マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『男はつらいよ お帰り寅さん』 を観て

2020年01月07日 | 映画・美術・芝居・落語

 1月3日(金)、東宝シネマズ上野で『お帰り寅さん』を観てきた。楽しい映画で、終わりでは胸キュンとなった。
 
私は待ち切れない思いで封切りの『男はつらいよ』を観にいったことはなかった。テレビで放映されるシリーズを観た程度だが、今回は渥美清が“現役出演”しないで、どうやって「寅さんシリーズ」が作られるのかに興味があって封切り作品を観にいったのだった。
 幕が開くといきなり桑田佳祐唄う主題歌「男はつらいよ」が聞こえて来た。
 本作品の主人公はさくら(倍賞千恵子)の長男諏訪満男(吉岡秀隆)と、彼の初恋の人、旧姓及川泉(後藤久美子)。






 亡くなった満男の妻瞳の7回忌が柴又の実家で行われ、そこに集うのはさくらとその夫(前田吟)や御前様(笹野高史)など。懐かしい面々が顔を揃えている。
 満男はサラリーマンを辞めて小説家になっていた。6年前に妻は先立たれ、中学3年生の娘ユリと二人暮らし。最新作の売り上げが好調でサイン会が開催される。一方泉は現在、海外で国連難民高等弁務官事務所の職員となり、夫とふたりの子どもと暮らしている。仕事で来日中に偶然満男のサイン会を知って会場を訪れ、二人は再会したのだった。再会後満男は泉を最近よく行くジャズ喫茶に連れていく。そこには、昔、奄美大島で会った寅さんの恋人リリー(朝丘ルリ子)がいた。

 泉はこの来日を機会に、ケアセンターに入居中の父一男(橋爪功)を訪ねた。満男はそこで泉の母礼子(夏木マリ)にも再会。一男と礼子は離婚していたが、満男を前にして大喧嘩を始める二人に困り果てる泉。彼女を気遣い助ける満男。
 
成田空港での別離の時、満男が初めて妻が亡くなったことを告げると、泉は何故それを教えてくれなかったのと満男に寄りかかり、ふたりは唇を合わせる。
 随所に、新作に繋がる、
過去に制作された「寅さんシリーズ」の場面が挿入され、そこに寅さんが登場していた。( )に記したのは旧作にも新作にも登場した役者。新撮された登場人物たちの現在とデジタル修復されて蘇る寅さんが見事に紡ぎあいながら物語は進んでいった。映画界を引退したはずの後藤久美子の出演がなかったらこの映画はありえなかっただろう。彼女の美しさが一段と印象に残った。
 今回初めて映画鑑賞の席をネット予約をした。前が通路なる席は売り切れていた。
その席の人気が高い理由を知った。お正月とは言え平日の9時40分の開演時には7割ほど席は埋まっていた。「寅さん」の人気は衰えていない。