「森友事件」がコロナ雲に覆い隠されている。日本は様々な安倍政権疑惑と消費増税による景気低迷に加えてパンデミックの発生で、まさに取り込み中だ。
しかし、文書改竄の経過を手記に残して自死した元・財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの遺志に報いるために再調査し、真実を解明するのは国民の務めと思う。
4月9日発売の『文春』で大阪日日新聞の相澤冬樹記者が、「私や妻が関わっていたら議員も総理も辞める。」という安倍首相の国会答弁が一連の公文書改竄に「関係がなかった、ということもない、と思いますね。」と当時の財務省秘書課長だった伊藤豊氏(現・金融庁監督局審議官)が奥さんに述べていることを報じた。
赤木さんが自死して7ヶ月後の2018年10月28日のことだ。「私がご説明したい内容を申し上げることで区切りになるかどうか分かりませんけども、知っていることは全部お話しさせていただきます」と述べた上でのことで、奥さんが録音していた。「夫は何故死んだのか、」それを知りたい一心が伝わってくる。
伊藤氏は財務省の報告書を取りまとめた中心人物であり、国会は発言の趣旨を確認する必要があると思う。
気になることがあった。伊藤氏が「安倍さん」と呼んでいることだ。事務次官候補の官房三課長(所謂、文書・予算・人事)の一角であり、日頃、官邸に頻繁に出入りする立場なので、組織内部でさん付けすることはあっても対外的には極めて奇異に感じる。
親密さをアピールしたというよりは文書改竄で官邸と相当やり取りをしていた舞台裏がさん付けでつい口を突いたのではないか。何かが潜んでいる気がした。
安倍晋三首相も麻生太郎財務大臣も「手記に新事実は無い。」と再調査に否定的な答弁を国会などで繰り返しているが、手記が全てではない。ネットの要求は30万人に達している。(Change Org)
コロナも大事だが、我々も国会も報道も忘れてはならない国の根幹に関わる重要事項ではないか。
【録音の内容】-週刊文春4/16号より-
「国会が、まぁある意味延長したのは、あの発言があったから。野党は安倍さんの首を取りたくて。いろんなネタを、これだけじゃなくて加計学園とかですね、いろんなネタで安倍さんの首を取ろうとしているわけですけど。(略)安倍さんが首相じゃなくなったらだいぶ変わるとは思います。(略)安倍さんがああやって『関知してたら辞めてやる』っておっしゃったのが二月十七日なんですけれど、あれでまぁ炎上してしまって。で、理財局に対する野党の『あれ出せ、これ出せ』っていうのもワーっと増えているので、そういう意味では関係があったとは思います。炎上しなければ別にそんなに、何か無理しなくてもですね、理財局は普通に淡々としていれば、別に(改ざん前の文書を)出しても炎上しませんし。まぁそういう意味では、ちょっと間接的ですけども、関係がなかった、ということもない、と思いますね」