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バーニー、グアイドを大統領と認めず

2019-02-22 21:53:28 | アジア情勢複雑怪奇

大統領選に名乗りを上げてる米のバーニー・サンダースが、ベネズエラのグアイドを大統領として認めるのかと尋ねられて、

いいえ。

最近の(大統領)選挙について深刻な問題があるんだと思ってます。選挙は詐欺的だったと感じている人がたくさんいます。そして、米国は国際社会と一緒に、ベネズエラで自由で公正な選挙が行われるよう取り組むべきだと思ってます。

“No. I think what has to happen right now – I think there are serious questions about the recent election. There are many people who feel it was a fraudulent election, and I think the United States has got to work with the international community to make sure that there is a free and fair election in Venezuela,” Sanders responded.

https://www.rt.com/usa/452141-sanders-venezuela-guaido-maduro/

という。

いいじゃないですか。

そう、日ごろ民主主義を大事にしろと言う人たちは、せめてこのラインで踏みとどまるべきでしょう。

また、他国への介入を減らそうと思っている人も同様。

それをあなた、一方ではトランプが軍事力行使もオプションだと騒ぎ、他方で the Economistらの名うてのカラー革命のベテランたちがわいわいやって、よそのプレーヤーが介入しまくってベネズエラの大統領を決めちゃうなどと、どうもこうもなくカッコ悪い話なんだよというお話ですね。

このへんで書いた通りの状況からすれば、

ベネズエラ情勢についての外務大臣の発言を読んでみた

2019-02-07 01:48:26 | アジア情勢複雑怪奇

 

バーニーの言ってることすら余計なお世話だろうと私は思ってるけど、バーニーの線、すなわち、公正な選挙をやり直せ、→落としどころとして大統領選挙の前倒し、ぐらいなら双方にとっても飲めない話じゃなかっただろうなと思う。

とはいえ、この数字と、現在のマドゥロ支持の固さからみるに、要するに野党グループは勝てないと踏んだからこそクーデターだったんだろうなとも思う。だせーーーー!

 

でもって、にもかかわらず、このダサい、ダサい取り組みを一致して支持してしまった、先進国の左派、リベラルグループは、目もあてられない。あんたら結局、ヒラリーと一緒のリベラル帝国主義者やな、って感じよ。

 

というわけで、バーニー、ありがとう、です。

 

■ 共和党右派を喜ばすことのメリット・デメリット

でもって、多分、このネタを今度は共和党が、ほおらみろ、バーニーは社会主義者だ、コミーのベネズエラを応援しているんだとかなんとかかき混ぜるんだと思う。

既にトランプが、マドゥロは社会主義者だからダメと言わんばかりのことを言ってる。これはもう、共和党の右派、特に宗教右派≒反共右派≒イスラエル万歳派を喜ばせるためにやってるでしょう、わかってて。

で、それで勝てると踏んでるんだろうと思うけど、トランプの支持層は、前にも書いた通り、(α)宗教右派等と、(β)今のままではダメだから変えてくれるトランプ、特に無駄な戦争をしないトランプを期待した層が混在している。そこからすると、宗教右派におもねるということは、ネタニヤフと組むっつー話なので、(β)層は離れる。最低でも寝ちゃう。

(α)と(β)の割合がどれぐらいなのかがまだ誰にもわからない。

もう一つ。コミー(共産主義者の蔑称)だから殺していい、という冷戦時代の血だらけのアメリカを歓迎する傾向を今さら作れるとは思えない。いくら中露が深く絡んでいるとしても。

既に、エリオット・エイブラムズを特使にした時に、年取ったアメリカ人たちが、彼の手はまだ血だらけだろうと憤慨していたりする。

ベネズエラ:米、「本職」投入

 

ということなので、今のトランプの行動は、もし再選の岩盤のためにと思っているのだとしたら、私はあんまり良い戦略だとは思ってない。まだいろいろ動く要素があるわけですからね。そして、(α)は普通でない、ってところが問題。

 

米の冷戦期の中南米対策というのは、民主主義を促進などしていない、むしろ妨害してきただけだというのは何も左翼だけの認識ではない。むしろどちらかというと右派の共和党+軍を良く知ってるといった層に非常に批判的な人たちが持続的にいる印象がある。

Killing Hope:バックラッシュ論の先に進めるのだろうか

Killing Hope: U.S. Military and CIA Interventions Since World War II
William Blum
Common Courage Pr

 


 

 


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
海坊主さんへ (私は黙らない)
2019-03-01 03:35:30
すみません、ブログ内容からは脱線です。
海坊主さん、どうもありがとう。私もそれが言いたかった。
バーニー、あなたは結局ガス抜きでしかなかった。Controlled Oppositionは、独裁体制の安定のためには絶対に必要な存在で、あなたはそれだった。
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Unknown (海坊主)
2019-02-28 13:09:22
バーニー、ありがとう

あなたの不用意で軽い発言が、あなたの正体を見事に浮かび上がらせました。

かの者には二度目はない、と米国民は立ち上がらなければならないのでしょうが。

経済的弱者の祈りに似た一票をヒラリーに献上した実績は、決して色褪せないでしょう。
返信する
Unknown (バアルのような者)
2019-02-22 23:51:34
選挙が不正だと言うなら正常な選挙をさせるのが筋、バーニーの言う通りですが、恐らくは米国政府内の各セクションがそれぞれベネズエラの政権転覆という隠し目的により方向付けられて仕事をしていたところ、隠し目的を知らないあるいは意図的にそのプロジェクトを潰しにトランプが、各セクションに与えられた表向きの目的に従って動く事を急かしたりして、もともと繋がってひとつの目的になるサブプロジェクト間がチェックポイントで繋がる前に伏線単独で破裂させているようにも見えます。
 実務の世界には賛成のふりをして、なおかつその目的の利益にしかならないはずの行動を通して目的を潰すという作戦はあると聞いてます。
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