楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

『 私の自転車旅物語』 - 2013 福井・能登・出雲崎へ  2 - 

2021年04月16日 | 『私の自転車旅物語』

2013年10月   能登の旅

この年は7月に道南の桧山管内へ初めての自転車旅に出掛け、10月には初めて道外旅を体験した。

 

 

 ・10/ 3 恵庭(JR)→苫小牧市(バス)→苫小牧東港(フェリー)23:30

 ・10/ 4 敦賀港着 20:30(船員会館)

 

苫小牧東港から、ほぼ一昼夜のフェリー旅で敦賀港へ向かった。昔の職場の友人で福井県坂井市にいるYさんを訪ねてから能登半島を巡り、JR輪行で良寛の出雲崎に寄って新潟からフェリーで苫小牧に戻るという旅だった。

台風が日本を横断して能登半島に向かう予報が出ていた。

 

先ずはフェリー乗船。輪行バッグに入れて「手荷物」にすると安く運べるが、敦賀港に真夜中に着いて直ぐに宿の船員会館を探せるよう自転車は組み立てた状態で積み込むことにした。

乗船手続きをして車輌待機場へ。行き先の書かれた小さな荷札をつけて貰って船体後部からスロープを自転車を押して上る。

順番はバイクから始まり、続いて自転車は自分だけだった。広々とした貨物室の側壁の専用コーナーに船員さんがロープで固定してくれた。

サイドバッグから洗面具、軽食、本、アルコールなどの身の回り品をザックに移し替えて船室へ。出港すると貨物室には戻れない。

2等大広間は空いていた。持ち込んだビールを飲んで直ぐに眠った。

 

津軽海峡を抜けて早朝に秋田沖を通過している時に目が覚めた。甲板に出ると曇り空の下に岩木山が浮かんでいた。もう携帯は通じない。台風が近づいているせいか揺れた。

 

朝食を摂ってから風呂に入り、船内をウロウロしたり本を読んだりしながらやがて能登半島沖に差しか掛かった。

とてつもなく大きく見えた。走れるか自信が無くなった。

 

再び風呂に入ったり、本を読んだり、音楽聴いたり、地図を見たり。一昼夜は長い!

再び夜を迎え、午後8時30分にようやく敦賀港に到着した。船首からトラックが降りてバイクが降りて自転車は最後だった。

船員さんに会釈してスロープを下る。「気をつけて」の声。

 

外に出ると10月の敦賀港の空気が生温かかった。宿の「港湾福祉センター」は港の傍なのだが暗くてなかなか見つからない。

電話してみると、「通りに出て手を振っているから」との管理人さんのやさしい言葉。

間もなく到着することが出来た。私一人のために風呂を沸かして待っていてくれた。

最近は船員さんもビジネスホテルに泊まるので、各地の専用宿泊施設はどんどん閉鎖されて寂しいと管理人の高齢のご夫婦が話す。素泊まり3,600円と安いのに。

温かい風呂に浸かり、広々とした和室の布団で翌日からの旅に備えて早めに寝た。 

(つづく)