母親を失い自らも何度も襲われて大怪我を負った城崎瀾という超能力青年の記者会見は再び世間の注目を浴びた。
城崎は沈黙を破ってたびたびインタビューに応じ、理由も分からないまま襲われる気の毒な青年の姿をマスコミを通じて世間に晒し続けた。
奇妙なことに城崎がインタビューに答えるたびに超能力青年という肩書きが少しずつ世間から消えていき、代わりに被害者の青年とか狙われた青年とかいう呼ばれ方をするようになった。
城崎が一左から習い覚えた連鎖する力は確かに効果を現していた。
言葉と映像を通じて人から人へと伝わっていく城崎の超能力に関するマイナスの記憶…。
誰かが城崎の超能力について語ろうとすると話し手からも聞き手からも面白いようにその部分だけの記憶が消えていく。
まるでコンピュータがウィルスに感染したみたいだと城崎は思った。
やがて人々の記憶の中には不条理な事件の被害者城崎瀾という記憶だけが残った。
そうなると人間とはおかしなもので、事件自体には相当興味を持っている者でもはっきり言えばまるっきり他人事だから、被害者の名前や顔貌に関する記憶は自ずとぼやけてくる。
ほらあの事件ねえ…とは話しても城崎瀾くんがねえ…とは言わなくなる。
新学期が始まる頃には城崎はほとんど人の目を引くこともなくなり、紫峰家で鍛えられて自己防衛力も少しは身につけたので、相変わらず岬を護衛につけながらも通学できるようになった。
まだ狙われていることには変わりないため、大学と紫峰の屋敷を行ったり来たりするだけの生活だったが…。
その日の舞の教室を終えた彰久はいつものように紫峰家の居間でお茶の接待を受けていたが、一左と修が連れ立って現れたのを見ていささか緊張した面持ちで挨拶をした。
「史朗くんから聞いてはいましたが、本日、御大より直にお話を伺いました。
鬼面川の祭祀舞の立ち上げにご助力頂けるそうで何とお礼を申し上げてよいのやら言葉も見つかりません。 」
彰久は修に向かって丁寧に頭を下げた。修は軽くそれを制した。
「どうかお気遣いなく…彰久さん。
最初にお断り申しておけばこれはあくまでビジネス上の話。
それなりのメリットがなければいかに史朗の切なる願いであっても、親友のあなたのためであっても僕は動きません。
実は予てより財閥のイメージアップ作戦ということで予算を組んで環境保護に協力してきたのですが、それはそれとして何か眼に見えて宣伝効果のあるものをもうひとつと企画側も考えていたのです。
隠れた文化遺産の発掘と保存はこれまでにもいくつか手掛けてきましたが、だいたい文化遺産などというものは地味なものが多いのでいまひとつぱっとしない。
イメージアップもなかなかこれで大変なんですよ…。
鬼面川の祭祀舞は千年の歴史を持つ優れた文化遺産でありながら、一地域に埋もれてしまっていて失われていくばかりの大変もったいない状態にある。
しかも…結構人目を引く派手さもあってなかなかに魅力的です。
取り敢えずは学術面から発掘保護させてもらうことになるでしょうが、その後のことはうちの企画と鬼面川の頑張り次第…。 」
修はそう言って恐縮する彰久の気持ちを和らげた。
「僕は交渉ごとはあまり得意ではありませんから財団とのことはすべて史朗くんにお任せすることになるでしょうが…できるだけ史朗くんの手足となって働くことに致します。 」
彰久らしい…と修は微笑んだ。
「今のうちに鬼面川も基盤を固めておいて下さい。
ご本家には一応私から連絡を取らさせて頂きましたが、孝太さんも加代子さんも大変乗り気のようで…。
そう言えば、うろ覚えながら36の舞を舞える人がもうひとりおいでになるということですよ。
亡くなった隆弘さんの弟さんで康弘さんという方で隆弘さんと一緒にあなたのお祖父さまから直接教わったとか…。
