5ヵ月ほど前、「法務研修館」なるところから『黒田塾 相続実務・完成講座』のパンフレットが送られてきました。その中に法務研修館・館長黒田氏の『夢を実現する! 本物の行政書士とは?』と題する小冊子が挟まれていました。
高校卒業後酒屋さんの店員となり、その後17年間の郵便局勤務を経て、38歳で行政書士となった黒田広史さん、行政書士歴22年になります。行政書士となった当時は「会社設立」や「建設業等の許認可」等の業務を中心にし仕事をしていたそうですが、これらの業務が自分には合わないと分かってきた3年目に大きな転機が訪れます。8千万円の資産整理の依頼です。相続を扱うのは初めて、なにも分からないまま、同期の行政書士と二人、学習しつつの仕事完成。そのときの報酬は150万円だったそうです。以後「相続」「遺言」の業務に専念し、今までに引き受けた相続案件は140件。不成功に終わったのは1件のみ。”139勝1敗”と表現していました。
そこに至るまでの苦心談と成功の秘訣がぎっしりと書き込まれた20ページからなる冊子。一気に読みました。その実務を一から講義してくれるとのこの研修会、気持が動きました。しかしお値段を見て吃驚、298000円とありました。私には高すぎる価格です。残念ならこの冊子ファイルにしまい込みました。
行政書士を開業して1年3カ月、「車庫証明」の業務が1件、文京区での「無料相談会」に参加して小額の報酬を頂きましたが、全く”仕事”になっていません。はっきり行って「行動不足」「宣伝・営業不足」です。その底流に流れるのは、実務の知識不足から来る引っ込み事案。腰が引けているのです。妻の皮肉は身に応えています。自己分析だけは出来ていました。
事態が少し変化し始めました。10月から勤務の講師の報酬、しっかり貯金をしていました。黒田塾が視野に入って来たのです。2月13日に「入塾説明会」がある事を知り、講師黒田さんの模擬講義を聞いてから判断しようと考えました。そこに展示されている資料も見たいとも考えました。そこで昨日、渋谷にある「伊藤塾」内での「法務研修館」の説明会に出掛けたのです。
冊子から感じていた様に、黒田先生の温かそうで穏やかな人柄や、分かりやすい講義、実務に直結する書類群、何もかも素晴らしいものでした。『行政書士は人と人を繋ぐ掛け橋』そうでありたいと、胸にストンと落ちる話もあり、迷うことなく入塾を決心しました。
私は「民法」学習の中で、特に「親族・相続」に興味を覚えました。この分野の学習はとても楽しく、面白かったのです。黒田さんが語った様に「専門分野を持て!」の言葉に従えば、自分の好みに合った「遺言」「相続」を専門にしよう、その為に集中して学習しようと決心し、昨夜「入塾」申し込みのFAXを送信しました。
4月3日(土)から7月24日(土)までの毎週土曜日、14時~16時30分までの15回の講義。ロングランです。この間やむを得ず欠席したものに補講が用意されていますが、出来れば欠席したくないです。ただ4月16日~17日には、既に甲州への旅行が計画されています。困ったなと、細かく日程表を見ると、なんと4月17日は何故か講義がないのです。まるで私の様子を見定めていたかの様な日程。これは”天の恵み”かもしれないと、勝手に自分に都合の良い方に解釈し、迷うことなく「入塾」を決めたのでした。
弁護士や税理士の様に業務に入る事前に学ぶ機会の少ない行政書士、この様な学習の場は必要な事と思えます。受験へ投資しただけでは、なかなか仕事になりません。”行政書士では食えない”と言われるのも尤です。再度の投資がどの様な結果となるかは分かりませんが、ただ金銭面の事だけではなく、再度学びの場に身を置ける、喜びと緊張感を感じ始め、4月3日を心待ちしています。