徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

それは…ないんじゃない…?

2007-03-17 15:30:50 | オカン
 昨日で公立入試は終わり…。 良くも悪くも…これで行き先が決定する…。
結果が分かるまでに一週間…長いなぁ…。
まあ…何処に入学することになっても…それなりに楽しくやってくれれば…それはそれで…いいんだけどね…。


 部活とボランティアに明け暮れた高校生dove…相変わらず…勉強の方は適当…。
何しろ…doveの通っていた高校は田舎にあり…周りに鶏舎はあるわ…田んぼや畑はあるわ…牛舎はあるわ…馬まで居るというところ…。

 バス停から高校までの間に…蛇は居るわ…蛙は居るわ…雉まで出る始末…。
用水路の中には川モロコ…メダカ…近くの川で鮎を釣ったという噂まで聞く…。 

 そんな環境でdoveの頭が勉強に向くわけがない…。
部活がなければバスにも乗らず…友だちと連れ立ってわざわざ遠回りして…ふらふらと川岸を歩きながら…のんびり駅を目指す…。

 部活のある日には遅くなるのでバスで駅まで行くけれど…やっぱり…真っ直ぐ帰らずにほとんど毎日寄り道をする…。
そんな話をすると…まるで不真面目な悪い子ちゃんだったように聞こえるが…doveは堅物の至って真面目な高校生だった…。

 寄り道をする先はパン屋さん…。
ここにオカンくらいの齢の愛想のいい可愛いオバちゃんが居て…この人と話をしながらパンを買うのが…日課のようになっていた…。

何で毎日パンを買うのかって…?

そりゃぁあなた…自己防衛のなせる業…。
万が一のための備えなの…。

えっ…イモムシスープへの備えか…って…?

そんな生易しいもんじゃないの…。
イモムシスープでもありゃぁあなた…天国よ…。


 高校へ入学したての頃はそれほど頻繁に寄り道しなかった…。
部活で遅くなっても家へ帰ってから夕食を食べた。

…が…あれは学校にも部活に慣れた頃のこと…。

 その日の帰り…めちゃくちゃ御腹が空いていたdoveは…たまたまそのオバちゃんの店に寄ってパンを買って帰った…。
御飯だけじゃ足らないような気がしたから…。

家へ到着した頃には…みんな夕飯が済んでいた。 

 「あれぇ…あんたって…まだ帰ってきてなかったんだっけ…? 」

doveの顔を見た途端オカンが不思議そうな顔をした。

 「ただいまって…今…言ったやんか…。 」

何言っとんじゃ…と思った…。

 「うひゃひゃ…あんたが居らんことに気付かなんだわ…。
ちょっと御飯が多めに残ったもんで…残してもあかんと思って…無理して全部食べてまった…。
どおりで残っとったはずだわ…うひゃひゃ…。 」

・・・・・・・・・。

無理して食わんでもいいのに…。

 「どうしょう…? ラーメンならあるけど…? 」

気の毒そうに…というよりは笑いが止まらないオカン…。

 「まあ…ええわ…。 パン買ってきたで…。 」

危ねぇ…。 食いっぱぐれるとこだった…。
パン屋のオバちゃんさまさまじゃ…。

 doveの実家ではこういう場合…怒ってもしょうがない…。
溜息のひとつもついて…あるものを食べておく…。
オカンと暮らすには…すべてにおいて自己防衛が必要…。

うかうかしとったら飢え死にするわい…。

翌日から卒業するまで…doveのパン屋通いは続いたのだった…。