ふたりのご子息も幾つか舞うことができるそうです。 」
彰久の顔が喜びに輝いた。その方の実力がどうあれ、本家の周りにもすべての祭祀舞を覚えておいでの方がいるとは…これは御大親の計らいに違いない。
「是非…その方にお会いして確かめたいものです。 」
それを聞いて修が大きく頷いた。
「来週…ご子息とともにこちらへ足を運んで頂けるそうです。 ご子息がこちらの学校におられるので…。
うまくいけば面川姓と木田姓、小峰姓の三本柱が出来上がります。
……。 」
突然会話が途切れた。修は何かを思いついて真剣に考えているようだった。
彰久も一左も修の方をじっと見つめた。
「彰久さん…。 瀾の魂の記憶から…一族の過去…たとえば今の城崎の当主の過去について知ることができますか? 」
修がそう訊ねると彰久は頷いた。
「少し時間がかかるかも知れませんができないことではありません。
亡くなった人の魂を呼び出してお訊ねした方が早いことは早いのですが…。 」
修ははるを呼ぶと城崎を呼びにやった。
城崎は急いで修たちの待つ居間に姿を現した。
「瀾…訊きたい事がある…。 城崎一族から途中で枝分かれしたような一族の話を聞いたことはないか? 」
修は先ず城崎の今の記憶を確認した。
「いいえ…そうした話は聞いてはいません。
ただ幼い頃…何処かでだれか知らない人に紹介されたような記憶はあります。
それが誰だったのかは不明ですが…。 とても重要な人だったように思います。」
城崎が答えると修は彰久の方を向いた。彰久は了解したというように頷いて見せた。
「瀾…今から彰久さんがきみの知らない過去のことをきみの魂から導き出す。
ここに掛けてじっとしていてくれ。 」
城崎は素直にはいと返事をすると椅子に掛けた。
彰久は城崎のすぐ向かいに椅子を置くと其処に腰掛けて鬼面川の御大親に伺いを立てた。
御大親の許しを得ると真っ直ぐ城崎の方に向き直り城崎の顔に手を伸ばした。
城崎の額に人差し指と中指をあてて眼を閉じ、彰久の唇が何事かを呟くようにしきりに動いた。
城崎は眠ったように眼を伏せたまま動かなくなった。
御大親との会話なのか、城崎の魂との会話なのか、それとも全く別人なのかは修にも一左にもはっきりとは分からなかったが、城崎の口は閉じたままなのに確かに彰久は誰かと話しているように見受けられた。
そうしてしばらく会話を続けた後、彰久は相手に丁寧に礼を述べて、さらに御大親への礼を尽くし会話を終えた。
ひと呼吸入れて彰久は修たちの方へ向き直った。
城崎も目を覚ました。
「この方の先天的な記憶が何者かによって操作されているので、それほど多くの情報を得ることはできませんでしたが…それでも2~3重要と思われるようなことがわかりました。
一族の枝分かれというほどではありませんが、この方にはどうやら生き別れた兄上がおられるようです。 」
城崎は自分の知らない過去を聞いて困惑したような表情を浮かべた。
「まさか…聞いたことがありません。 僕はひとりっ子のはずです。 」
修は城崎の父親の白髪の頭を思い浮かべた。
瀾ひとりの父親にしては結構年配だなとは思っていた。
「兄上とは言っても異母兄弟のようで…この方とはかなり…最低でも14~5歳は離れているでしょうか。
下手をしたら親子と思われるほどの年齢差があります。
この方とはほとんど面識がないようで、一度だけ幼い折に会われています。
同族の方々からはとても厚く信頼されていたようです。 」
彰久は話すべきかどうか少し躊躇ってから城崎に向かって慎重に話し始めた。
「最初は兄上を跡取りにと…父上は考えておられたようです。
しかし…あなたが生まれたことで事情が変わった。
