このブログでも何度か書いていたと思ったが、
京極夏彦のファンである。
初めて京極夏彦の作品に出会ったのが、
新刊コーナーに面だし平積みされていた
”魍魎の匣”であった。
カバーの妖怪の絵にふらふらっと
キタのもあったが(ぶーくん妖怪好き)
”魍魎”という文字の圧倒的な存在感である。
ものすごい画数だ!!
講談社ノベルズでものすごい分厚さ、
さらに、最初のページから旧仮名遣い!
すごい!すごすぎる!!
レトロな雰囲気ぷんぷんである。
ツボだった。
登場人物がそれぞれの物語を進めていく。
たとえば、Aの物語・Bの物語・Cの物語さらにはDの物語
しかし、Aの物語の人物がBの物語に絡んでくる、
Bの物語の人物がCの物語へ、と一見違う物語の中で登場人物たちが絡み合っていく、
そして、ばらばらだった物語が、ある人物によって一つの話に集約されていくのだ。
それが、多分このシリーズの主人公である(見ようによっては主人公格が沢山いるシリーズである。)
神社の宮司でもある中禅寺秋彦、
しかし作品では殆ど秋彦が営んでいる古本屋の屋号である京極堂という名で呼ばれている。
魍魎と名がついているが、ホラーではなくミステリである。
この作品の探偵役である京極堂の口癖は
「この世に、不思議なことなど何もない」と、いうほどのミステリである。
内容はミステリなのであまり深く書いてしまうとネタばれになるので、さらっと・・・
バラバラ事件が発生する。
それは一つのハコに一つのパーツ(腕一本とか、足一本など)がつめられて捨てられている。
そして、楠本頼子と柚木加菜子の二人の少女の物語がある。
二人の少女が夜、家を抜け出して湖を見に行こうとしたが、加菜子が電車に轢かれて死線を彷徨う。
ここで、楠本頼子と母親との確執の物語と、加菜子の姉陽子と主人公格である木場修太郎の物語が生まれる。
頼子の母親の物語は御筥様(おんばこさま)という宗教団体の話へ
陽子と木場修太郎の物語はとある研究所さらには遺産相続の話へ
そして、離れたところからも、
主人公格の作家の関口巽の物語が宗教団体の物語と木場修太郎の物語にリンクし始めて、
またまた主人公格の探偵という職業の榎木津礼二郎が遺産相続の話へリンクする。
説明するつもりが、かえって混乱する状況となってしまったが、
この本のすごさは、前半はバラバラしたイメージであるが次第に繋がって最後は風船を針で刺したように
ぱぁぁぁぁぁぁぁぁんと、弾けるのだ。
ああ・・・なるほど、そういうことだったのだ!と、かならず頷ける結論がでる。(悲しい結末だが)
すっかりこの本に魅了されてしまい、
よく見るとこの前に
姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)
という作品が出ていたことがわかり、しっかり購入である。
しかし、面白いのだが魍魎に比べると・・・・であった。
その後も新刊がでると速攻で購入していたのだが、
<百鬼夜行シリーズ>
姑獲鳥の夏 (うぶめのなつ)
魍魎の匣 (もうりょうのはこ)
狂骨の夢 (きょうこつのゆめ)
鉄鼠の檻(てっそのおり)
絡新婦の理(じょろうぐものことわり)
塗仏の宴 宴の支度 (ぬりぼとけのうたげ うたげのしたく)
塗仏の宴 宴の始末 (ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)
陰摩羅鬼の瑕 (おんもらぎのきず)
邪魅の雫 (じゃみのしずく)
と、あるのだが、今だぶーくんの
ナンバー1は魍魎の匣である。
ちなみに、どの作品も作品と作品のあいだでリンクしたりするので
たとえば、姑獲鳥の夏に出てきた人物が鉄鼠の檻でのキーパーソンだったり、
魍魎の匣にからんだ人物が絡新婦の理のキーパーソンだったりとリンクする
そのために新刊が出るたびに、姑獲鳥の夏から順に読み直す為、
前半の作品はもう何度も何度も読んでいたりする
。(本もすっかりボロボロだ)
この作品
、映画化されていて、
京極堂は堤真一がやっているのだが
自分のイメージではまったく無い(堤真一ファンの方すみません)
映画化されて嫌なのは、自分のイメージではない人が役をやることである。
とくに、メジャーな俳優がやればやるほどイメージが崩れてしまう。
他の役どころとオーバーラップするので、
とくに魍魎のような入れ込みが強い作品では特に嫌だ!
榎木津礼二郎 は
阿部寛 がやっているらしいのだが
これもとても嫌である。
実はぶーくん
阿部寛は大好きだが榎木津のイメージではまったく無いのだ。
原作では、榎木津はヴィスクドールのような顔となっているので、
いくら
カッコよくても阿部寛
では無いと思う。まだミッチーの方がいいかも・・
だから、映画は見ない!見たくない!!
そして、今度は深夜に
アニメとして放映している。
映画よりはいいかなと思い見ている。
アニメの場合は俳優と違って専用にキャラデザインをしているので差が少ないとうか・・
原作は何度も読んでいるので、どのように表現をしていくのか楽しみです。
ぶーくんの京極堂のイメージはこんな感じ
榎木津はこんな感じ・・・・