N響の京都公演を聴きに京都に来て3日が経った。息子が客演することになって、山陰の自転車旅とともに、この夏の楽しみだった。
京都は溜まるような盆地の暑さがある。
人混みを避けて嵐山、愛宕山の周辺を歩いていると汗が首筋を伝う。
演奏会の指揮は秋山和慶、ドボルザークのチェロ協奏曲は宮田大さん。
チェロは人間の声に近い楽器という。
心の喜怒哀楽の襞が振動となってホールに広がるようだ。
コロナで会場での大声は制限されているが、思わずブラボーがかかる熱演だった。
ドボルザークは民族音楽の匂いと未来への希望を感じさせてくれて好きだ。
ベートーベン7番は〃ベト7〃の愛称で親しまれている。
息子が修行時代に漫画でブレイクし、その後、TV、映画にもなった『のだめカンタービレ』のテーマ曲に使われて一躍有名になった。
毎週よく観ていた15年前がオーバーラップして感慨深かく、ジーンとした。
流石にN響と宮田大さん、会場のロームシアター京都の3階席までほぼ満席だった。
終演して外に出ると昼間の暑熱を冷ますように小雨が降っていた。
ホテルへの道すがら妻と地ビールで乾杯した。
その頃、息子は新幹線に飛び乗って福岡へ向かっていた。