マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

「バベルの塔」展を観る

2017年06月22日 | 映画・美術・芝居・落語

 昨日、上野の都美術館で「バベルの塔」展を観て来た。
 実は、5月下旬までのチケットを妹から貰っていたが、咳がひどく中山道行だけでなく、こちらも断念していた。そうならば65歳以上が無料となる第3水曜日に行こうと考えた。展示期間も終わりに近いシルバーデーは、大変な混雑が予想されたので、早目に列に並ぶことを心掛けた。
 
自宅前の848分発のバスに乗車。915分には列最後尾に並んだ。その数、ざっと見に200人くらいか。降雨が幸いし予想より少ない人数だ。920分には入館が始まり、9時半には入場出来た。
 
『バベルの塔』の絵は2階に展示されていると聞いていたので、見て回る順序を逆転して、まずは2階へ。入って直ぐにあるエレベーターを利用して直行。933分には絵の前に立てた。56人ほどの鑑賞者しかいない。ゆったり、じっくりと、目を近づけるようにして、ブリューゲルの傑作をこころ行くまで鑑賞することが出来た。(写真:絵葉書より)

 かっては、崩壊が始まり掛けた建築物などと説明した書物もあったらしい。トンデモナイ。建設途上の塔なのだ。遠景には水平線と地平線を、眼下には港や運搬船を描いた壮大な風景の中に、建物の建設現場が細部まで丁寧に描かれている。画面上に描かれた人は1400人以上とか。
 左端から上部に掛けて塔は赤味を帯びている。何故かと思案していると、すぐ隣の部屋で「マクロの視点、ミクロの視点」と題するビデオ上映が行われているではないか。ビデオでは疑問に思うことの説明がなされ、2度も鑑賞し、色々と学ぶことが出来た。(写真:絵葉書6枚を組み合わせたバブルの塔)
 旧聖書に端を発する「バベルの塔」は、ブリューゲル以前にも相当数描かれ、ブリューゲルの作品としては1563年に制作されたものと、展示中の1568年制作のものがあり、現展示のバベルの塔の方が圧倒的なボリュウム感と、壮大なスケールで描かれているそうな・・・マクロの視点。
 レンガや建築材は滑車を用いて上へと移動している。赤く見えた部分はレンガで、上手に移動できないで、落ちてしまったレンガの塊も描かれている。特に凄いのは窓で、沢山の窓が描かれているが、全て異なった図形となっているそうな・・・ミクロの視点。
 天に届くように塔が建築されているかに見える、ブリューゲルの『バベルの塔』だ。