楕円と円 By I.SATO

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ウクライナ戦争は世界戦争の様相

2022年05月04日 | 日記

戦後世代なので食糧難は経験していないが、小さい頃に親や兄姉からよく聞かされた。

曰く「配給米は少なく、いも、カボチャばかり食べていた。」等々。

コメ、大豆を7割~10割自給していた時代にあっても戦争はあっという間に食糧生産を逼迫させてしまうということだろう。

 

あまり報道されないが国連安保理事会では、ウクライナ戦争によって起きつつある農業危機がもたらす影響も焦点となっていて、国連世界食糧計画(WFP)のトップは「第2次世界大戦以来、目にしたことのない」大惨事を地域の農業と世界の食糧・穀物供給にもたらしていると警告している。

 

ウクライナとロシアは世界の小麦の30%、トウモロコシの20%、ヒマワリ油の75〜80%を生産しているとのことだが、ウクライナの農地は荒れ、農民は兵士となって戦い、物流の拠点港は封鎖されている。

農業に従事していても砲弾、地雷に晒され、植え付けや収穫どころではない。肥料の不足から収穫量が50%減少する可能性もあるという。

実際、ウクライナの人口の少なくとも45%が食糧難に直面し、大人は子どもに食べさせるために食事を抜いたり、食べる量を減らしたりしているという。

アフリカ・サハラ砂漠以南を中心に、WFPが世界で1億2500万人の食料支援に必要な穀物の50%はウクライナから購入しているというから戦争が長期化すれば食糧不足が世界に拡散してゆく。

ウクライナ戦争は「既に世界戦争の様相を呈していると結論付けざるを得ない」という見方は、日本の戦争中の食糧事情からして正しいのかもしれない。

 

日本の現在の食糧自給率は37パーセント。にも関わらず食料品の値上がりの主たる要因を石油価格の高騰による輸送費アップと円安に結びつけている。ブラックユーモアにもならない。

急ぐ必要など無い憲法改正が喧しいが、ウクライナ戦争がもたらす食糧問題への与野党の問題意識がまるで見えない。どうなのだろうか。