マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

元近畿財務局職員・赤木俊夫さんの手記を読んで(その2)

2020年04月15日 | 読書

 『週刊文春』では、この3週間、連続して赤木さんの手記を中心に据えて特集記事を組んでいる。公立の図書館は全館閉館となって閲覧ができなくなり、私は久し振りに週刊誌を買っ来ては読んでいる。(3月26日号などは50数万部が数日にして売切れとなったとか)
 佐川氏は「改ざんや交渉記録廃棄の方向性を決定づけた」とし、財務省より停職3ヶ月などの処分を受けたが、検察庁からは起訴されなかった。2019年3月に大阪第1検察審査会が「不起訴不当」と議決したが、2019年8月、大阪地方検察庁特別捜査部は不起訴決定。結局、彼は刑事訴追を受けず、赤木夫人に一言の謝罪もないまま現在に至っている。
  赤木昌子(仮名)さんは大阪地裁に国と佐川氏を相手に損害賠償の民事訴訟を提起したが、それとは別に「私の夫-赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか-有識者によって構成され第三者委員会を立ち上げ-公正中立な調査を実施して下さい」として、第三者委員会による調査を求める署名を開始した。目標は30万筆だが、現在29万筆台に達している。私達も早速署名に参加した。 
 URL ttps://www.change.org  にアクセスすることにより、署名箇所に到達出来る。是非署名を願いしたい。

 佐川氏不起訴が決定されて直ぐ思い較べたのは、村木厚子さんのことだ。厚労省雇用均等・児童家庭局々長だった彼女は2009年6月14日、突然「虚偽有印公文書作成・同行使」の容疑で逮捕された。逮捕後約5か月に及ぶ身柄拘束。一貫して容疑を否定し、2010年9月に大阪地裁の判決を経て無罪確定。後日、本事件を担当した検事の証拠改竄も明らかになった。(このことは2010/10/04日のブログに書いた)
 「公文書改ざん」と「虚偽有印公文書作成」にどれだけの差があるか私は知らないが、一方は国税庁長官に栄転し、逮捕はされず、一方は5ヶ月に及ぶ“入牢”。あまりの相違の大きさに驚く。忖度した者への間接的な御礼か?
 佐川氏は国会での証人喚問で「刑事訴追を受ける可能性がある」ことを理由に証言を拒否したが、今はその状態にはない。何の為に公文書を改ざんしたのかその動機を語るべきだ。そのことが、森友学園問題の真相を明らかにすることに繋がっていく。そのことを、赤木昌子さんだけではなく多くの国民が待ち望んでいる。


 
 
 


「Etak Oral Care」(イータック オーラル ケア)を使用して

2020年04月12日 | 医療

  妻と私は同じ歯科医院に通っている。妻が3週間ほど前にドクターから「マスクにスペレーするとコロナ対策に効果的な薬がありますよ」とアドバイスを受け、表題の薬品を購入して来た。この薬品、マスク等に付着している菌・ウイルスを除去し、さらに新たな菌・ウイルスを長時間にわたり不活化するらしい。
 購入後、我が家では深夜、妻が翌日使用するマスクの外側と内側にスプレーしているらしい。就寝中の私はその様子を見たことはないが、朝5時にそのマスクを装着してから散歩に出掛ける。
 その薬が切れてしまいそうになったので、8日にその歯科医院に通院する私は薬の購入を依頼された。治療前にその薬をお願いすると、ドクターは治療に入る前に10分ほどその薬について実に詳しく説明をしてくれた。私もその薬の何たるかの概略を知るところとなった。





 薬は広島大学歯学部・二川教授が開発した、固定化抗菌成分で、入れ歯にスプレーするだけで、24時間入れ歯の細菌繁殖を防ぐなどの効果がある。その効果はマスクにスプレーすることにより、マスクに抗菌バリアを形成し、菌やウイルスの体内への侵入を防げる。コロナ感染対策として、主として歯科医院で使用を始め、更には患者などへのお勧めとなったらしい。販売元はエーザイKKで、発売元はメディアKK。(写真:散歩コースの一つに茗荷谷方面がある。2日前、吹上坂途中にあるエイザイの本社を撮影)
 念のため<Etakに関するお問い合わせ>先のメディアKKに電話でその効果を問い合わせると、コロナウイルスに対して理論上効果がありますとのことだった。勿論、効果検証は未対応だろうが“理論上”に満足していて、暫くは使用を続けたい。この薬のお陰で一つのマスクが4~5日保っている。

