアイドを支持するよう決議して、各国に従えとお達しを出していたが、さっそくイタリアが反発していた。
Italy Not Recognizing Guaido as Venezuelan Interim President - Deputy FM
イタリアの副首相がテレビで語った発言。
イタリアはグアイドを認めません。なぜなら私たちは第三国や第三国のグループが他の国の内政方針を決定するということに絶対反対だからです。これは、内政不干渉の原則といい、国連で認められています。
"Italy does not recognize Guaido because we absolutely oppose the fact that a country or a group of third countries can determine internal policies of another country. This is called the principle of non-interference and has been recognized by the United Nations," Di Stefano, told the Tv2000 broadcaster on Thursday.
目の覚めるような正論が来ましたね。EUの馬鹿野郎官僚、聞いとけよ、ほんと。
EUはドイツ第四帝国のつもりだから、属州に発言権など認めないとマジで思ってると思う。各国は主権の一部を放棄すべきなのだとかメルケルが抜かしてたことと軌道はあってる。お前に従ういわれはないと思ってる各国民、がんばりましょう。
といって、私は完全にEUを解体する必要まではないんじゃないかとは思うわけね。もっとゆるやかな組合的なものにすればいいだけで、関税統合、通貨統合から政治統合というのが無理筋だったという話。これはだって、ドイツが19世紀にはじめてドイツを統一していった手順そのものでしょう。内国化するための手段を知ってるからやってる。
■ クーデターはダメ by トルコ
トルコの方は、前にも書いたけど、マドゥロ支持をエルドアンはかなり早くに言いきり、電話もしてた。
その時に言ったのは、クーデターによる政権はなんであれ認めない、というもの。
エルドアンは2016年7月に自分がクーデターで倒されそうになった側だから真実味がある。そして、冷静に考えれば、それってじゃあウクライナはどうなるの?という含みを感じさせる。トルコ外務省がどう考えてるか知らないけど。
で、エルドアンがクーデターを挫折させた後、すぐに電話をよこした首脳の一人がマドゥロで、その後マドゥロが2017年にトルコを訪問し、エルドアンは昨年2018年にベネズエラを訪問している。
トルコの一般人はどうなのかと思ったら、好評らしい。
Al-Monitorに出ていた記事によれば、なかなか面白いメカニズムもある模様。
What is driving Ankara’s love for Nicolas Maduro?
左派が社会主義政策を取ったチャベス以来の国を支持するのは話は簡単だが、イスラム教を重んじる派も、トルコナショナリストの派もマドゥロ支持らしい。これは普通はおかしい。どちらも普通は社会主義にはアンチだから。
にもかかわらず今回はそうではない。それは、ベネズエラはアメリカン・インペリアリズムと戦ってると理解されているから、だそうだ。
米帝ですよ、米帝(笑)。
いやぁこれでNATOの一角というのが大笑いなんだが、しかし、実のところトルコの一般人が反米基調なのはかなり有名。どういう調査でみてもそうなってるし、ちょっと心配なほどになっていたこともあったぐらい。
だから、米帝と戦うベネズエラは応援せな、という反応がまず第一にあるんでしょうね。
で、この感情は、歴史的にみれば長年の敵であるはずのロシアへの感情の底にもあると思う。つまり、トルコのロシアへの急接近は、エルドアンの思いつきではなくもっと支持は広いということ。
要するにトルコはヨーロッパとアジアの結節点でございますという位置にいるのと同様に、あちこちを繋いでるという状況を利用すればいい。インドと同様、アクロバット全方位外交。