DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

日露問題・朝鮮問題

2016-01-13 21:52:17 | 太平洋情勢乱雑怪奇

年が明けたら北朝鮮がまた飛び道具を持ちだし、号外まで出ていたらしいんだけどその話はなんとなく尻切れトンボとなり、そうこうしているうちになんだか身体の具合が悪いようにしか思えない高村氏がロシアに行くという話がきて、実際訪露が実現した。

高村氏とロシア外相 対話活発化を確認
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160113/k10010369341000.html

この中で、高村氏は、プーチン大統領に宛てた安倍総理大臣の親書を手渡し、「安倍総理大臣は、プーチン大統領との間で、日ロ関係を飛躍的に発展させようという強い決意を持っている。北方領土問題を解決して、平和条約を締結し、両国の関係をさらに発展させていく必要がある」と述べました。そして、プーチン大統領の適切な時期の日本訪問を要請しました。
これに対して、ラブロフ外相は「両国関係を包括的に発展させることで、2国間に残る問題解決のためのよい環境ができる。ロシアとしても、平和条約締結に関心を持っており、この問題を解決したい」と応じ、北方領土問題の解決に向けて、安倍総理大臣とプーチン大統領の首脳会談をはじめ、両国間の対話を活発化させていくことを確認しました。

と、NHKはあたりさわりのないことを書いているようでいて、あいかわからず、日本の方は北方領土問題の解決が主で平和条約締結は従、ロシアはこれらすべては平和条約というか講和条約の問題だ、という点を分けて書いている。

実のところこのロジックが重要であるんだと思うがそれはそれ。

とりあえず、安倍さんがロシアを訪問し、プーチン大統領が訪日する、というスケジュールを考えている模様。


露日は深刻な問題についても互いに質問しあい、答えあうことを恐れない
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160113/1427519.html#ixzz3x7o1tETt

(略)リア・ノーヴォスチのインタビューに対し高村氏は、プーチン大統領に宛てた安倍首相の書簡を手渡すことになっている、と明かした。おそらくそこにはプーチン大統領の訪日に関する記述があるだろう。また、安倍首相がロシアのいずれかの都市を訪問する計画についての言及もあるだろう。たしかに昨年11月にトルコのアンタルヤで行なわれたG20サミット後、そうした招きがプーチン大統領から安倍首相にあったことが判明している。専門家によれば、安倍首相は5月に三重県で行なわれるG7サミットの前に欧州歴訪を計画している。その途中でロシアに寄り、プーチン大統領と会談する可能性もある。会談場所の候補と目されているのは、サンクトペテルブルグまたは、ウラジオストクだ。

英語版のタスでは、ロシアと日本の外装が北東アジアの安全保障について語り合ったという記事が出ていた。日本サイドがコンタクトした模様。

Russian, Japanese foreign ministers discuss security in Northeast Asia
http://tass.ru/en/politics/849220

MOSCOW, January 13. /TASS/. Russian Foreign Minister Sergey Lavrov and his Japanese counterpart Fumio Kishida have discussed security in Northeast Asia and the timetable of bilateral political contacts. The conversation was requested by the Japanese side, the Russian Foreign Ministry said.

で、こんな記事が続いてきた。

菅さんが、クリル諸島にロシアはインフラ整備を進めるとショイグ国防相が語っているが、これについてどう思うかと尋ねられ、抗議するとか、怒ってる、とかいう発言じゃなくて、問題化する気はないです、的なことを言った、という話。

日本政府はクリル諸島におけるロシアの軍事拠点建設を問題化しない
http://jp.sputniknews.com/japan/20160113/1428775.html#ixzz3x7nrYRZ7

日本の菅義偉官房長官は、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相によるクリル諸島へのインフラ建設をめぐる発言はこれまでの声明の枠を出るものではないとし、改めてこの問題に関する日本の立場を説明した。

■ ウクライナ以前に戻りましょう

で、これはつまりウクライナ以前に戻りましたって感じなんだろうなと思う。ってか、イニシアチブは日本側が積極的に取ってるようにしかみえないので、戻りましょう、と日本が呼びかけてロシアもいいねと応じた、みたいな恰好みたいだ。

