マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

東京江戸博物館『五百羅漢展』を観る

2011年06月03日 | 映画・美術・芝居・落語


 10日ほど前の5月25日(水)、江戸東京博物館の特別展示「五百羅漢」展を観てきました。
 徳川家の菩提寺として知られる港区・増上寺には、幕末の江戸に生きた狩野一信( 1816年~ 63年 )が 10 年の歳月をかけて描いた「五百羅漢図」全100 幅が秘蔵されているそうで、明治初期の廃仏毀釈や第二次世界大戦中の空襲などの難を逃れ、大切に守られてきたその仏画 100幅が、寺外ではじめて一挙に公開されるとも聞いていました。

 

 この「五百羅漢展」、3月13日からの展示の予定でしたが、東日本大震災の為、時期を4月29日(金)~7月3日(日)にずらしての開催です。

 作品は2幅が一対となり、その一対に「名相」・「浴室」・「剃度」などの名が付けられています。どの絵図からも物凄い迫力が伝わって来ますが、中でも、21幅から40幅までの「六道」は迫力十分です。
 
 六道とは仏教において、迷いあるものが輪廻する6種類の世界のことを言い、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天のこと。そのうち地獄・畜生・餓鬼を三悪道と呼び、三悪道に落ちた人々を描く図は鬼気迫り来るものがあります。
  羅漢様はまだ仏ではなく、尊敬されるべき修行者、すなわちまだ人のはずですが、その人が雲の上にいて、地獄に落ちた人々を救おうとしたり、懲らしめたりする図があります。緻密な彩色で描かれ見得を切る羅漢様と、灼熱疑獄や氷の池や針の山などでもがき苦しむ人々との対比が凄い。光のビートも登場してきます。この20枚の幅は食い入るように眺めました。(絵葉書を写す。第22幅:六道 地獄)
 


 右の絵に一番驚きました。羅漢様がお腹を開いて、畜生達に腹のなかの仏を見せる図です。この様な絵を私は初めて観ました。

 残念なことに、一信は第70幅まで描いてきて病み、96幅まで描いとことろで病死。最後の4幅は妻妙安と弟子が描いたそうです。私の様な門外漢が観ても迫力がまる違います。
(絵葉書を写す。第30幅:六道 畜生)
 




 今年は浄土宗の開祖法然上人が遷化されてちょうど800年目。浄土宗の大本山たる増上寺、門外初の展示はそれを記念しての英断と見ました。(付記 65歳以上の入園料は半額650円です)