コロナウイルス報道でかき消されそうな「森友事件」を大阪日日新聞の相澤冬樹記者(元NHK記者)がずっと追っている。
自死した近畿財務局の赤木俊夫さんの奥さんが「夫がどうして死んだのか知りたい。」という思いを信頼している相澤記者に託し、それに応える記者魂のようなものを感じ、尊敬している。
週間文春4月23日号で最近奥さんに届いたという差出人不明の手紙に纏わる記事が掲載された。
ワープロで「森友事件」関わった近畿財務局職員の人事異動について“解説付き”で書かれている。
手紙に《赤木さんの自殺の件は、佐川元長官が首謀者のようになっていますが、本当は、赤木さんを助けなかった近畿財務局の直属上司たちが一番罪深いと思います。にもかかわらず、当時の近畿財務局管財部の上司たちは、全員、異例の出世をしています。まさに赤木さんを食い物にしたのは、この5人だと思います。良識のある近畿財務局の職員は、きっとそう思っています》とある。
5人のうち4人が実名で書かれている。
〝異例の出世〟かどうかは外部の人間には分からないが、役所には人事やポストの繋がりにセオリーのようなものがあり、手紙には財務省の〝人の動かし方〟が詳述されている。内部からの告発に間違いないだろう。
これまでも森友事件、加計学園事件に関わった人物が昇格している。
既にルートに乗っている人物がたまたま居た処が〝ガレ場〟になって、良心に反してでもこなして規定ルートで次ぎに向かうということはあるにしても、「どうして?」という不思議な人事はある。
その一つが森友事件の時の安倍昭恵夫人付だった経産省の谷査恵子主査(現イタリア日本大使館1等書記官)だ。今流の“濃厚接触者”だ。
国有地払い下げに関して、財務省国有財産審理室長と優遇措置についてやりとりしていた人物である。主査が本省幹部とダイレクトにやり取りすることは無いという。
「外務省大使館1等書記官」に就くには人物・能力以前に入省時の試験資格があるという。破格の“口封じ人事”でないか、と言われた。
「森友事件」には数々の不思議がある。安倍首相がコロナ対応でレームダック化し、相澤記者が安倍政権の様々な疑惑を大スクープで伝える日も遠くないのではないか。