マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

山中旅館内 中華料理古月

2011年11月29日 | お気に入りの店

 今年、私は古稀を迎えましたが、実は年齢差10歳下の義理の妹は還暦。そこで、私と義理の妹の、両配偶者は、この目出度い重なりを祝って一泊旅行を計画してくれました。11月27日(日)~28日(月)にかけての4名での草津温泉への旅行。ところが、とある事情から一泊旅行は断念しなければならなくなり、その替わりに上野池之端にある山中旅館古月で中華料理を食することに計画を変更しました。ところがこれまたとある事情から、義理の妹夫妻は参加出来なくなり、最終的には私と家人の二人だけで古月行くことになってしまいました。


 ここ山中旅館は元々は旅館業のみの営業でしたが、1990年からはを中華料理を提供する様になり、山中旅館古月と名乗る様になりました。かって宿泊室であった部屋を食事処に模様替えした結果、多くの場合個室での食事になりました。(写真:山中旅館入口。純日本風建物です)



 10数年前にはよく出掛けました。出される料理はどれも中華料理なのですが、日本の懐石料理を食している感じでした。
 料理長山中一男さんは北京や広州で中華料理を学び、その後帰国して、1991年には第一回陳建民アカデミー賞受賞、2009年には
東京マイスター(都知事賞受賞)と厚生労働大臣賞受賞いう輝かしい経歴を持ちます。



 11月27日(日)のランチを予約しておきました。テーブル席のある個室に通されます。コースは3900円・4900円・5800円の三つ用意されていて、家人は「古稀のお祝いだから」と5800円のコースを選択していました。11月の会席コースは、秋の養生茶・前菜盛り合わせ・アン肝のあんかけ上海風と続きます。淡白で上品なお味の中華料理です。(写真:席はテーブル席でした)


 その後以下の様な料理続きました。

     (帆立と海老の強火炒め)



     (ドンコ椎茸と牛肉のスープ)


 
       (天心=中国式パイ)

   

     (鹿肉の煎り焼き中国酢風味)



    (竹筒いり中華風おこわとスープ)



           (デザート)

 食事半ば家人に問いました。「これは古稀のお祝い?」。家人答えて曰く「勿論」と。私「古稀のお祝いの食事は10月1日にやってもらったけど」と。しまった!二度の食事会の必要はなかったのにとの、財務省としての家人の顔が一瞬過りました。気が付いていたがここまで黙していた私の勝利です。
 帰りに玄関に並べられた靴の数を数えると40足以上。相変わらず繁盛している様子でした。
 


「ピース」(著:樋口有介 中公文庫)を読む

2011年11月29日 | 読書

 朝日新聞の本の紹介欄からの情報だったかと思いますが、連続殺人事件の謎に迫るミステリー「ピース」を読みました。著者は樋口有介。私は寡聞にして全く知らない作者です。知らない事が多すぎますが・・・。
 
 物語は埼玉県秩父市内の「ラザロ」というスナックの店内から始まります。「ラザロ」はマスター八田芳蔵が十年ほど前に開いた店で、簡単な料理と酒を出します。店員は板前の平島梢路と学生アルバイトの玉枝、それに東京から流れてきたピアニスト清水成子。この店に毎晩のように常連客がやって来ます。写真家・セメント会社の技術者・アル中の女子大生など、ひと癖ありそうな人物ばかり。
 その常連客の間で交わされる洒落た短い会話から登場人物の人間関係が浮き彫りになって来ます。板前梢路の作る独創的な料理を通して、著者がかなりの食通であると推定出来ます。
 とここまで書いてくると第52回江戸川乱歩賞受賞作『花の下にて春死なむ』(著:北森 鴻)のビヤバーの雰囲気と大変良く似ていますが、起こる事件は殺人事件。場所は火祭りが有名な秩父地方です。
 最初の事件は寄居の山中で起こった歯科医のバラバラ殺人事件。それから一ヶ月後、「ラザロ」でピアノを弾く清水成子のバラバラ死体が発展されるに及んで連続事件の様相を呈してきます。
 事件担当の中心人物が皆野町出身のベテラン刑事、板森四朗巡査部長。この泥臭く、”だんべい”言葉を使うだんべえ刑事が魅力的なキャラクターで、
物語の主人公。懸命な捜査活動にも関わらず、事件の端緒も掴めないうちに第三のバラバラ殺人事件が発生します。漸く板森刑事は3つの死体の共通点に気が付きますが・・・。ネタばれの恐れあり。物語の紹介はここまでにします。
 ”巻を措く能わず”という言葉があります。まさにそれで、真相や如何に、犯人は誰か、一刻も早くそこに到達したくて、久し振りに一気読みしました。地方都市の様子や人々の生活振りもたっぷり描かれていて、見事な作品に仕上がっています。
 最後に立ち現れる驚愕の事実と”ピース”の意味合い。解説の郷原弘は『うまい。うますぎる。文章がいい。会話がしゃれている。人物が生きている。プロットの切れがある』と絶賛しました。そこまで書かれれば他の作品も読みたくなります。早速デビュー作で、第6回サントリーミステリー大賞での読者賞受賞作「ぼくと、ぼくらの夏」をオンライン予約しました。