父上は兄上のことを疑っておられる。あなたが…兄上の子ではないのかと…。」
城崎は驚愕のあまり言葉を失った。
ふらふらと立ち上がって修の方へ近づき、今にも倒れそうに修に手を伸ばした。
修はすぐに城崎を支えた。
「それで…だから親父は…俺とお袋をほかりっぱなしにして女のところへ…。
修さん…修さん…俺のせいなの? 全部…何もかも…俺のせい…? 」
あまりの衝撃で城崎の身体中が震えていた。
何も知らずに反抗し続け、親父のことを悪者にして…驕り高ぶっていた…。
俺のために恥を忍んで紫峰家に頭を下げてくれた親父なのに…。
修はしっかりと城崎を抱きしめた。
「違うよ。 きみのせいじゃない。 人の心がそうさせるんだよ。
疑いや誤解…過ちや行き違い…生きていく中で誰にでも起こりうることなんだよ。
きみは何も知らなかったし…何もしていない。
きみに悪いところなんてない。 きみはいい子だ。 僕が保証する。 」
これまでにもさんざん痛めつけられてきた城崎の心はもはや崩壊寸前だった。
神経の糸が今にもぷつんと切れてしまいそうだった。
修は城崎を抱く腕を決して緩めず、繰り返しきみのせいではない…と言った。
「彰久さん…真実が分かりますか? 」
城崎の心をなんとか救ってやりたい…と修は縋るような目で彰久を見た。
しかし…彰久は首を横に振った。
「それが…だめなのです。 肝心なところはすべて…記憶の操作がされていてつかめないのです。 この方が兄上に会われた時にその記憶を誰かに消されたせいだと思います。 」
残念そうに彰久は語った。
狂ったように自分自身を責め続ける城崎の心をどうしてやることもできず、城崎の気持ちが落ち着き我に返るまでただ待つしかなかった。
両の腕に力を込め修はただただ城崎を抱き続けた。
きみのせいじゃない…きみが悪いんじゃないと…囁きながら…。
次回へ
城崎は沈黙を破ってたびたびインタビューに応じ、理由も分からないまま襲われる気の毒な青年の姿をマスコミを通じて世間に晒し続けた。
奇妙なことに城崎がインタビューに答えるたびに超能力青年という肩書きが少しずつ世間から消えていき、代わりに被害者の青年とか狙われた青年とかいう呼ばれ方をするようになった。
城崎が一左から習い覚えた連鎖する力は確かに効果を現していた。
言葉と映像を通じて人から人へと伝わっていく城崎の超能力に関するマイナスの記憶…。
誰かが城崎の超能力について語ろうとすると話し手からも聞き手からも面白いようにその部分だけの記憶が消えていく。
まるでコンピュータがウィルスに感染したみたいだと城崎は思った。
やがて人々の記憶の中には不条理な事件の被害者城崎瀾という記憶だけが残った。
そうなると人間とはおかしなもので、事件自体には相当興味を持っている者でもはっきり言えばまるっきり他人事だから、被害者の名前や顔貌に関する記憶は自ずとぼやけてくる。
ほらあの事件ねえ…とは話しても城崎瀾くんがねえ…とは言わなくなる。
新学期が始まる頃には城崎はほとんど人の目を引くこともなくなり、紫峰家で鍛えられて自己防衛力も少しは身につけたので、相変わらず岬を護衛につけながらも通学できるようになった。
まだ狙われていることには変わりないため、大学と紫峰の屋敷を行ったり来たりするだけの生活だったが…。
その日の舞の教室を終えた彰久はいつものように紫峰家の居間でお茶の接待を受けていたが、一左と修が連れ立って現れたのを見ていささか緊張した面持ちで挨拶をした。
「史朗くんから聞いてはいましたが、本日、御大より直にお話を伺いました。
鬼面川の祭祀舞の立ち上げにご助力頂けるそうで何とお礼を申し上げてよいのやら言葉も見つかりません。 」
彰久は修に向かって丁寧に頭を下げた。修は軽くそれを制した。
