マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

龍光院の「曜変天目」を観る

2017年10月21日 | 映画・美術・芝居・落語

 18日(水)から19日(木)にかけて、愛知県立美術館「長沢芦雪展」、あべのハルカス「北斎展」、京都国立博物館「国宝展」と回ってきたどの展示も充実したもので素晴らしかった。取り分け強烈な印象に残ったのが「国宝展」の「曜変天目」(京都・龍光院)。”門外不出”と言われている「曜変天目」が出品されているとは知らなかった。会場入口で初めて知って、まずは1階のこの国宝へと駆け付けた。という訳で、今回のブログは京都国立博物館を綴ることにする。(写真:図録より、龍光寺の曜変天目)
 京都国立博物館は開館120周年を迎えていた。それを記念しての「国宝展」とあって、ここの総力を上げての特別展覧会だったのだろう、国宝のみで210点の多きにわたる展示。それも、仏画・絵巻物・絵画・彫刻・陶磁・考古・・・・と多方面に及んでいた。すべてを丁寧には見るのはかなり疲れるので、好みの、陶磁と絵画と考古の分野を重点的に鑑賞することにした。
 「曜変天目」は1階に展示されていた。拝観順路は3階を示していたが、その流れから離れていきなり1階の「曜変天目」へ向かった。小さな四角い展示ケースの周りにまだ人はそう多くはいなかった。そのケースを回りながら鑑賞すると、真上からの疑似自然光で、陶磁の内側が玉虫色に光るのがはっきり見えた。この陶磁、滅多に出品されることはなく、龍光院でも展示されないから、“光らない”などと言われてきたがそんなことはなかった。1周で終わらせるのは勿体ないので3周もして、しっかりと見た。陶磁は玉虫色に光っていた。(写真:図録より陶磁の内部)

 出品一覧を見ると、四期にわたる展示のうちⅡ期(10月17日~29日)のみの展示。その情報を知らず、偶然にも、僥倖にも鑑賞することが出来た。よく知られるように「曜変天目」は世界に3点のみ存在。その全てが日本で、「静嘉堂文庫美術館」と「藤田美術館」と「龍光院」が所蔵している。今年に5月に藤田美術館所蔵の陶磁を見ていたから、これで3点すべてを観られたことになる。



 陶磁を観終えて3階に回ると、考古の分野で懐かし縄文土器が展示されていた。茅野市に出土した、縄文のビーナスと仮面の女神だ。更に初めて見るのだが、「縄文の女神」(山形県立博物館保管)と呼ばれる土偶が展示されていた。この土偶は山形県舟形町からの出土と知った。八頭身とも見える、均整の取れた体形。茅野から出土した土偶とはまるで雰囲気が違う。(写真:縄文の女神)











 仏画では「釈迦金棺出現図」(京都国立博物館所蔵)には驚かされた。解説には「涅槃に入った釈迦が、入棺後に、遅れて到着した母の摩耶夫人の嘆きを鎮めるため、起きあがり説法した場面を描く」とあった。
 この多数の国宝をじっくり鑑賞するには図録購入しかないと思い、思い切って3000円で図録を購入して来た。折に触れて眺めたい