多層民家「旧遠藤家住宅」。山形県有形文化財。山形県鶴岡市田麦俣字七ツ滝。
2024年9月13日(金)。
田麦俣地区では、三層構造で居住空間と客人を泊める空間を立体的に確保した茅葺きの建築形式が発展した。これらの民家は明治に入り養蚕業が盛んになると、2階・3階部分の採光と通風を確保するため、寄棟屋根の平部分には屋根窓(高はっぽう)が設けられ、妻面側は屋根を垂直に切り上げた兜造りへ改造されるようになった。
旧遠藤家住宅内部は、一階が主に家族の居住用として、二階は下男たちの居住用及び作業場・物置として使われた。その上に養蚕と作業のための三階「チシ(ツシ)」、さらにその上に物置用の「天井チシ(ツシ)」がある。
三階部分は蚕の上蔟、物置として襲われていた。養蚕は多収入を得ることができるので、蚕のことを「お蚕様」と呼び、大切に扱っていた。
四層目の屋根裏。
このあと、南東方面から山越えして山形盆地方向へ下り、大江町の左沢楯山城史跡公園へ向かった。