 今日の一葉:不忍池には八重桜が咲いていた
 


「緊急事態宣言」発出される

2020年04月09日 | 医療

 4月7日(火)、漸く「緊急事態宣言」が発動された。その対象は1都1府5県で、期間は5月6日まで。「宣言」の発動が遅過ぎたとの意見も多く、私も早く出して欲しいと思っていた。テレビを通じてイタリアやアメリカの現状を知るにつれ、このレベルで「医療崩壊」は防げるのだろうかと不安に思う。都の感染者数を示すグラフは指数関数的に増加していて、ニューヨーク市の様な「爆発的感染」や「都市封鎖」にならないのだろうかと大きな怖れを感じてもいる。
 首相の演説を聞いて、休業補償や現金給付などもっとスピード感のある補償が何故出来ないのか等々不満な点は多々いが、これはと思う内容があった。それは希望者には、抗インフルエンザ薬「アビガン」の投与が認めらるとの発言だ。その薬を、希望する軽症感染者に使用すれば重篤化を防ぐのには有効で、富士フイルムで開発されたこの薬、コロナ患者70万人分の備蓄があることなどを“テレビ学問”で最近知っていた。
 東京都が軽症者用にホテルなどを借り上げ、1000室以上を確保し、軽症者の転送が開始されたとの報道もやや不安を和らげてくれている。 
 私個人の意識も少し変わった。以前は自分がコロナに感染しない為にどうしたら良いかをまず考えた。しかし、感染したが無症状の“サイレントキャリアー”などと呼ばれる患者数の増大や、感染経路不明者が増え続ける現況のなかで、私がいつ感染してもおかしくはない、いや、感染しているかも知れないと思うようになった。ならば私が他の方を感染させてしまうことのないような行動をとらねばならない。自分を守るだけではなく、他の方をも守る行動が求められていると強く感じている。マスク着用が必須だ。
 北海道に住む息子夫婦から、こちらに来ないかと誘われた。有り難いと思いつつも、“東京脱出”を遠慮した。要は、今は可能な限り外出を控えること。早朝散歩・通院・日常品の買い出し以外には外出しないで、2ヶ月間の“籠城”を妻ともども覚悟している。(ここにラジオ体操は登場しない。東京都ラジオ体操連盟から自粛要請の通達が来たのだ)
  
 実は5月13日に福岡県筑紫野市にある二日市温泉でミニクラス会を開く予定だった。随分前から予定していた参加者は7名。福岡在住のOさんが「大丸別荘」という名旅館を予約していてくれて、皆楽しみにしていた。そこへコロナ感染の蔓延である。呼びかけ人の私が4月1日に皆さんに「どうしましょうか」とメールで問うと、殆どの級友は「延期を」との返信で、宿泊を伴うミニクラス会は延期となった。実施と決めていたにしても、「緊急事態宣言」が福岡県をも対象とした段階では延期としたことだろう。勿論いつに延期するなど決められるはずもない。キャンセル料返金なしのJAL航空券を予約しておいたのだが、緊急事態故か一定額の返金があることがせめてもの救いだ。
 8日はスーパームーンであった。主役になれなかったお月様。









「ABC予想」証明される?

2020年04月06日 | 数学

 新型コロナウイルス感染に関する報道を見過ぎているかもしれない。東京に住んでいる身としては「医療崩壊」や「爆発的感染」が身近に迫ってきているような予感がして怖いなと思うこの数日、素晴らしいニュースが飛び込んで来た。
 京都大数理解析研究所の望月新一教授(51)による、数学の超難問「ABC予想」の証明に関する報せだ。京都大学は3日、数学の未解決難問「ABC予想」を証明したとする望月新一教授の論文が専門誌に掲載されると発表した。

 私は「ABC予想」なるものが存在していることは知っていたが、不勉強故その内容は知らなかった。それが4日の新聞には「予想」のおおよその説明が添えられていたので「予想」が何たるかを知った。新聞を読まれご存知の方も多いと思うが、数学を学び教えたことのある者としては、自分なりの解釈・説明を綴っておきたい。

 (1)二つの整数A・Bと、その和C=A+Bを考える。この時A、B、Cの条件として共通の約数は無いものとする。例えばA=2、B=5、C=7は条件を満たしていて〇で、A=3、B=6、C=9は共通の約数3を持つので✕
 (2) (1)の条件を満たすA、B、Cについて、そのA、B、Cから 
異なる素数を取り出し、その
すべての積Dを計算する。 
   A=2、B=5、C=7の場合、
   D=②×⑤×⑦=70 である。(素数には強調する意味で〇印 
   を付けた)