3カ月ぐらい前に安倍ちゃんがプーチンを発見して子犬みたいに駆け寄った時からこんな感じだったんでしょうかね。

■ 冷戦期という妙な時間を克服せなな

平和条約締結問題にしても、ポツダム宣言、サンフランシスコ条約という流れを見た時の北方領土問題にしても、実のところ冷戦期の日本の政府は日本人にかなりおかしな、日本にとって都合のいいというより、アメリカの戦略にとって都合のいいことを垂れ流してきた。

領土問題といえば北方領土問題しかないかのような言辞が過去70年の結果みたいになってるけど、私が思うに、1945年の日本にとって最も重要な領土問題は朝鮮と台湾だったと思うんですけどね。これを一言半句も俎上に載せずにいたことが日本の政治的、文化的、文明的、知的環境にとっては計り知れないほどのマイナスだったよなぁというのが私の考えですね。

それは別に、朝鮮は日本のものだ~とか今更いいたいのではなくて、なぜ日本は朝鮮を領土にしようとしたのかとか台湾はどうなのかを考えるべきだった、ということ。

そして、もっとも重要な失敗のきっかけはその朝鮮から先にさらに食指を伸ばし、沿海州、満洲、さらにはバイカル湖の東側全部みたいなことを考えたことだったよな、みたいなことをある種の定説化すべきだったんじゃないのかと思うんですね。

こんな感じですね。いわゆる北進論者が何を考えていたのかの一つの示唆。

それによって、むしろ私たちが住む北東アジアとはどんなところだったのかを知るきっかけとなったでしょう。

でもって、日本の陸軍の仮想敵国は伝統的にロシアです、なんてセリフがどうして最初っから存在しているのかに思いをはせるきっかけともなったでしょう。

私の考えは、なによりもまず日本の位置が the West グループにとってかけがえのないものだったってことですけど、他にいろんな考え方をする人もきっといるでしょう。それも含めてもっと射程の長いことをいろいろ考える時間はたくさんあったのにな、とか思う。

 青い〇が米またはNATOの基地。

 

で、冷戦なる妙な時代に、共産主義だろうがロシア帝国だろうがそんなことが問題なんじゃない、ロシアはロシアだという派が多少なりともいてもよかったと思うんですが少なくとも表に見える範囲には存在してなかったかできなかったんでしょうね。このへんがドイツとの差になったなぁとしみじみそう思う。

 

■ いずれにしても新しい時代が始まる

で、日露関係というのは、実は朝鮮問題でもあると思うんです。伊藤博文時代と変わらず。

だから100年前に悩んだごとくに日本にとっては朝鮮半島がどういう国、あるいはどういう国々になっていくのかというのは重要でしょう。

で、ぶっちゃけ、日本はロシアとの関係を良好にしていく方がずっといい、じゃなくて、それしかない、ってのが日本の国権派の考えなんだろうなと思ってるんです。

しかし、それを語れないんでしょ。多分。しかし、語らないといかんと思うんですよ、多分。

と、多分多分だらけだけど、今って結構ってかなり重要な事態を迎えちょるなぁとか思う今日この頃です。

だけど、いずれにしても100年前と同じ道筋はあり得ないので、結局のところ新しい時代が始まるということなんだろうなと思う。


 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なにかがおかしいドイツ | トップ | ドイツBuild紙によるプーチン... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
太陽政策 (ブログ主)
2016-01-14 14:06:51
なるほど太陽政策っていい名称かも。実際問題日本人として嘆かわしいのは、合理的、理性的なアプローチを日本がまったくできてない、ってところなんですよね。好きになる必要はないにせよ重要な隣人であり続けるという視点を確保できないんですよ、なんせ。

で、なぜこうなのか。構造的政治的問題もあるけど、この手の相手が破壊されていなくなるというへんな願望にリアリティを見出してしまうというのは、日本の病だと思う。中国は破滅する、ロシアはいずれ破滅する、国際金融資本は滅亡する、とかいうの。

この現象をなんとかせな、としばしば思います。これは子どもじみたエゴの肥大現象にすぎないですから。
返信する
『ロシア側の太陽政策』 (ローレライ)
2016-01-14 10:34:57
『ロシア側の太陽政策』で『日本を抱き留め』て欲しいのが他力本願な日本独立運動の哀しさ。昔の朝鮮独立運動とパラレルな悲喜劇。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事