「どうかお気遣いなく…彰久さん。
最初にお断り申しておけばこれはあくまでビジネス上の話。
それなりのメリットがなければいかに史朗の切なる願いであっても、親友のあなたのためであっても僕は動きません。
実は予てより財閥のイメージアップ作戦ということで予算を組んで環境保護に協力してきたのですが、それはそれとして何か眼に見えて宣伝効果のあるものをもうひとつと企画側も考えていたのです。
隠れた文化遺産の発掘と保存はこれまでにもいくつか手掛けてきましたが、だいたい文化遺産などというものは地味なものが多いのでいまひとつぱっとしない。
イメージアップもなかなかこれで大変なんですよ…。
鬼面川の祭祀舞は千年の歴史を持つ優れた文化遺産でありながら、一地域に埋もれてしまっていて失われていくばかりの大変もったいない状態にある。
しかも…結構人目を引く派手さもあってなかなかに魅力的です。
取り敢えずは学術面から発掘保護させてもらうことになるでしょうが、その後のことはうちの企画と鬼面川の頑張り次第…。 」
修はそう言って恐縮する彰久の気持ちを和らげた。
「僕は交渉ごとはあまり得意ではありませんから財団とのことはすべて史朗くんにお任せすることになるでしょうが…できるだけ史朗くんの手足となって働くことに致します。 」
彰久らしい…と修は微笑んだ。
「今のうちに鬼面川も基盤を固めておいて下さい。
ご本家には一応私から連絡を取らさせて頂きましたが、孝太さんも加代子さんも大変乗り気のようで…。
そう言えば、うろ覚えながら36の舞を舞える人がもうひとりおいでになるということですよ。
亡くなった隆弘さんの弟さんで康弘さんという方で隆弘さんと一緒にあなたのお祖父さまから直接教わったとか…。
ふたりのご子息も幾つか舞うことができるそうです。 」
彰久の顔が喜びに輝いた。その方の実力がどうあれ、本家の周りにもすべての祭祀舞を覚えておいでの方がいるとは…これは御大親の計らいに違いない。
「是非…その方にお会いして確かめたいものです。 」
それを聞いて修が大きく頷いた。
「来週…ご子息とともにこちらへ足を運んで頂けるそうです。 ご子息がこちらの学校におられるので…。
うまくいけば面川姓と木田姓、小峰姓の三本柱が出来上がります。
……。 」
突然会話が途切れた。修は何かを思いついて真剣に考えているようだった。
彰久も一左も修の方をじっと見つめた。
「彰久さん…。 瀾の魂の記憶から…一族の過去…たとえば今の城崎の当主の過去について知ることができますか? 」
修がそう訊ねると彰久は頷いた。
「少し時間がかかるかも知れませんができないことではありません。
亡くなった人の魂を呼び出してお訊ねした方が早いことは早いのですが…。 」
修ははるを呼ぶと城崎を呼びにやった。
城崎は急いで修たちの待つ居間に姿を現した。
「瀾…訊きたい事がある…。 城崎一族から途中で枝分かれしたような一族の話を聞いたことはないか? 」
修は先ず城崎の今の記憶を確認した。
「いいえ…そうした話は聞いてはいません。
ただ幼い頃…何処かでだれか知らない人に紹介されたような記憶はあります。
それが誰だったのかは不明ですが…。 とても重要な人だったように思います。」
城崎が答えると修は彰久の方を向いた。彰久は了解したというように頷いて見せた。
「瀾…今から彰久さんがきみの知らない過去のことをきみの魂から導き出す。
ここに掛けてじっとしていてくれ。 」
城崎は素直にはいと返事をすると椅子に掛けた。
彰久は城崎のすぐ向かいに椅子を置くと其処に腰掛けて鬼面川の御大親に伺いを立てた。
御大親の許しを得ると真っ直ぐ城崎の方に向き直り城崎の顔に手を伸ばした。
