シリアで揉めると、イギリスが下らないことをやりだすというのは既にフォーマット化されている。
今回も、スクリパル親子事件の犯人はロシアの軍の情報機関のエージェントだ!!!と1人大騒ぎし、既にUKの国内メディアはこの件で反論できない仕様になってるのでそのままメイの言う意味不明の発言が通り、それを国連にもっていって、ロシアは悪い奴だ~と、UKとUS、フランスの大使が叫ぶ。すると、ロシアが、お前ら何言ってんだかもうわかんねー、と言う。ここまで仕様(笑)。
で、この4月に行われたことが今回も行われてた。
また、フランスが、シリアで化学兵器が使われたら攻撃する、と今回も言いきっていたのもまたかよ、というところですね。フランスはシリアの宗主国だから、なんとかしてシリアに食い込みたい。
一方シリアでは、ロシア軍がイドリブを攻撃した。イドリブは、シリア全土からのテロリストらを集めたところなので、そこにいて、お前ら解散しろと言われてもまったく気にもとめず、もりもりとまたまた軍備を増強しては、事件を起こそうと画策するテロリストという名の西側の傭兵。
ここまでで現地兵はかなり降りてるので、だんだんと西側度が高い人たちしか残ってないって感じになってるんじゃないですかね。その意味では、かなり中露+シリア vs イスラエル+西側の直接対決に近くなりつつあるところありますね。
さてそんな中、アメリカの上院議員のリチャード・ブラックさんがシリアを訪問して、アサド大統領に会っていた。
ブラック上院議員は、アメリカがアルカイダと組んでシリアを乗っ取ろうとしてることをずっと糾弾している数少ない上院議員の一人。
アレッポ陥落の頃、いい加減に西側は考え直すべき、シリアでアルカイダと組んでるなんておかしいと気づかないとだとさんざん言っていた人。軍歴があって軍に強い共和党の議員さんだから、基本的にアメリカであるべき派なんでしょうね。この対極が、ステルス世界支配派ね。
シリア軍はイドリブを軍事的に片づけると主張し(シリアの内部なんだから誰も文句言えないわけだが)、ロシア軍がそれを手伝うという形ができている一方、
他方では、トルコのエルドアンが、プーチンとローハニと会合するためにテヘランを訪問するようだ。金曜ってあるから今日会う。
Erdogan in Tehran for summit with Putin, Rouhani
https://www.presstv.com/Detail/2018/09/07/573421/Iran-Turkey-President-Erdogan-Syria
ここで重要なのは言うまでもなくトルコですね。イドリブ県はトルコ国境沿いでトルコがここに支配下の、あるいは影響力のある傭兵を持っていて、その次に他の西側の傘下の傭兵テロリストがシリアの他地域で負けてここに集うことになった、という成り行き。
トルコ系の中には既にイドリブで戦争しないと決定したグループもあるようだ。それはつまりシリア国(つまりアサドが統治している国連に加盟している主権国家)に入る、ってこと。
全体としては、ロシアは空想的武力討伐主義者じゃないから、一方で軍事力を使ったり、ちらつかせたりしながら、現地の大名を中心に、アルカイダ等の西側傭兵軍団の無効化スキームを作るって感じの方針でずっと来てると思う。
それはすなわち、西側傭兵軍団の引き上げスキームを作ってやってる、ってことなんだから、NATO傘下の各国は手際よく、体裁よく引き上げればいいものを、だらだらに暴発するもんだから、ますます世界中の人々に、あの人たちって結局西側の傭兵だったのね、というのが見えた。バカな話。
とはいえ、この不埒な一群はまだ終結スキームを自分たちが持ててないから、クーデターもどきとか911みたいな騒ぎが起こらないとは限らない。
そうなった時に私たち一般人に求められるのは、上から降ってくるナラティブに振られない、という覚悟でしょうね。何かおかしいと思ったら立ち止まって、善悪を主体にした簡単な感情的なストーリーに乗せられないこと、でしょう。心しておこう。
イスラエル動向が定まりない感じなので、ここが注目点なのは言うまでもない。
トランプは、シリアから出て行くべきと昔は言っていたが、最近ではまた、無制限に軍事力外交力を使うべきだ、とか言い出している模様。
Only months ago the president expressed a desire "to get out" and pull the over 2,000 publicly acknowledged American military personnel from the country; but now, the new report finds, Trump has approved "an indefinite military and diplomatic effort in Syria".
そして、米+αは4月みたいにシリアを攻撃する体制を作ってる模様で、それに対してロシア軍が応戦の構えを作ってると多数のレポートがもう楽しいほどに出回ってる。
ロシア海軍だけだったらスペック的にはそりゃもう米海軍にかなうわけない、ってところなんだが、今般のロシア海軍の強みは、シリアにしっかりとした同盟者がいて、陸側から迎え撃てる体制を作ってること、イランがこの戦いに関して同盟者で、黒海を通じてトルコの動きを封じられるからここが中立になっちゃうこともロシアにとって+、みたいな感じですかね。つまり、ロシア本土と繋げて空中戦が出来る体制になってる。またまた見ものの時が来るかもしれない。