 (3) DとCを比較するとD=70>7=Cである。
 (4)上の様にDとCを比較すると、殆ど多くの場合D>Cで、例外的にD<Cとなる。「稀にD<Cとなる」が「ABC予想」である。
(5)幾つかの例を調べてみる。
  A=11、B=25、C=36 の場合、
    A=⑪、B=⑤×⑤、C=②×②×③×③だから

    D=⑪×⑤×②×③=330  でD=330>36=C となる。
   (B=⑤×⑤であるが、Bからは素数⑤を1つとる。
    C=②×②×③×③だから、Cからは②と③の2つをとる)

 (6)「D<C」となる具体例は?
       A=1、B=8、C=9 の場合で
   A=1、B=8=②×②×②、C=9=③×③ で D=②×③=6 
      で、
D<Cとなる。(1は素数ではないので、D=②×③=6の 
  計算の中には登場させていない。)

 この論文646ページからなるそうで、難解さから論文の内容チェックに8年もかかったとか。漸く、その正しさが認められたらしい。しかし、証明になっていないとする数学者もいるらしく、今後の行方を見守りたい。


元近畿財務局職員・赤木俊夫さんの手記を読んで(その1)

2020年04月03日 | 読書

 『週刊文春』3月26日号(3月19日の木曜日発売)に、2年前の3月7日に自ら命を絶たれた元近畿財務局職員赤木俊夫さんの遺書が掲載され、全文を読んだ。
 A4で7枚の手記は

 <はじめに 私は、昨年(平成29年)2月から7月までの半年間、これまで経験したことのないほど異例な事案を担当し、その対応に、連日の深夜残業や休日出勤を余儀なくされ、その結果、強度のストレスが蓄積し、心身に支障が生じ、平成29年7月から病気休職に至りました>から始まっている。異例の事案とは森友学園への国有地売却問題のことである。


 そこには、近畿財務局で密かに行われた公文書偽造に関する事柄が克明に綴られていた。
 <森友事案は、すべて本省の指示、本省が処理方針を決め、国会対応、検査院対応すべて本省の指示と本省による対応が社会問題を引き起こし、嘘に嘘を重ねるという、通常ではありえない対応を本省(佐川)は引き起こしたのです>と明確に書かれている。

 本省の指示に抵抗したが、最後には公文書改ざんに追い込まれ、関わってしまった者として、どう責任をとろうか悩み続け、自死される直前にその経過の詳細を遺書に認めたのだった。
 最後の最後に妻さんと家族への謝罪の言葉が綴られ、“さようなら”で手記は終わっている。実に誠実に仕事をされ続けた真面目な明るい方であったことがよく分かる。口癖は「ぼくの契約相手は国民です」だったそうな。ご無念はいかばかりだろうか。

 記事の作成者は元NHKの記者で、現在は大阪日日新聞に席を置く相澤冬樹氏。彼は『安倍官邸vs.NHK』を書いた後、退職を余儀なくされ、新しい場で“森友問題”の真相究明を続けていた。その執念がこの記事に結実していた。(この間の事情を2019/7/03 のブログに書いていた)。
 記事は赤木さんの手記に沿うように解説されている。
 赤木夫人のことを昌子(仮名)さんとしているから、ここでも昌子さんと書く。赤木さんの手記が存在することは知られていたが、昌子さん以外には読んだ人はいなかった。その手記を昌子さんは、2018年11月27日に梅田にある喫茶店で初めて相澤氏に見せた。相澤氏は全文を読んだ後コピーをお願いするが断られてしまう。昌子さんは手記を相澤氏に渡した後に自死する積りだったらしい。この時は気が変わり手記は持ち帰った。再び手記を相澤氏に見せたのは1年7ヶ月あとのことだった。

 『週刊文春』が発売された前日、昌子さんは国と当時の理財局長だった佐川宣寿氏を相手に1億1千万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
 国会では安部首相と麻生財務相は「改めて調査する必要は無い」旨の答弁をしていた。それに対し昌子さんはメモに「この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではないと思います」と書いた。痛切な言葉だ。昌子さんの思いは「真実を知りたい」にある。それは多くの国民の気持ちでもある。(追記。現在手記はネット上で検索出来る)

 言語 「週刊文春 赤木遺書」
 URL    https://bunshun.jp/articles/-/36821