城崎の額に人差し指と中指をあてて眼を閉じ、彰久の唇が何事かを呟くようにしきりに動いた。
城崎は眠ったように眼を伏せたまま動かなくなった。
御大親との会話なのか、城崎の魂との会話なのか、それとも全く別人なのかは修にも一左にもはっきりとは分からなかったが、城崎の口は閉じたままなのに確かに彰久は誰かと話しているように見受けられた。
そうしてしばらく会話を続けた後、彰久は相手に丁寧に礼を述べて、さらに御大親への礼を尽くし会話を終えた。
ひと呼吸入れて彰久は修たちの方へ向き直った。
城崎も目を覚ました。
「この方の先天的な記憶が何者かによって操作されているので、それほど多くの情報を得ることはできませんでしたが…それでも2~3重要と思われるようなことがわかりました。
一族の枝分かれというほどではありませんが、この方にはどうやら生き別れた兄上がおられるようです。 」
城崎は自分の知らない過去を聞いて困惑したような表情を浮かべた。
「まさか…聞いたことがありません。 僕はひとりっ子のはずです。 」
修は城崎の父親の白髪の頭を思い浮かべた。
瀾ひとりの父親にしては結構年配だなとは思っていた。
「兄上とは言っても異母兄弟のようで…この方とはかなり…最低でも14~5歳は離れているでしょうか。
下手をしたら親子と思われるほどの年齢差があります。
この方とはほとんど面識がないようで、一度だけ幼い折に会われています。
同族の方々からはとても厚く信頼されていたようです。 」
彰久は話すべきかどうか少し躊躇ってから城崎に向かって慎重に話し始めた。
「最初は兄上を跡取りにと…父上は考えておられたようです。
しかし…あなたが生まれたことで事情が変わった。
父上は兄上のことを疑っておられる。あなたが…兄上の子ではないのかと…。」
城崎は驚愕のあまり言葉を失った。
ふらふらと立ち上がって修の方へ近づき、今にも倒れそうに修に手を伸ばした。
修はすぐに城崎を支えた。
「それで…だから親父は…俺とお袋をほかりっぱなしにして女のところへ…。
修さん…修さん…俺のせいなの? 全部…何もかも…俺のせい…? 」
あまりの衝撃で城崎の身体中が震えていた。
何も知らずに反抗し続け、親父のことを悪者にして…驕り高ぶっていた…。
俺のために恥を忍んで紫峰家に頭を下げてくれた親父なのに…。
修はしっかりと城崎を抱きしめた。
「違うよ。 きみのせいじゃない。 人の心がそうさせるんだよ。
疑いや誤解…過ちや行き違い…生きていく中で誰にでも起こりうることなんだよ。
きみは何も知らなかったし…何もしていない。
きみに悪いところなんてない。 きみはいい子だ。 僕が保証する。 」
これまでにもさんざん痛めつけられてきた城崎の心はもはや崩壊寸前だった。
神経の糸が今にもぷつんと切れてしまいそうだった。
修は城崎を抱く腕を決して緩めず、繰り返しきみのせいではない…と言った。
「彰久さん…真実が分かりますか? 」
城崎の心をなんとか救ってやりたい…と修は縋るような目で彰久を見た。
しかし…彰久は首を横に振った。
「それが…だめなのです。 肝心なところはすべて…記憶の操作がされていてつかめないのです。 この方が兄上に会われた時にその記憶を誰かに消されたせいだと思います。 」
残念そうに彰久は語った。
狂ったように自分自身を責め続ける城崎の心をどうしてやることもできず、城崎の気持ちが落ち着き我に返るまでただ待つしかなかった。
両の腕に力を込め修はただただ城崎を抱き続けた。
きみのせいじゃない…きみが悪いんじゃないと…囁きながら…。
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