金子勝@masaru_kaneko
【アベノミクスのツケ】日銀の0.25%利上げで長期金利は1.2%を超えた。円安のまま長期金利がじわじわ上昇する。国債含み損を抱える日銀は国債を売れない閉じ込め効果を抱えたまま、円安インフレで利上げを余儀なくされる。外資ファンドは日本国債をショートで大もうけ。
政府・日銀の政策は結局、円安インフレが続く。野党第一党が失敗したアベノミクスに対抗する代替策を急ぐ必要がある。
【第2波円安インフレが押し寄せている】12月の生鮮食品を除く消費者物価上昇率が3%にあった。1年4ヵ月ぶりだ。生鮮食品を含む総合指数では3.6%も上昇している。アベノミクス残党は、政策的失敗をきちんと総括せず、財務省のインフレ課税路線を影で支えている。
【インフレ下のインフレ政策】イシバが「令和の列島改造」と言い、財務省は115兆円のインフレ課税の大規模予算で、野党協議でさらに膨張。対し、日銀はインフレ抑制のため金融正常化を打ち出し、政策は矛盾。結局、日銀は金融緩和を続けざるをえず、円安インフレは続くだろう。
【ガソリン価格上昇】ガソリン価格が1リットル=185.1円と上がり、過去最高水準に迫る。石油大手はガソリン補助金で過去最高の利益を得てきた。石油元売りの独占利益にメスを入れつつ、代替財源を与野党で真面目に討論し、燃料税の一時的引き下げ、トリガー条項を発動すべき。
【どんどん貧しくする】アベノミクスで日本経済は豊かになったのか?大企業は内部留保をため込み、名目賃金も実質賃金も低下を続けた。
アベノミクスを続けて円安インフレにし、2023年には一人あたりGDPは32位まで落ち込み。いまや韓国にも抜かれる。
【泥沼のアベノミクスが円安インフレを招く】2022年4月以降、消費者物価上昇率が2%を超え、再び3%超えていく。なのに、「デフレ脱却」と言ってアベノミクスを続ける無責任社会。メディアはアベノミクスの失敗に関してまったく反省がない。誰も失敗の責任をとらない。
【円安インフレの第2波】12月の企業物価(卸売物価)が3.8%と、前月から0.1%上がった。東京都の消費者物価が3%に達したが、物価上昇が止まらない。失敗したアベノミクスから抜け出られなくなっているのに、煽った輩がまだ責任をとっていないままだ。無責任社会の典型。
【フェイク玉木】謹慎しない国民民主党の玉木雄一郎は、存在しない103万円の壁を存在するかのように嘘をつき、基礎控除引き上げが金持ち減税であることを隠し、赤字国債依存の減税が円安インフレをもたらすのに、国民を騙す。企業団体献金の自民党を救う誤情報拡散者だ。
〔倉重篤郎のニュース最前線〕闘う経済学者・金子勝の2025年日本経済大予測 円安インフレのドツボからどう抜け出るか? サンデー毎日 2025年2月2日号.