コメの苗づくりに二種類あることを知らなかった。「ポット式」と「マット式」だ。こんなことも知らないで農業行政の仕事に従事していたことを恥じ入る。
ポット式はプレートの窪みに入れた土に種籾を播種する方式なので土の量が少なく軽いが、マット式はプレートいっぱいに敷き詰められた土に種籾を播種し、散水されているので何たって重い。
本州は「マット式」が多いという。田植え機メーカーの販売勢力図と関係しているということか。
JA農業支援の仕事は納屋などの製造設備で出来上がったプレートをハウス内に運び込んで1枚1枚並べる作業になる。
4月21日のT農場はマット式で、並べる作業を自作の装置で行っていた。昨年亡くなられた親父さんが機械工作が趣味で試行錯誤して作ったという。
装置の進むスピードと苗プレートが自重で地面に滑り落ちるスピードが絶妙なタイミングで噛み合っており、なかなかの優れものだ。
今年は息子さんと母親との二人になったのでコメの作付面積を2ha減らしたとのこと。現場で農村の高齢化と労働力不足を実感する。
安倍政権は貿易協定を念頭に、食料自給率の計算も輸入飼料に頼る畜産物の考え方を変更し、これまでの自給率を37%から54%にアップさせている。見せかけの数字操作と言える。
パンデミック後の食糧問題が大いに気になる。
《10haの水田にプレート5,000枚。この日は2,500枚を敷いた。2020.4.24》